岸信夫防衛相は5日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い緊急事態宣言が発令されることを踏まえ、自衛隊に4日、医療支援など必要な措置を講じるよう指示したと明らかにした。
岸氏は防衛省で記者団に「自治体からの要請があれば、速やかに部隊を派遣できるよう、万全の態勢を整えていく」と強調した。
岸氏によると、5日時点で自治体から具体的な支援要請はないが「それぞれの地域で医療が逼迫した状況が生まれつつある。何かあれば、しっかり動けるよう、万全の態勢を整えたい」と述べた。
私たち地方議員は、かつて幕末の坂本龍馬らが幕藩体制を倒幕した草莽の志士のごとく、地方議会から「誇りある国づくり」を提唱し、日本を変革する行動者たらんことを期す。(平成17年5月30日~)
感染症と自然災害に強い日本を創ろう
1、緊急事態条項の必要性について
本年 4 月、当時の安倍総理が「緊急事態宣言」を発令されましたが、世界の国々のように、「平時のルール」から「緊急時のルール」にスイッチがONにはなっていません。他の国々のように「人権を制限」する「ロックダウン」はできても、日本ではできません。なぜなら、世界185カ国には「人権を制限」できる「緊急事態条項」が明記されていますが、わが国の憲法には明記されていないからです。
2、感染拡大防止には憲法論議が必要です
全国知事会は「外出規制や休業要請に伴う罰則規定など、様々な法的措置をとるべきである」と、また「権限強化は『待ったなし』であり、『必須』」だと政府に対して迫りました。それに対して西村康稔担当大臣は「人権制約には、憲法上の議論が必要になる」と答弁しました。つまり、緊急時に「人権を制約」できるためには、憲法に緊急事態条項が必要なのです。
3、給付金が迅速に国民の手元に届けることができるためには、地方自治体に認められている「専決処分の制度」を国の制度としても認めるべきです。現在、政府は国家で予算案が議決されなければ、憲法違反となるため、国費は支出できず、定額給付金の支給が遅れる要因となっています。現憲法の83条、85条には、「国会の議決」に基づいてとあるため、迅速に予算を支出できないのです。
4、国会の緊急対応は大丈夫か
世界では、感染拡大の対応として、例えば、米下院は1議員につき10人分までの代理投票を認められています。英議会は入場議員を50人に制限し、残りの120人はオンライン参加が認められているのですが、日本では憲法56条に規定されているため「議会の定足数は変更できず、オンラインも参加も不可能」です。憲法が壁となり、対応はできないのが現状です。また、100以上の国・地域のうち約7割が選挙を延期できますが、わが国は国会議員の任期は憲法45条・46条により変更できません。
5、憲法に緊急事態条項が必要
千葉県の救命緊急センター長の松本医師は「幕張メッセに臨時病院の設置を計画」されたが、断念せざるを得ませんでした。なぜなら、千葉県法務担当者が「法律でやれない理由が多々ある」という理由です。しかし、憲法に緊急事態条項があれば、細かな制約をクリアできるのです。現憲法では「国民の安全と生活を守れない」の現状です。
■憲法改正についてはなんとか憲法審査会が動きだし、国民投票改正法案が採択され、憲法改正原案が審議される年であることを祈念します。
本年早々、予算案と並行して「コロナ特措法改正」が審議されます。罰則など争点ですが、罰則規定を伴う特措法の改正について、西村康稔担当大臣は「人権の制約に関わるので、憲法上の議論も必要になってくる」(昨年4月13日の参院決算委員会)と明言されています。
だからこそ、憲法審査会において「罰則規定を伴う特措法改正」の議論が求められます。つきましては、憲法審査会での議論を後押しするために、これまで進めてきた「国会において、憲法議論の促進を求める意見書」(現在43都道府県・112市区町村採択)について、
本年は是非とも、三重県、愛知県での採択で45都道府県。そして200市区町村での採択を成し遂げることで、憲法審査会で感染症に強い日本を創るための憲法改正原案の審議がいち早く議論されることを期待するものです。
