【ワシントン=黒瀬悦成】米国防総省のカービー報道官は23日の記者会見で、尖閣諸島(沖縄県石垣市)の周辺の領海に中国海警局の公船が侵入を繰り返していることに関し「誤算を生じさせ、物理的な損害につながりかねない行動を避けるよう要求する」と述べた。「尖閣諸島の主権をめぐる日本の立場を支持する」とも強調した。
カービー氏はまた、「同盟・パートナー諸国とともに、インド太平洋地域での法に基づく秩序を強化していく」と語り、今月1日施行の海警法で外国船舶への武器使用を認めた中国政府を牽制(けんせい)した。
私たち地方議員は、かつて幕末の坂本龍馬らが幕藩体制を倒幕した草莽の志士のごとく、地方議会から「誇りある国づくり」を提唱し、日本を変革する行動者たらんことを期す。(平成17年5月30日~)
2021年02月26日12時23分
加藤勝信官房長官は26日の記者会見で、外国公船などが沖縄県・尖閣諸島への上陸目的で領海侵入した場合、海上保安官が相手に危害を加える「危害射撃」を行えるとの見解を示した。「死刑または無期、長期3年以上の懲役」に当たる凶悪犯罪であれば「武器使用で人に危害を与えることも許容される」と述べた。
加藤氏はこの見解を従来解釈の変更ではないと説明。「一つ一つの事例にどう対応するかは、権限がある海上保安庁にお聞きいただきたい」と語った。
政府は25日の自民党会合で、外国公船や軍艦が日本への上陸目的で領海侵入し「重大凶悪犯」に当たるケースであれば、危害射撃が可能との解釈を提示した。加藤氏の見解はこれを踏襲したものとみられる。
都道府県議会において、「尖閣諸島周辺海域での中国公船による漁船追尾などに関する意見書」(仮称)が多数採択されています。
「尖閣列島が我が国固有の領土であることは、歴史的にも国際法上も疑いのないところであり、現に我が国はこれを有効に支配しており、尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の
問題は存在していない」というのが、我が国の基本的な立場です。
岸信夫防衛相は今月24日の記者会見で、中国海警局に武器使用を認めた海警法が国際法に反する形で運用されているとの見解を示しました。
菅義偉首相が22日の衆院予算委員会で国際法に反して運用されているか問われ「当然だ」と答弁。岸氏は「首相と認識は異ならない」と明言しました。
日本政府は、これまで中国が海警法を国際法に反して運用していると指摘していなませんでした。首相と岸氏の発言は、中国に対して悪化する国内世論に配慮したとみられます。
一方、米国防総省のカービー報道官は23日の記者会見で、尖閣諸島(沖縄県石垣市)の周辺の領海に中国海警局の公船が侵入を繰り返していることに関し「誤算を生じさせ、物理的な損害につながりかねない行動を避けるよう要求する」と述べました。「尖閣諸島の主権をめぐる日本の立場を支持する」とも強調しのです。
カービー氏はまた、「同盟・パートナー諸国とともに、インド太平洋地域での法に基づく秩序を強化していく」と語り、今月1日施行の海警法で外国船舶への武器使用を認めた中国政府を牽制しました。
つきましては、尖閣諸島海域の日米対中国の軍事バランスは明確に中国に優位になっているとの情報もあり、わが国としては海軍力の強化が問われているのと同時に、今こそ、尖閣諸島への公務員の常駐が求められています。
玉城氏はこれまで、沖縄担当相ら関係閣僚と面会した際、沖縄が抱える諸課題の一つとして尖閣周辺の安全確保を求めることはあったが、尖閣問題に絞って要請することはなかった。
また、米軍基地問題などでは米国大使館に申し入れや要請を行うのに、中国大使館には直接行動をすることがなく、県内の保守系議員などから毅然とした対応を求める声が上がっていた。
沖縄県石垣市の尖閣諸島周辺で中国海警局の船が領海侵入を繰り返している問題で、玉城デニー知事は19日、政府に対し、漁船などの安全確保に向けて適切な措置を講じるよう要請した。
玉城氏が今回のような、尖閣問題に特化した要請を行うのは異例だ。ただ、中国大使館などに直接抗議することはなかった。
要請は、茂木敏充外相や河野太郎沖縄担当相ら関係閣僚に郵送などで行われた。中国公船による領海侵入で不測の事態が起こることを憂慮し、
(1)尖閣諸島が日本固有の領土であることを国際社会に明確に示す(2)海上保安庁の巡視船による冷静かつ毅然な対応を継続し、さらなる海上保安体制の強化を講じる(3)冷静かつ平和的な外交により中国との関係改善を図る-ことを求めている。
玉城氏はこれまで、沖縄担当相ら関係閣僚と面会した際、沖縄が抱える諸課題の一つとして尖閣周辺の安全確保を求めることはあったが、尖閣問題に絞って要請することはなかった。
また、米軍基地問題などでは米国大使館に申し入れや要請を行うのに、中国大使館には直接行動をすることがなく、県内の保守系議員などから毅然とした対応を求める声が上がっていた。
加藤勝信官房長官は15日の記者会見で、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海に中国海警局の船2隻が侵入したことについて「誠に遺憾で断じて容認できない。
