自民党は8日、内閣第1部会と女性活躍推進特別委員会の合同会議を開き、前回会合で選択的夫婦別姓制度の記述をめぐり異論が続出した政府の第5次男女共同参画基本計画案について議論した。政府側は修正案を提示したが、慎重派から「不十分」として再修正を求める声が相次ぎ、結論は再び持ち越しとなった。
修正案をめぐり、慎重派は削除を求めていた「国際社会において、夫婦の同氏を法律で義務付けている国は日本以外に見当たらない」などの記述が残っていたことを問題視。高市早苗前総務相は記者団に「国際社会は関係なく、日本は日本だ。家族単位の福祉も税もある」と語った。
また、慎重派の党ベテランは「過去の基本計画は(夫婦別姓などに関わる)家族の法制についての記述が4~5行程度だったが、今回は4ページにわたる。推進派のバイアスがかかった書きぶりだ」と指摘した。
一方、推進派の井出庸生衆院議員は記者団に「前回の議論を踏まえて両論併記になった部分もある。推進派もたくさんいるので、そういう声を上げていきたい」と強調。宮崎政久衆院議員も「さまざまな考え方に対応できる社会を作っていくことが自民党の役割ではないか」と語った。
関係者によると、2時間半に及んだ今回の会合では19人が慎重意見を、18人が推進意見を述べた。議論が平行線をたどる中、冨岡勉部会長は「早急に結論を出すべきではない」と判断し、新たに衛藤晟一・党少子化対策特別委員長と中曽根弘文・党青少年健全育成推進調査会長を加え、修文作業を行う考えを示した。
ただ、推進派の森雅子女性活躍推進特別委員長は記者団に「(衛藤、中曽根両氏の)意見は聞くが、内閣第1部会と女性活躍推進特別委で決めていく」と語るなど温度差が浮き彫りとなっている。(広池慶一)