■夫婦別姓問題では、夫婦別姓を認めない民法の規定が憲法に違反するかについて、本年8月頃に最高裁大法廷で審理されることが決定しています。5年前の大法廷では憲法に違反しないとする判断を示していて、再び憲法判断することになっています。
第5次男女共同参画の政府方針には「国民各層の意見や国会における議論の動向を注視しながら、司法の判断も踏まえ、更なる検討を進める」と大法廷を意識し、夫婦別姓を認めない民放規定が憲法違反であることを望んでいます。そのため共産党は選択的夫婦別姓推進意見書が近年、120自治体で採択していると強調し、今後とも推進意見書を採択してくるに違いありません。
一方、政府方針には「婚姻により改姓した人が不便さや不利益を感じることのないよう、引き続き旧姓の通称使用の拡大やその周知に取り組む」とあります。
「自衛隊は便利屋ではない」。陸上自衛隊出身の佐藤正久元外務副大臣が、自身のツイッターに記した言葉は重い。新型コロナウイルスの感染拡大で地域の医療現場が悲鳴を上げる中で、自衛官(看護官)による医療支援はやむなしとしても、最重要の本来任務はわが国の防衛だからである。
▼佐藤氏はブログでは、9日の自民党国防議員連盟での出席議員と厚生労働省との質疑を紹介する。議員側は、地域の国立病院が重症患者を受け入れず、私立病院に派遣していた医員を引き揚げた問題をただしている。国立病院側は、現地入りした厚労省幹部の受け入れ要請も承諾しなかった。
▼自衛隊の派遣を要請した北海道旭川市の西川将人市長も大阪府の吉村洋文知事も、「最後の手段」だと述べている。今後、自治体は「自衛隊の災害派遣を要請する前に国立病院、公的病院、私立病院の順で連携し、対応できる環境を作っていく」(佐藤氏)努力が必要だろう。
▼自衛隊はこれまで自衛隊中央病院などで千人以上の感染者を受け入れてきた。コロナ以外の隊員の病気や負傷の治療も継続しなければならない。「(自治体の)要請をそのまま受け入れるのはかなり困難」(岸信夫防衛相)なのは当然である。
▼厳しさを増す国際情勢に目を転ずれば、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海における中国公船の侵入は、もはや常態化している。海上保安庁や海上自衛隊との衝突が起き、負傷者が出る可能性は否定できない。
▼ところが、10日発行の僚紙「夕刊フジ」掲載のジャーナリスト、小笠原理恵氏の寄稿によると来年度、多くの自衛隊病院が不採算部門として廃止され、規模を縮小した診療所になるというから驚愕(きょうがく)した。本末転倒ここに極まれり。
重症患者用の施設が近く稼働する大阪府を念頭に置いた発言とみられる。
西村康稔経済再生担当相は6日、NHK番組に出演し、新型コロナウイルスの感染拡大について「最大限警戒すべき状況にある」と述べ、必要な医療が提供できなくなる恐れが高い地域の体制を強化するため、自衛隊の看護師派遣を検討していると明らかにした。
重症患者用の施設が近く稼働する大阪府を念頭に置いた発言とみられる。
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は同じ番組で「医療現場は悲鳴を上げている」と語り、「人の動きと接触を短期間に集中して減らすのが必須だ」と指摘した。
西村氏は感染防止策を徹底してもらえるよう、注意喚起を一段と促すと強調した。
西村氏は出演後に記者団の取材に応じ、新型コロナの影響で経営が悪化している小児科の医療機関への支援を拡充する考えを示した。受診控えが続いているためで、8日にも決定する追加の経済対策に盛り込む。
国民投票法改正案は今国会での採決が見送られた代わりに、来年の通常国会で採決される見通しとなった。党内外から採決圧力が高まっていた自民党と、「新型コロナウイルス禍なのに政局ばかり」との批判を懸念して菅義偉内閣への不信任決議案を提出したくなかった立憲民主党。
会期末が5日に迫る中、双方が折り合える妥協案に落ち着いた。