このような海警船舶の活動は国際法違反だ」と述べ、外交ルートを通じて中国側に厳重に抗議し、速やかに退去するよう求めたと明らかにした。
第11管区海上保安本部(那覇)は15日、沖縄県・尖閣諸島周辺の領海に午後1時半ごろから中国海警局の船2隻が侵入し、南小島の南南東約22キロの海上で、航行していた日本漁船1隻に接近しようとする動きを見せたと発表した。政府は首相官邸に官邸対策室を設置。外務省筋は、中国政府へ厳重に抗議し、速やかに退去するよう求めたと明らかにした。
中国で海警局の武器使用を認める海警法が今月1日に施行後、海警局の船は6日に初めて領海侵入した。11管によると、15日の侵入は今年6日目。日本漁船は9・1トンで2人が乗っている。漁船の周囲に巡視船を配備し、安全を確保した。
別の海警局の船2隻も領海外の接続水域を航行した。うち1隻は機関砲のようなものを搭載。接続水域も含めた尖閣周辺で中国当局の船が確認されるのは3日連続となった。
11管によると、尖閣諸島周辺の領海には日本漁船2隻が航行している。午前4時52分ごろ、南小島の南約22キロの海上で、海警局船が漁船に船首を向けて接近しようとする動きを見せたため、海保が周囲に巡視船を配備し、安全を確保。領海から出るよう海警局船に警告した。領海侵入は今年に入って4日目。
別の海警局船2隻も領海外の接続水域を航行した。うち1隻は機関砲のようなものを搭載している。接続水域も含めた尖閣周辺で、中国当局の船が確認されるのは8日連続となった。
第11管区海上保安本部(那覇)は6日、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海に午前4時45分ごろから中国海警局の船2隻が侵入したと発表した。中国海警局の武器使用を認める海警法が今月1日に施行されて初めて、中国当局の船が尖閣周辺領海に侵入した。
政府は6日、中国海警局船の領海侵入を受け、首相官邸の情報連絡室を官邸対策室に格上げして情報収集や分析に当たった。
11管によると、尖閣諸島周辺の領海には日本漁船2隻が航行している。午前4時52分ごろ、南小島の南約22キロの海上で、海警局船が漁船に船首を向けて接近しようとする動きを見せたため、海保が周囲に巡視船を配備し、安全を確保。領海から出るよう海警局船に警告した。領海侵入は今年に入って4日目。
別の海警局船2隻も領海外の接続水域を航行した。うち1隻は機関砲のようなものを搭載している。接続水域も含めた尖閣周辺で、中国当局の船が確認されるのは8日連続となった。
【北京=三塚聖平】中国外務省は4日、日中両政府が前日に開いた「日中高級事務レベル海洋協議」で、今月1日に施行された海警局に武器使用の権限を付与する海警法について「国際法と国際慣例に完全に合致している」と説明したと発表した。
尖閣諸島(沖縄県石垣市)に関しては、日本側に「事態を複雑化させる行動」を避けるよう求めたとしている。
海警法について、これまで中国政府は「国際慣例と各国の実践に合致している」(外務省報道官)と主張していたが、新たに「国際法」も持ち出して正当性の主張を強めた形だ。
日本側には同法が、国際法に基づく海洋秩序を乱すという懸念がある。
尖閣諸島については、中国側の立場を説明した上で、日本に対して「中国とともに関係海域の漁業秩序を守るよう促した」と表明した。また、東京電力福島第1原発の「廃水処理」についても意見を交わしたと説明している。
海警法は、中国の主権や管轄権が外国の組織、個人に侵害されたときは「武器の使用を含めたあらゆる必要な措置」を取れると明記している。中国が領有権を主張する尖閣諸島周辺で操業する日本漁船だけでなく、海上保安庁の巡視船も対象になる恐れがある。
「この法律が国際法に反する形で適用されることがあってはならない。日本の領土、領海、領空を断固として守り抜く決意の下、冷静かつ毅然(きぜん)と対処していく」
茂木敏充外相は29日の記者会見でこう述べ、中国を牽制(けんせい)した。尖閣は歴史的にも国際法上も日本固有の領土で、そもそも領有権の問題は存在しないというのが政府の一貫した立場だ。
海警法について外務省は外交ルートで中国に懸念を伝えてきた。同省幹部は「海警法が施行されるかどうかにかかわらず自国の領土を守るためにやることは変わらない」と強調する。
28日の菅義偉首相とバイデン米大統領の電話会談では、米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約5条の尖閣への適用を確認した。初会談での米側の言及は異例で、中国の挑発行為を抑える狙いだが、海警法は話題に上らなかった。
中国海警局(海警)に武器使用を認める権限などを定めた海警法(2月1日施行)について、日本政府は中国に懸念を伝えてきた。政府は同法施行にかかわらず、尖閣諸島(沖縄県石垣市)は日本固有の領土で、「断固として守る」との姿勢を強調するが、現実は海警船による領海侵入などを押さえ込めていない。
「この法律が国際法に反する形で適用されることがあってはならない。日本の領土、領海、領空を断固として守り抜く決意の下、冷静かつ毅然(きぜん)と対処していく」
