
G7外相会合((5月5日共同宣言)と前後して行われたイギリス、ドイツ、フランス各国外相と日本の茂木外務大臣との個別の会談でも、自由で開かれたインド太平洋地域の実現に向けて安全保障・防衛協力を促進することで一致しました。
議長国として中国に対するG7の結束を演出したイギリスは、中国を「経済安全保障上の最大の国家的脅威」と位置づけ、ことし3月、インド太平洋地域の安定に積極的に関与する新たな外交・安全保障政策を打ち出しました。
さっそく今月はじめ、最新鋭空母「クイーンエリザベス」を中心とした「空母打撃群」と呼ばれる空母と潜水艦や駆逐艦などからなる部隊がポーツマス海軍基地を出港し、7か月かけてインドや日本、韓国などに寄港、海上自衛隊とも合同演習を行う予定です。
イギリス政府当局者は中国を挑発するものではないとしていますが、中国の脅威に対して日本やオーストラリアなどと安全保障上の連携を強化しようという狙いがうかがえます。

独艦艇、11月に日本寄港 日米と共同訓練計画2021/6/5 21:50

日独両政府が独海軍艦艇の日本への寄港を11月で調整していることが5日、分かった。寄港に合わせ、11月に予定している海上自衛隊の大規模演習の機会を生かして海自艦艇と共同訓練を行い、
訓練には米海軍艦艇も加わる見通しだ。防衛省によると、海外に領土のないドイツがアジア地域で艦艇を投入して共同訓練を実施するのは初めてで、東・南シナ海で海洋進出を強めている中国を牽制(けんせい)する枠組みが拡大する。
独海軍はフリゲート艦「バイエルン」を8月に出航させ、インド太平洋地域に派遣する。寄港地は各国と調整中だが、複数の日本政府高官によると、日本には11月上旬に寄港させたい意向を伝えてきた。
日本寄港の前後に海自との共同訓練を計画している。海自は20隻以上の艦艇と40機以上の航空機を参加させるのが通例の「海上自衛隊演習」を日本周辺海空域で11月に実施することを予定し、演習期間中に独海軍と共同訓練を行う案が有力になっている。
海上自衛隊演習は昭和29年に始まり、演習期間中の米海軍との共同訓練は56年から行っている。平成29年からカナダ海軍艦艇が参加し、令和元年にはオーストラリア海・空軍の艦艇と航空機も加えた日米豪加4カ国の共同訓練に発展しており、こうした枠組みに独海軍のバイエルンが参加することを調整する。
今年4月に初開催した日独外務・防衛閣僚会合(2プラス2)では海上で積み荷を移し替える瀬取りによる北朝鮮の密輸入を監視する活動で協力を検討することでも一致した。ドイツとして初めて瀬取り監視にバイエルンを参加させることも視野に入れる。
バイエルンは日本寄港後の本国への帰途、中国が周辺国に対する威圧を強めている南シナ海を航行する予定だ。今年は日独交流160周年にあたり、バイエルンの日本寄港に合わせた親善行事を行う可能性がある一方、ドイツ政府は親善を目的にバイエルンを中国に寄港させることも検討している。
バイエルンには独陸軍が同行しないため、5月に行われた日米仏共同訓練のような演習場での訓練は行わない。年内には英国も空母クイーン・エリザベスを中心とする空母打撃群を初めて日本に寄港させる。