立民の福山哲郎幹事長は自民党の二階俊博幹事長との1日の会談後、記者団に「次の通常国会では何らかの結論を得るということを確認した」と語った。立民側は「採決を約束したわけではない」と主張するが、「採決を約束」と解釈するのが一般的だ。
国民投票法改正案は今国会での採決が見送られた代わりに、来年の通常国会で採決される見通しとなった。党内外から採決圧力が高まっていた自民党と、「新型コロナウイルス禍なのに政局ばかり」との批判を懸念して菅義偉内閣への不信任決議案を提出したくなかった立憲民主党。
会期末が5日に迫る中、双方が折り合える妥協案に落ち着いた。
立民の福山哲郎幹事長は自民党の二階俊博幹事長との1日の会談後、記者団に「次の通常国会では何らかの結論を得るということを確認した」と語った。立民側は「採決を約束したわけではない」と主張するが、「採決を約束」と解釈するのが一般的だ。
駆け引きは前日の11月30日に始まっていた。自民の森山裕国対委員長が立民の安住淳国対委員長と会談し、会期内の改正案採決を提案。安住氏は拒否し、最後は「激しい言い合いになり、席を立った」という。
森山、安住両氏は1日に再会談し、平行線に終わった後、二階、福山両幹事長が加わり「何らかの結論」という文言で決着した。自民執行部にとっては、改憲に熱心な自民議員に加え、改憲議論に積極的な日本維新の会からも早期採決を強く求められていた。
一方、立民は党内左派や支持団体、共闘する共産党が絶対反対の立場だ。そこで自民は「今国会での採決」を取り下げ、立民は「通常国会での結論」を認めるという「両者ともに身内に説明がつく結論」(立民国対関係者)となった。
改正案の採決見送りで、内閣不信任案を提出する大義がなくなった立民は安堵(あんど)している。安住氏は前日、提出について「強行採決なんかしようものなら徹底的に戦う。その選択肢としては排除しない」と与党を牽制(けんせい)していた。
だが、内閣不信任案提出や審議拒否といった政権を追い込むための政局を新型コロナ禍で繰り返せば世論の批判は必至で、避けたいのが立民側の本音だった。
共同会派を組んで足並みをそろえていた国民民主党は10月に会派を離脱し、早期採決を主張し始めた。立民が共産とともに反対する構図は、支持層だったはずの一部の民間労働組合の不満も招く。
立民幹部は「近いうちに衆院選もある。『共産と一緒に政権批判ばかり』とみられるのは避けたい」と語る。(田中一世)
国民投票改正法案 8国会棚ざらし
26日の衆議院憲法審査会にて
自民党の新藤 元総務大臣は、「ようやく審議に入ることができ歓迎したい。
内容にほぼ異論のないものが、8国会を経て、まだ採決に至らない状況は憂うべきことだ。与野党合意の中で、可及的速やかに採決をお願いしたい」と訴えました。
このあと、日本維新の会馬場幹事長が、改正案の速やかな採決を求める緊急動議を提出し、与野党で取り扱いを話し合うことになりました。
また、審査会の次の定例日となる来月3日を含め、今後の審議の日程についても、与野党で協議が行われる見通しです。
憲法改正の手続きを定めた国民投票法の改正案について、自民党は、26日開かれる衆議院憲法審査会で、質疑と採決を行いたいと野党側に提案しました。
今の国会の会期末まで2週間を切る中、衆議院憲法審査会の自民・公明両党と、日本維新の会の幹事らが国会内で会談し、憲法改正の手続きを定めた国民投票法の改正案の取り扱いを協議しました。
その結果、改正案の審議を速やかに進める必要があるとして、26日開かれる審査会で、審議と採決を行う方針で一致し、野党側が求めているテレビ広告の規制などの議論も、自由討議として別途行うことを確認しました。
そして、こうした内容を、与党側の筆頭幹事を務める自民党の新藤元総務大臣が、野党側の筆頭幹事を務める立憲民主党の山花憲法調査会長と電話で会談して提案しました。
新藤氏は記者団に対し、「野党側もそれぞれの党の方針があると思うので、よく相談してもらいたい」と述べました。
26日の衆議院憲法審査会にて
自民党の新藤 元総務大臣は、「ようやく審議に入ることができ歓迎したい。