茂木敏充外相は29日の記者会見でこう述べ、中国を牽制(けんせい)した。尖閣は歴史的にも国際法上も日本固有の領土で、そもそも領有権の問題は存在しないというのが政府の一貫した立場だ。
海警法について外務省は外交ルートで中国に懸念を伝えてきた。同省幹部は「海警法が施行されるかどうかにかかわらず自国の領土を守るためにやることは変わらない」と強調する。
28日の菅義偉首相とバイデン米大統領の電話会談では、米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約5条の尖閣への適用を確認した。初会談での米側の言及は異例で、中国の挑発行為を抑える狙いだが、海警法は話題に上らなかった。
加藤勝信官房長官も記者会見で「高い関心を持ち、注視していきたい」と述べるにとどめるが、中国との間で南シナ海の領有権問題を抱えるフィリピンは外相が海警法成立に抗議した。「懸念」「注視」の表現について外務省は「主権侵害や国際法違反があったわけではない」と説明する。
領海侵入に対する日本の度重なる抗議を受けても中国は尖閣の領有権主張を改めず、領海や接続水域への侵入は常態化している。海警法への日本政府の踏み込んだ対応が求められるが、現時点でその気配はない。(田村龍彦)
海警に武器使用を認めるもので、最終日の22日に可決される可能性がある。
海警は、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で巡視船による領海侵入を繰り返しており、周辺で操業する日本漁船も対象に入る恐れがあり、日本政府の警戒も強まっている。
高橋洋一氏は「尖閣に公務員を駐在させればいい」と言う人がいますが、その前に「装備の均衡」が必要です。装備が均衡していなければ、公務員が駐在していても意味がありません。
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昨年公表した草案では、海警の職責を「管轄海域で警備を展開し、重要な島・岩礁を見張り、国家主権と海洋権益を脅かす行為を制止、排除する」と規定。
国家主権や管轄権が外国の組織、個人により不法に侵害されたときには「武器の使用を含めたあらゆる必要措置」を取れると明記した。
【北京=三塚聖平】中国の立法機関、全国人民代表大会(全人代)の常務委員会は20日から北京で会議を開き、海上警備を担う中国海警局(海警)の権限を定めた海警法草案を審議する。海警に武器使用を認めるもので、最終日の22日に可決される可能性がある。
昨年公表した草案では、海警の職責を「管轄海域で警備を展開し、重要な島・岩礁を見張り、国家主権と海洋権益を脅かす行為を制止、排除する」と規定。国家主権や管轄権が外国の組織、個人により不法に侵害されたときには「武器の使用を含めたあらゆる必要措置」を取れると明記した。
施行されれば、独自の領有権主張を展開する東・南シナ海での海警の活動強化につながる恐れがある。海警は、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で巡視船による領海侵入を繰り返しており、周辺で操業する日本漁船も対象に入る恐れがあり、日本政府の警戒も強まっている。
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月23日放送)に数量政策学者で内閣官房参与の高橋洋一が出演。中国・全人代の常務委員会が「海警法」の審議を始めたニュースについて解説した。
習近平氏、長江経済ベルト全面的発展推進座談会で重要演説=2020(令和2)年11月14日 新華社/共同通信イメージズ
中国の全国人民代表大会(全人代)の常務委員会は12月22日、海上警備を担当する海警局の任務を定めた「海警法」の審議を始めた。11月に公表された海警法の草案では、中国の管轄海域で外国の船が違法に活動し、海警局の停船命令などに従わない場合、武器を使用できるとしている。
飯田)「尖閣周辺で領海侵入を繰り返す中国の公船」と報道されると、その船は海警局に所属しているものです。その船が武器を簡単に使用できるようになるということです。
沖縄県・尖閣諸島 手前から南小島、北小島、魚釣島 海上自衛隊の哨戒機「P-3C」 から=2011年10月13日 写真提供:産経新聞社
高橋)海警というと、「日本の海上保安庁に相当する」という言い方をします。でもこれは軍隊です。2018年に、中央軍事委員会が指揮する人民武装警察部隊に移管されていますからね。日本で言うと、防衛省の下に海上保安庁があるような感じです。日本のように国土交通省の下にあるのとはわけが違います。
飯田)そういうことですよね。だから一体の作戦のなかで、まず白い色の船を出すと。
高橋)一体なのですよね。だからもう完全に軍組織だと思った方がいい。すごく大きい船が来るのです。日本の海上保安庁とは桁が違うのです。海上保安庁の人は大変でしょうね。あんなもので来られたら。
飯田)機関砲も積んでいて。
高橋)機関砲も積んでいて。鉄板は厚そうだし、日本の弾なんか跳ね返しそうな感じでしょう。それで中国は「きちんと国際慣習に従っています」なんて言っていますが、南シナ海ですごいことをやりましたよね。国際司法裁判所の話を全部無視して。