内容にほぼ異論のないものが、8国会を経て、まだ採決に至らない状況は憂うべきことだ。与野党合意の中で、可及的速やかに採決をお願いしたい」と訴えました。
このあと、日本維新の会馬場幹事長が、改正案の速やかな採決を求める緊急動議を提出し、与野党で取り扱いを話し合うことになりました。
また、審査会の次の定例日となる来月3日を含め、今後の審議の日程についても、与野党で協議が行われる見通しです。
2020年11月11日12時20分
年内の条文案策定をめぐっては、改正案の成立を優先する公明党内でも慎重論が根強い。北側氏は5日の記者会見で「自民党の中の一部のお話だ」と突き放した。
衛藤氏は公明党との事前協議にも言及しているが、北側氏は「法案の事前審議とは性格を異にしている」と拒んだ。
改憲議論が引き続き停滞した場合、首相が衆院解散・総選挙に踏み切る可能性も指摘されており、各党の駆け引きが注目される。
国会は菅義偉(すが・よしひで)首相が出席する衆参両院の予算委員会の質疑を6日に終え、週明けからは他の委員会や審査会が本格始動する。
焦点は憲法改正について議論する憲法審査会となり、与党は改憲の是非を問う国民投票の利便性を高める国民投票法改正案の成立を目指す。
ただ、立憲民主党などは改憲の条文案を年内に策定するとの自民党の方針に反発しており、審査会の開催に応じるかは不透明だ。
「国民への背信、ずっと」
自民党の憲法改正推進本部(衛藤征士郎本部長)は5日、国会内で駒沢大の西修名誉教授を講師に招き会合を開いた。西氏は改憲の必要性を訴え、議論が進まない憲法審について「国民への背信がずっと行われている」と批判した。
改憲をめぐり、与党は国民投票法改正案の今国会での成立を優先させる構えだ。改正案は立憲民主党や共産党などの抵抗もあり6国会連続で継続審議となっている。
憲法審は衆院では先の通常国会で5月28日に自由討議を1回行ったのみで、参院では平成30年2月以来、実質的審議が行われていない。与党は議論に前向きな日本維新の会や国民民主党の協力を得て、成立にこぎつけたい考えだ。
起草委は「秘密会」扱いに…
一方、衛藤氏は4項目の自民党改憲「イメージ案」を年末までに具体的な条文案にまとめるための起草委員会を立ち上げ、自ら委員長に就いた。
改憲論議の進展を促す狙いがあり、4日には二階俊博幹事長、公明党の石井啓一幹事長、北側一雄憲法調査会長と会談し、理解を求めた。
ただ、この姿勢は野党の反発を招いている。立民の安住淳国対委員長は「自民党が独走するのであれば憲法論議はできなくなる」と明言。
立民の参院幹部も「憲法審を開いたら押し切られる。開かないことが大事だ」と徹底抗戦の構えを示す。結局、起草委は野党を刺激しないため、開催の有無や内容を明らかにしない「秘密会」の扱いとなった。
公明内にも根強い慎重論
年内の条文案策定をめぐっては、改正案の成立を優先する公明党内でも慎重論が根強い。北側氏は5日の記者会見で「自民党の中の一部のお話だ」と突き放した。
衛藤氏は公明党との事前協議にも言及しているが、北側氏は「法案の事前審議とは性格を異にしている」と拒んだ。
改憲議論が引き続き停滞した場合、首相が衆院解散・総選挙に踏み切る可能性も指摘されており、各党の駆け引きが注目される。(沢田大典)
安倍晋三前首相は1日、憲法改正について「安倍政権の間は憲法改正しないと野党は言っていたわけだが、今は菅義偉政権なので、その言い訳はもう通用しない」と述べ、
議論に消極的な立憲民主党などを牽制した。山口県長門市で、首相を辞任後初めて父・晋太郎元外相の墓参りをした後、記者団に答えた。
安倍晋三前首相は1日、憲法改正について「安倍政権の間は憲法改正しないと野党は言っていたわけだが、今は菅義偉政権なので、その言い訳はもう通用しない」と述べ、
議論に消極的な立憲民主党などを牽制した。山口県長門市で、首相を辞任後初めて父・晋太郎元外相の墓参りをした後、記者団に答えた。
安倍氏は「憲法について議論すべきだというのが国民の民意だろうと思う。それに応えていくのが国会議員の職責で、憲法の議論こそ国会議員が自分の見識を示す機会となる。機運を高めていくために私も努力していきたい」と語った。
また、自らの出身派閥である細田派(清和政策研究会)への復帰については「しばらくは一議員として活動を再開することに専念したい」と述べるにとどめた。
安倍氏の地元入りは昨年8月以来、約1年2カ月ぶり。約50人の地元支持者が出迎える中、昭恵夫人とともに墓前で手を合わせた。墓参後は「首相の職責を果たすために全力を尽くし、今回、辞職したことを報告をした。今後は一議員として地域の発展のためにも尽くしていきたい」とも語った。
安倍氏は支持者に「体調による辞職で心配をかけたが、使っている薬がよく効いて、体調も回復をしている」と述べた。
憲法改正をめぐる動きが停滞すれば、衆院解散・総選挙に踏み切って国民の信を問う-。26日の臨時国会召集を前に自民党内でこんなシナリオがにわかに浮上している。
改憲の是非を問う国民投票の利便性を公職選挙法とそろえる国民投票法改正案の審議に後ろ向きな野党を牽制(けんせい)する狙いが透ける。臨時国会では憲法審査会の開催をめぐる与野党の攻防が注目されそうだ。
「立法府の責任として結論を出さなければならない」。自民党の国会対策を担う森山裕国対委員長は21日、臨時国会で改正案の成立を目指す考えを改めて記者団に示した。
憲法改正をめぐる動きが停滞すれば、衆院解散・総選挙に踏み切って国民の信を問う-。26日の臨時国会召集を前に自民党内でこんなシナリオがにわかに浮上している。
改憲の是非を問う国民投票の利便性を公職選挙法とそろえる国民投票法改正案の審議に後ろ向きな野党を牽制(けんせい)する狙いが透ける。臨時国会では憲法審査会の開催をめぐる与野党の攻防が注目されそうだ。
「立法府の責任として結論を出さなければならない」。自民党の国会対策を担う森山裕国対委員長は21日、臨時国会で改正案の成立を目指す考えを改めて記者団に示した。
改正案は改憲論議に慎重な立憲民主党や共産党などの抵抗もあって6国会連続の継続審議となっている。自民党幹部は「臨時国会でも憲法論議に応じないならば野党には相当の覚悟が必要だ。
憲法審に出てこなければ国民に信を問わなければならない」と強調。政党支持率の低迷から脱し切れていない野党が最も神経をとがらせる「解散」を持ち出し揺さぶりをかける。
改憲をめぐる与野党の神経戦では、衛藤征士郎本部長のもと新体制となった自民党憲法改正推進本部の動向も影響を及ぼしていることは間違いない。
野党は衛藤氏が4項目の自民党の改憲「イメージ案」を年末までに具体的な条文案にする考えを表明したことに鋭く反応し、「自民党が独走をするのであれば国会での憲法論議はできなくなる」(立民の安住淳国対委員長)と批判した。
一方、改正案を臨時国会で成立させるべく慎重に戦略を練ってきた自民党内からも衛藤氏主導の新たな動きには戸惑いの声が聞こえる。
国対幹部は「道をつくってから家を建てるべきだ」と述べ、野党を刺激することを避けて改正案の成立を優先すべきだと強調。
また、佐藤勉総務会長は20日の記者会見で「野党も(改憲論議の)席に着いていただく環境を整えることが大切だ」と訴え、世耕弘成参院幹事長も「(改憲は)強引にスケジュールを切って無理やり仕上げるという性格のものではない」と慎重な対応を促した。
自民党内で「衆院解散」まで浮上しているのは、野党がさらに態度を硬化させかねない現状への焦りとの見方もある。一方、立民などが条文案づくりを改憲論議に応じないための新たな口実にしているとの指摘もあり、野党の対応が衆院解散の思わぬ引き金となる可能性は否定できない。(永原慎吾)
中国国営新華社通信は17日、菅義偉首相による靖国神社への真榊奉納について報じ「中国側は日本の政界要人の間違ったやり方に断固として反対する。
日本が侵略の歴史を深刻に反省するよう求める」と批判した。
*
関係者によりますと、菅総理はこれまで官房長官時代には真榊を奉納していませんでしたが、安倍前総理が毎年、春・秋の例大祭に真榊を奉納していたことから、こうした前例を踏襲したものとみられます。
また、例大祭にあわせ17日の午前中はこれまでに衛藤晟一・前一億総活躍担当大臣が参拝しています。