飯田)そうですね。
高橋)それが中国の「国際慣習に従う」という言い方なのです。全部無視しても、それはそれで「中国のやり方だ」という、そんな感じです。尖閣ではたぶん、武器使用はあるでしょうね。逆に中国の海警がやらなかったら「なぜ?」と、彼らの国内法に違反するというレベルになってしまうではないですか。
飯田)やらなければ国内法に違反すると。
日中外相会談 会談を前に肘タッチする、中国の王毅国務委員兼外相(左)と茂木敏充外相=2020年11月24日午後5時31分、東京都港区の外務省飯倉公館 写真提供:産経新聞社
高橋)やらないこと自体がね。いつか攻撃されます。だから菅政権で、安倍政権のころからやっていますが、海上保安庁と海上自衛隊の装備を上げて、装備率を均衡させることが必要なのです。10年くらい前であれば、日本の方が上でしたが、最近は完全に向こうが3倍~4倍の装備になっています。差が開いてしまった。差が開くとよからぬことを考えるというのが、国際関係論では常識です。リアリズムの立場で装備の格差が出ると武力衝突があり得るのです。
飯田)均衡が崩れたときと。
高橋)崩れたときです。崩れなければ、向こうも反発を食らうかも知れないので、恐れるのですが、ある程度の差になると、やって来るのですよ。
イージス2隻を閣議決定へ 海上自衛隊のイージス艦「きりしま」=2020年11月27日 写真提供:共同通信社
飯田)海上自衛隊などの関係者に話を聞くと、軍艦や艦艇は水密区画が細かく分かれていて、少し穴が開いても沈まないような構造になっていると。ところが海保の船には、そういう仕様になっていないものもなかにはある。これからその辺りの整備が追いつくかどうかというレベルになっているそうです。
高橋)菅さんが、「尖閣諸島警備のために大型巡視船を整備したい」と言っていますが、大型巡視船を「物量共に整備」しないと、日本の安全保障が危うくなるというレベルなのですよ。これはお金の話だから、やった方がいいと思います。
飯田)船をつくるだけではなく、動かす人も必要です。
高橋)もちろん。でも船をつくらないと人を増やすこともできません。順番とすれば、船から増やすのだと思います。
中国、尖閣周辺の休漁終了 祥芝中心漁港を出港する中国漁船=2020年8月16日、中国福建省石獅市(共同) 写真提供:共同通信社
飯田)いまは、日本はアメリカがいて、何とかバランスを取っている感じですか?
高橋)アメリカがいなければ、完全にやられるというパターンだと思います。いても危ないと。アメリカだって、すぐに尖閣に出動するとは思えません。「まず日本でやってくれ」と。普通はそうですよね。そのときに尖閣の方で占有されたら、取り返すのはすごく大変ですよ。竹島と一緒です。だからやらせないように、装備だけは少なくとも均衡させておくべきなのです。そういう戦略しか取れないのです。「尖閣に公務員を駐在させればいい」と言う人がいますが、その前に「装備の均衡」が必要です。装備が均衡していなければ、公務員が駐在していても意味がありません。
飯田)武器使用なりの権限が、中国の国内法によって付与されると、彼らは尖閣が自分たちの持ち物だというように言っているわけです。国籍不明の人を拘束しに行くのだということで、主権の行使を堂々と世界中に言い始めてしまうと。
高橋)それをやらせないためには、ものすごい反撃があるという状態を保たなければならないのです。
飯田)もう、そこまで来てしまったということなのですね。
加藤氏は「尖閣諸島は歴史的にも国際法上もわが国固有の領土であり、現にわが国はこれを有効に支配しており、尖閣諸島をめぐり、解決すべき領有権の問題はそもそも存在していない。中国側の申し入れは全く受け入れられない」とも語り、中国に反論しているとも説明した。内政干渉との指摘については否定した。
一方、加藤氏は18日の菅義偉(すが・よしひで)首相の施政方針演説で、日中両国の懸案として尖閣諸島などの具体例を示さなかった理由について「尖閣諸島を含めて『懸案がある』と示し、中国側に具体的な行動を強く求めていくと(演説で)申し上げた」と述べ、明言を避けた。
加藤勝信官房長官は19日午前の記者会見で、沖縄県石垣市が尖閣諸島の字(あざ)名を変更したことをめぐり、中国から抗議を受けたことを明らかにした。「尖閣諸島の字名の変更に際し、中国側から外交ルートで中国の独自の主張に基づく申し入れが行われた」と述べた。
石垣市によると、昨年10月に尖閣諸島の字名を「登野城」から「登野城尖閣」に変更する際、在福岡中国総領事館の担当者から度々、抗議を受けていた。中国からの抗議は、同市が字名変更の検討を始めた平成29年ごろから始まったという。
加藤氏は「尖閣諸島は歴史的にも国際法上もわが国固有の領土であり、現にわが国はこれを有効に支配しており、尖閣諸島をめぐり、解決すべき領有権の問題はそもそも存在していない。中国側の申し入れは全く受け入れられない」とも語り、中国に反論しているとも説明した。内政干渉との指摘については否定した。
一方、加藤氏は18日の菅義偉(すが・よしひで)首相の施政方針演説で、日中両国の懸案として尖閣諸島などの具体例を示さなかった理由について「尖閣諸島を含めて『懸案がある』と示し、中国側に具体的な行動を強く求めていくと(演説で)申し上げた」と述べ、明言を避けた。
18日の施政方針演説では、日中間の懸案に関し「両国にはさまざまな懸案が存在する」と触れるにとどめた。
配信
〈中国による台湾侵攻作戦の開始前夜。与那国島の沖合に、数十隻の中国漁船団が現れた。やがて一隻、また一隻とボートが島の砂浜へ達着し、漁民とは思えない黒ずくめの不審な者たちが重そうな荷物を抱えながら上陸。迎えに出ていた学生風の若者たちと、人知れず夜の暗闇へと消えていった。 また、島の近傍に停泊中の南米船籍コンテナ船には、円形のレーダーを島に向けた大型車両が搭載されていたが、島から肉眼では見えず、気に掛ける島民はいなかった。一方、陸自・与那国沿岸監視隊の隊員は夕刻にはこの船の存在に気が付いていた。監視隊の無線通信が雑音で通話できなくなり、原因を探していたところ、コンテナ船上の電磁波戦装置と見られる機材から発信されている強力な電波にたどり着き、対応を検討していた。 翌朝、与那国島、石垣島及び宮古島一帯で活動中の自衛隊、警察、海保、消防の通信が不通となり、住民の携帯電話も「圏外」となった。3島では早朝、爆発音に気付いた関係職員が、海底(通信)ケーブル陸揚げ局を確認したところ、何者かに破壊されていた。 その頃、各所から混乱の報告を受けていた与那国町長室に、警察官の制服を着て流暢な日本語を話す男たちが闖入し町長を拘束。島民全員に外出禁止令を出すよう要求した。すでに島の主要地点でも、県警風の集団が島民らに帰宅を促し統制を始めていた。町長は、駐在所の警察官が殺害されている写真を見せられ、やむを得ず全島防災無線で「自宅退避」を指示した。 与那国沿岸監視隊は前日深夜、警戒員を配置していたものの、寝込みを襲われて官舎地域を包囲された。隊員は、家族を官舎に残して与那国駐屯地内へ連行されていった。隊員家族を人質に取られた隊長は、苦渋の判断の末、当直勤務についていた隊員たちにも武装解除を命じ、全隊員が拘束状態に置かれた。また島に2名しかいない警察官の遺体が駐在所で島民により発見され、島は大パニックに陥りつつあった。 東京や那覇所在の各政府機関は、3島の出先機関と連絡を取ろうとするも通じない。情報を得ようとSNS上を検索すると、そこでは3島の島民を名乗る大量のアカウントが、「破廉恥で汚職に塗れた町長、市長らをリコールして再選挙を要望する」という趣旨の投稿を繰り返していた。同時に、「町長らに対する不満で暴動が発生し、空港や港湾が閉鎖された」との真偽不明の情報も飛び交っていた。 与那国島に現れた武装集団は、中国に同調する者を除き、島民全員に島外への強制退去を指示。抵抗する者は「死か退去か」を迫られた。また、「近々、島が戦場となり大規模なミサイル攻撃を受ける」とのデマがどこからともなく流れ、やむなく島民の多くが漁船や停泊中のフェリーに分乗して沖縄本島へ向かった。 翌日、残ったわずか数十名の島民で住民投票が行われ、「中国への帰属が島民の意思により決定された」と北京発のニュースが流れた。中国の報道官は、島を中国の施政下におくため国際法に基づく手続きを直ちに進めると宣言。「島民の悲願だった与那国島の中国帰属が決まり、琉球諸島の中国への復帰に向けた歴史的な転換点となる」と語った。 日本政府は中国と国連に対して、これは事実上の不法占拠であり、国際法に反する蛮行を断じて認めることはできないと抗議したが、中国は聞き入れなかった。また国連安保理も、すでに台湾侵攻をめぐって中国が拒否権を発動し、機能不全に陥っていた。 その間も、与那国島には中国の貨物船が続々と入港し、軍用車両が次々に陸揚げされていった。海保の巡視船が阻止を試みるも、中国船は「すでに与那国島の帰属は中国に変わった」と一方的に通知し、数的に上回る中国海警局の警備艇に守られて入港を続けた。結果として、与那国島における戦力集中競争に最初の利を得たのは中国であり、防空部隊、電磁波作戦部隊、長距離地対艦ロケット部隊など、守りを固めるために必要な部隊が続々と上陸し、布陣を取り終えていた。 ここに至って、ようやく自衛隊に防衛出動が下令され、日本政府として絶対に譲れない国土奪還作戦が開始されることになる。また、米ホワイトハウス報道官も「日米安全保障条約第5条に基づき、日本防衛に参戦するための政治的手続きに入った」ことを発表した。 ところが、中国メディアは連日、与那国島からの中継報道を頻繁に行う。古くからの島民だという夫婦がカメラに向かって、「やっと中国に復帰できた」と嬉しさを表現し、平和裏の移譲を印象付けていた。しかし、古くからの島民にしては、夫婦の日本語には島特有のなまりが全くなかった。 さらに北京発の報道は「日米の攻撃は住民投票の結果を無視した、国際法に反する行為」「島には平和な暮らしがあり、島を捨てた人々よりも島に住み続ける住民の民意を尊重すべきだ」などと叫ぶ“自称島民”の映像を繰り返し流し、防衛と称して先制攻撃を企てた日本こそが国際法で裁かれるべきだとの主張を続けていた。 やがて日本メディアの中にも、「島の奪還に自衛隊を出せば、中国が東京をミサイル攻撃する恐れ」「米軍の台湾防衛と一体化すれば憲法違反」「武力ではなく話し合いで解決すべし」といった論調が現れ始める――〉 以上がシナリオの顛末である。