国民民主党は9日、国会内で憲法調査会(山尾志桜里会長)の初会合を開いた。政策提案型を掲げる国民は年内に独自の改憲草案をまとめる方針で、衆参の憲法審査会での議論にも前向きだ。野党第一党の立憲民主党が憲法議論に慎重な姿勢を示す中、積極的な日本維新の会に国民が続けば、停滞する憲法審の打開につながる可能性もある。
「憲法議論となると、どうしてもイデオロギー対立になったり、特定の条文に関心が集まったりして、本来の国民のための憲法という議論ができていなかったのではないか」。国民の玉木雄一郎代表は会合でこう問題提起し、「憲法議論の中身、プロセスで、新しいアプローチ、新しい答えを示したい」と述べた。
調査会では、慶応大大学院の山本龍彦教授(憲法学)が「AIと憲法」と題して講演。デジタル技術で変革する「デジタルトランスフォーメーション」(DX)時代の憲法のあり方をめぐり、一般参加者も交えて議論した。
山尾氏は「憲法の議論は国民との共同作業だと思う。私たちのキーワードは、参加、対話、公開としたい」と述べ、週1回のペースで会合を開き、メディアや一般参加者に公開すると説明。玉木氏は「年内に憲法草案のある程度の概要を作りたい」とも語った。
憲法をめぐる国民の党内議論は活発化しそうだが、国会の状況は対照的だ。先の通常国会では合流前の立憲民主党などの抵抗で、衆院憲法審査会は自由討議が1回しかできなかった。
憲法審では「積極的に議論していくべきだ」(国民の榛葉賀津也幹事長)とする国民の姿勢は、停滞する国会での憲法議論に一石を投じる可能性がある。
一方、自民党は9月15日、公明党との連立政権合意で「衆院・参院の憲法審査会の審議を促進することにより、憲法改正に向けた国民的議論を深め、合意形成に努める」ことを確認。自民党憲法改正推進本部(衛藤征士郎本部長)は、「自衛隊の明記」など、4項目の改憲「イメージ案」に関し、年内に具体的な条文案をまとめる方針で、文案作成を通じて憲法審の活性化も狙う。
参院では自民、公明両党との改憲に積極的な日本維新の会の議席を足しても、改憲発議に必要な3分の2に足りないこともあり、自民党は国民の動きに注目している。
(原川貴郎)
自民党憲法改正推進本部(衛藤征士郎本部長)が設置する「憲法改正原案起草委員会」の委員長に、衛藤氏が就任する方向で調整していることが9日、分かった。党関係者が明らかにした。13日に初会合を開く予定。
起草委は衛藤氏のほか、憲法改正推進本部の森英介、中川雅治両本部長代理、中谷元(げん)副本部長、新藤義孝事務総長の計5人で構成する見通し。憲法に詳しいベテランを中心に、党が掲げる自衛隊の明記など4項目の改憲「イメージ案」を具体的な条文案にする作業を行い、年内の取りまとめを目指す。
また、自民党が参院憲法審査会長の林芳正元文部科学相続投の方針を決めたことも分かった。参院憲法審では実質審議が約2年間行われていない。先の通常国会では、日本維新の会が憲法審の運営手法を問題視して林氏の不信任動議を提出したが、否決されている。
「首相は安倍晋三政権を踏襲すると言っており、これは憲法改正も含めてのことだと理解してよい。党の憲法改正推進本部長に衛藤征士郎元衆院副議長、本部長だった大物の細田博之元幹事長が国会の衆院憲法審査会長に就くのは、不退転の決意の表れだ」
「(改憲のルールを定めた)国民投票法改正案が2年以上も国会で放置されていることはあり得ない。一刻も早く成立させるべきだ。新型コロナウイルス禍など緊急時に国会がどうあるべきかという(憲法上の)議論も必要だ。
野党の枠組みが変わり、憲法議論はやぶさかではないという政党も出てくるのではないか。(次の臨時国会は)非常に大切な国会になる」
自民党の佐藤勉総務会長が産経新聞などのインタビューに応じ、菅義偉(すが・よしひで)政権や憲法改正などについて語った。
--会長就任の感想を
「菅首相から『ベンちゃん、良い役だろ?』と勧められた。断る理由はない。(党大会などに次ぐ)最高意思決定機関にふさわしい総務会にしたい」
--菅政権での党と政府の関係は