まさに戦わずして領土を取られ、気が付いた時には負けているというハイブリッド戦の最悪の結末だ。得意とする世論戦、心理戦、法律戦を展開して中国が自国の正当性を喧伝し、既成事実化を図る。これが現実にならないと断言できるだろうか。日本の対応が後手に回れば、中国は台湾をめぐる対米作戦を有利に進めるため、与那国島を足掛かりに石垣島、宮古島にまで侵攻する可能性がある。 むろん自衛隊もこうした最悪のシナリオは想定済みである。悪夢の実現を阻止するために、筆者が陸幕長を拝命していた2014年から、自衛隊は先島諸島を含む南西諸島の防衛力強化を進めている。いわゆる「南西シフト」だ。政府は13年、国防の基本方針を56年ぶりに見直し、「国家安全保障戦略」を定めるとともに、向こう約10年にわたる防衛力整備の指針を示した「防衛計画の大綱」を策定した。この大綱の焦点は対中防衛の強化であり、南西諸島防衛を確実にするため、自衛隊は大改革に全力を挙げることとなった。 陸自としては、1、南西諸島に部隊を配備して戦力の空白を解消し、「隙を作らない」態勢を築く。2、情勢が緊迫した段階で実力ある部隊を南西諸島に戦略集中し、「島に手を出すな」との抑止態勢を完成する。3、万一やむを得ず島嶼の占拠を許した場合は「断固として取り返す」ため、奪回専門部隊(水陸機動団)を創設する。この3本柱を確立し、今現在も改革の途上である。
この方針の検討当時、鹿児島から台湾までの約1200キロに及ぶ南西諸島地域に配備されている陸自部隊は、那覇所在の第15旅団(約2500名)のみだった。その後、16年には与那国島に、監視レーダーで24時間365日、周辺の海と空を見張る与那国沿岸監視隊(約150名)が駐屯を開始。また奄美大島には19年に、警備隊、地対空ミサイル部隊及び地対艦ミサイル部隊(計約550名)が、そして宮古島にも19年以降、逐次同様の部隊(計約700名)が駐屯し、抑止態勢を強化した。残る石垣島には、数年後に同様の部隊が駐屯すべく準備中であり、これが完成すれば、奄美~沖縄~先島諸島を「南西の壁」「ミサイルの壁」として、南西諸島における我が国の強い防衛意志がさらに明確になるはずだ。 余談になるが、この改革においては戦車100両、野戦砲100門の削減が「防衛計画の大綱」に定められた。この削減により、ゆくゆくは本州の戦車部隊は全て廃止され、筆者を戦車小隊長から育ててくれた岡山県の戦車部隊もなくなり、最終的に戦車の配置は北海道と九州のみとなる。筆者の自衛官人生の主軸は戦車部隊であり、自己の魂を削られるに等しい改革であるが、それを呑んででも南西諸島防衛強化の断行が必要と決心したのである。 しかし、日本の防衛はそれでも充分とは言えない。中国の脅威は通常戦力やハイブリッド戦に留まらない。シナリオでも触れたように、中国は宇宙においても米国を脅かし、米国及び日本の人工衛星を攻撃できる力を持つに至っている。危機を感じた米国は19年12月、宇宙軍を創設するとともに、今年6月には国防宇宙戦略を策定し、中国との宇宙戦争に備え始めた。 また射程500~5500キロまでの弾道・巡航ミサイルの戦力比は、中国が1800発以上を保有するのに対し、米国は“0発”である。中国は、洋上の米空母や米空軍の根拠地であるグアムを攻撃できる能力を保有している。有事において日本防衛のために駆け付けてくれる米軍打撃力の主体である空母が、いざという時に日本や台湾の近海に近づけない状況にまで米中の戦力バランスが悪化しつつあり、米国は戦略の練り直しを迫られている。 さらなる問題は、新兵器、極超音速滑空体(HGV)の出現である。HGVはマッハ5以上の極超音速で飛翔し、大気圏突入後はレーダーで捉えにくい低高度、変則的な軌道で目標に着弾する。中国も、HGVを搭載する「DF-17」(射程2500~4千キロ)を配備予定と言われている。この新兵器に対する迎撃手段は、現時点ではどの国も保有しておらず、大きな課題となっている。防御がどうしても困難な兵器には、憲法でも保有を許されるとするカウンターパンチ力、すなわち敵基地攻撃能力を持つことにより、相手に撃たせない抑止力を確保することも速やかに検討すべきだろう。 世界にとって今世紀最大の課題は、中国にどう向き合っていくのかという点にある。コロナ禍及び香港統治で見えた情報隠蔽体質、独裁体制は、中国共産党の本質と言えるだろう。自由、民主主義、法の支配という価値観のいずれも共有できず信頼できない国、中国。米軍を追い越すため大軍拡に突き進む軍事大国、中国。一方で、経済的には切りたくても切れない隣国、中国。 しかし、自国の防衛を米国に大きく頼りながら、経済的には中国とうまくやっていくという「政経分離」がいつまで通用するだろうか。サプライチェーンの見直しはもちろん、米国と連携し、中国とは一線を画していく賢明な付き合い方を模索すべき時期である。 岩田清文(いわたきよふみ) 元陸上幕僚長。1957年、徳島県生まれ。元陸上自衛官(防大23期)。第7師団長、統合幕僚副長、北部方面総監などを経て、2013年、第34代陸上幕僚長に就任。16年に退官。 2021年1月3日 掲載
沖縄県石垣市の尖閣諸島周辺で、26日に領海侵入した中国公船に追尾された漁船に乗っていた石垣市議の仲間均氏(71)が27日、産経新聞の取材に応じ、当時の緊迫した様子を語った。
追尾は4時間以上に及び、中国公船が漁船に近づこうとしたが、海上保安庁の巡視船が間に入って阻止した。
仲間氏によると、漁船は26日午前9時に石垣市の登野城漁港を出港。
午後2時半ごろに尖閣諸島周辺の接続海域に入ったところ、海保の巡視船2隻が現れ、漁船の両側を守るように並走した。いつもと異なる動きに、仲間氏は「何かあるな」と感じたという。
沖縄県石垣市の尖閣諸島周辺で、26日に領海侵入した中国公船に追尾された漁船に乗っていた石垣市議の仲間均氏(71)が27日、産経新聞の取材に応じ、当時の緊迫した様子を語った。追尾は4時間以上に及び、中国公船が漁船に近づこうとしたが、海上保安庁の巡視船が間に入って阻止した。
仲間氏によると、漁船は26日午前9時に石垣市の登野城漁港を出港。午後2時半ごろに尖閣諸島周辺の接続海域に入ったところ、海保の巡視船2隻が現れ、漁船の両側を守るように並走した。いつもと異なる動きに、仲間氏は「何かあるな」と感じたという。
しばらくして中国海警局の大型船2隻が姿を見せ、漁船に接近。午後4時過ぎには、漁船を追うような形で領海内に侵入した。さらに漁船に近づこうとしたが、海保の巡視船が繰り返し阻止した。海上は波が高く、荒れていたが、巡視船は巧みな操船で漁船を守り続けたという。
日没後の午後8時すぎ、漁船が接続水域に出ると中国船も出て、やがて姿を消した。仲間氏は「尖閣周辺で何度も操業したが、かつてないほど危機を感じる。使命感をもって守ってくれた巡視船に感謝したい」と話している。
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地図は「スタンフォード地図店」(英国)が1887年に発行した「ロンドン・アトラス」と、ドイツ地図発行人のシュティーラー氏による1875年版の「ハンド・アトラス」。尖閣諸島の西側に領土・領海の境界を示す点線が引かれている。
ロンドン・アトラスは豪州の国立図書館などに所蔵されているが、今回初めて現物が国内で確認されたとみられる。
尖閣諸島をめぐっては、明治政府が明治28年1月、10年間の調査により清国を含むどの国の支配も及んでいないと確認し、沖縄県への編入を閣議決定した。
中国側は、尖閣諸島(中国名・釣魚島)は28年4月に締結された日清戦争の講和条約「下関条約」で台湾とともに日本に割譲され、先の大戦の終戦に伴い、台湾とともに返還されたとする。英国やドイツの地図は、尖閣諸島が台湾の付属島だとする中国側の主張を覆すものだといえる。
尖閣諸島(沖縄県石垣市)を日本領と記した19世紀後半の英国製とドイツ製の地図が新たに確認され、政府が対外発信に活用する方向で調整していることが15日、分かった。
いずれも台湾との間に国境線が引かれ、明治28(1895)年に領土編入する以前から欧州では尖閣諸島が日本領であると認識していたことを示している。
地図は「スタンフォード地図店」(英国)が1887年に発行した「ロンドン・アトラス」と、ドイツ地図発行人のシュティーラー氏による1875年版の「ハンド・アトラス」。尖閣諸島の西側に領土・領海の境界を示す点線が引かれている。
ロンドン・アトラスは豪州の国立図書館などに所蔵されているが、今回初めて現物が国内で確認されたとみられる。
尖閣諸島をめぐっては、明治政府が明治28年1月、10年間の調査により清国を含むどの国の支配も及んでいないと確認し、沖縄県への編入を閣議決定した。
中国側は、尖閣諸島(中国名・釣魚島)は28年4月に締結された日清戦争の講和条約「下関条約」で台湾とともに日本に割譲され、先の大戦の終戦に伴い、台湾とともに返還されたとする。英国やドイツの地図は、尖閣諸島が台湾の付属島だとする中国側の主張を覆すものだといえる。
海洋国家であった英国で発行されたロンドン・アトラスなどは、周辺国の情報を基に当時の領土関係を比較的正確に反映した地図だと評価されている。
領土問題を調査研究する公益財団法人「日本国際問題研究所」の永瀬賢介研究調整部長は両地図について「日本編入を前に欧州は尖閣諸島を日本領だと認識していたことを示す貴重な地図だ」と評価した。
尖閣史に詳しい長崎純心大の石井望准教授も「地図は東洋で得られた最新情報を反映している」と分析している。
両地図は、自民党の原田義昭元環境相の秘書、高田彌(わたる)氏が個人所有していた。高田氏は5年ほど前に英国の古地図店から購入したといい、地図を有効的に活用するため15日、日本国際問題研究所に寄贈した。
内閣官房領土・主権対策企画調整室は同研究所から地図のレプリカの貸し出しを受け、尖閣諸島や竹島(島根県隠岐の島町)に関する資料を集めた「領土・主権展示館」(東京・霞が関)での展示やホームページへの掲載などを検討している。
加藤官房長官は来日している中国の王外相が尖閣諸島周辺で操業する日本漁船について「偽装漁船」などと主張したことに関し「王氏の発言は中国側独自の立場に基づくものだと思うが、日本政府としては全く受け入れられない」と述べた。