「私と下村博文政調会長、山口泰明選対委員長は首相と当選同期だ。少し上の世代の二階俊博幹事長がわれわれを見ているという党の構図が非常に分かりやすくできた」
「『安倍1強』といわれたゆえんは党側にも責任がある。官邸とのやりとりが少なかったのではないかと思うが、われわれは菅首相と何でも話せる。裸の王様にならないように支えていきたい」
--首相はデジタル庁創設などを打ち出している
「首相が掲げた方針をサポートするのがわれわれの仕事だ」
--これまで衆院憲法審査会長を務めてきた
「首相は安倍晋三政権を踏襲すると言っており、これは憲法改正も含めてのことだと理解してよい。党の憲法改正推進本部長に衛藤征士郎元衆院副議長、本部長だった大物の細田博之元幹事長が国会の衆院憲法審査会長に就くのは、不退転の決意の表れだ」
「(改憲のルールを定めた)国民投票法改正案が2年以上も国会で放置されていることはあり得ない。一刻も早く成立させるべきだ。新型コロナウイルス禍など緊急時に国会がどうあるべきかという(憲法上の)議論も必要だ。野党の枠組みが変わり、憲法議論はやぶさかではないという政党も出てくるのではないか。(次の臨時国会は)非常に大切な国会になる」
--次期衆院選では改憲の是非なども国民に問う形になるか
「当然そうなる。安倍前首相があそこまで改憲(への意欲)について言い切って、それを現政権は引き継いでいる。当然そこを除いた選挙というわけにはいかないのではないか」
--衆院解散・総選挙の時期が焦点だ
「解散は首相の専権事項であり、なんだかんだという立場にはない。ただ、負けるような時に首相が選挙を打つことはあり得ない。そのような分析は首相にかなわないので、その時は従いたい」(今仲信博)
安倍晋三前首相の実弟で親台派で知られる岸信夫氏を防衛相に起用したからだ。これには中国が警戒を強める一方、台湾は非常に歓迎している。前政権を継承する菅外交の一端が垣間見られた。
岸氏は防衛政務官や外務副大臣、衆院安全保障委員長を経験し、かねてから防衛相候補の一人だった。ただ、岸氏以外に防衛相候補者がいなかったわけではない。
菅義偉(すが・よしひで)首相は中国に対して融和的な対応に転じるのではないか-。つい、そう考えてしまった。自民党内では親中派である二階俊博幹事長の影響力が強まり、菅首相自身が党総裁選で「反中包囲網」に否定的な考えを示したためだが、その見方も改めた方がよさそうだ。安倍晋三前首相の実弟で親台派で知られる岸信夫氏を防衛相に起用したからだ。これには中国が警戒を強める一方、台湾は非常に歓迎している。前政権を継承する菅外交の一端が垣間見られた。
岸氏は防衛政務官や外務副大臣、衆院安全保障委員長を経験し、かねてから防衛相候補の一人だった。ただ、岸氏以外に防衛相候補者がいなかったわけではない。
そもそも菅内閣では再任や同じポストでの再登板が目立つ。再任では麻生太郎副総理兼財務相や茂木敏充外相、再登板では上川陽子法相や田村憲久厚生労働相らがそれに当たる。新型コロナウイルス禍で堅実な政権運営を考えれば、経験者で固めた方が無難だからだろう。
それならば、自衛隊の運用をはじめ、防衛法制と憲法との整合性を国会で問われる防衛相にも、経験者を充ててもよかったはずだ。それでも菅首相は、台湾との友好促進を図る超党派議連「日華議員懇談会」幹事長の岸氏を登用した。
防衛省が電磁波を使う電子戦専門部隊を来年度末に陸上自衛隊朝霞駐屯地(東京都練馬区)へ新設する方針を固め、来年度予算概算要求に関連経費を計上することが20日、分かった。
北海道と熊本県に続く専門部隊で、全国3カ所を拠点に電子戦で先行する中国とロシアに対抗する態勢を敷く。朝霞には3部隊を統括する司令部機能も新設し、陸自の全国の部隊を指揮する陸上総隊の傘下に置く方針だ。
【図で見る】離島侵攻での電子戦のイメージ 軍事作戦では、通信機器やレーダー、ミサイル誘導に電波や赤外線などの電磁波が使用される。電子戦は、相手の電磁波利用を妨害し、自国の電磁波利用を防護するものだ。
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