王氏は24日、日中外相会談後の共同記者発表で、尖閣について中国側の呼称を使いながら「敏感な水域で事態を複雑化させる行動を回避すべきだ」と日本側を批判した際、隣に並んでいた茂木敏充外相は反論しなかった。
加藤氏は共同記者発表が両国の外相がそれぞれ1度ずつ発言する形式だったと説明し、発表後、日本政府として王氏の発言は受け入れられないと中国側に申し入れたと強調した。
加藤勝信官房長官は26日午後の記者会見で、来日していた中国の王毅国務委員兼外相が尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で操業する日本漁船について「偽装漁船」などと主張したことに関し「王氏の発言は中国側独自の立場に基づくものだと思うが、日本政府としては全く受け入れられない」と述べた。
加藤氏も25日、王氏と面会した際、尖閣周辺での中国公船の活動に対して懸念を伝え、具体的な行動を求めたと説明した。
王氏は24日、日中外相会談後の共同記者発表で、尖閣について中国側の呼称を使いながら「敏感な水域で事態を複雑化させる行動を回避すべきだ」と日本側を批判した際、隣に並んでいた茂木敏充外相は反論しなかった。
加藤氏は共同記者発表が両国の外相がそれぞれ1度ずつ発言する形式だったと説明し、発表後、日本政府として王氏の発言は受け入れられないと中国側に申し入れたと強調した。
日中外相会談では日本政府は尖閣諸島をめぐり、中国側に日本側の立場を説明し、「具体的な行動」を強く求めた。
加藤氏は「具体的な行動」の内容について「懸案を一つ一つ解決していくことが重要であり、その解決につながるという意味での前向きな行動ということだ」と解説した。
24日に行われた日中外相会談後の共同記者発表で、中国の王毅国務委員兼外相が尖閣諸島(沖縄県石垣市)の領有権を一方的に主張したことに関し、政府に十分な反論を求める声が相次いだ。
近く決議文をまとめ、茂木敏充外相に申し入れる方針も決めた。
日中外相会談で、茂木氏は中国公船の領海侵入や日本漁船への追尾などを取り上げ、「受け入れられない」と述べ、王氏に自制を迫った。
自民党は26日、外交部会と外交調査会の合同会合を党本部で開いた。
24日に行われた日中外相会談後の共同記者発表で、中国の王毅国務委員兼外相が尖閣諸島(沖縄県石垣市)の領有権を一方的に主張したことに関し、政府に十分な反論を求める声が相次いだ。
近く決議文をまとめ、茂木敏充外相に申し入れる方針も決めた。
日中外相会談で、茂木氏は中国公船の領海侵入や日本漁船への追尾などを取り上げ、「受け入れられない」と述べ、王氏に自制を迫った。
これに対し、王氏は共同記者発表で「一部の真相が分かっていない日本漁船が釣魚島(魚釣島の中国名)周辺の敏感な水域に入る事態が発生している」と主張。「引き続き自国の主権を守っていく」と強調した。
26日の自民会合では「日本が十分に反論している姿勢が見えない」「黙認しているように映ってはいけない」などの意見が続出。
茂木氏の記者会見などを含め、中国や国際社会に対し日本の立場を鮮明にするよう求める声が上がった。
海上法執行機関である中国海警局(海警)を独自の領有権主張の“先兵”としてその権限を強化し、軍事組織化も加速する内容だ。自国の正当性の主張を目的とした政治工作「法律戦」の側面もある。
同法案は、国家の主権や管轄権が外国の組織、個人に侵害されたときは「武器の使用を含めたあらゆる必要な措置」を取れると明記した。
尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で操業する日本漁船だけでなく、海上保安庁の巡視船も対象となる可能性がある。
独自の領有権主張を展開する東・南シナ海で海警による「法執行」を活発化させ、「主権行使」の既成事実を積み上げる構えだ。
【北京=西見由章】中国の立法機関、全国人民代表大会(全人代)が今月4日に公表した「海警法」案は、海上法執行機関である中国海警局(海警)を独自の領有権主張の“先兵”としてその権限を強化し、軍事組織化も加速する内容だ。自国の正当性の主張を目的とした政治工作「法律戦」の側面もある。
同法案は、国家の主権や管轄権が外国の組織、個人に侵害されたときは「武器の使用を含めたあらゆる必要な措置」を取れると明記した。尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で操業する日本漁船だけでなく、海上保安庁の巡視船も対象となる可能性がある。独自の領有権主張を展開する東・南シナ海で海警による「法執行」を活発化させ、「主権行使」の既成事実を積み上げる構えだ。
また同法案は、中国の許可を受けずに外国の組織や個人が中国の島・岩礁などに建設した構造物について「強制的に取り壊すことができる」と規定。日本側が尖閣諸島にヘリポートなどを建設することを牽制(けんせい)する狙いも透ける。
海警が、最高軍事機関である中央軍事委員会(主席=習近平国家主席)の命令に基づき「防衛作戦」を担うことも明記した。
現在、海警は国内の治安維持などにあたる人民武装警察部隊(武警)の傘下にある。武警は2018年1月、国務院(政府)からの「二重指揮」を解消し、中央軍事委の指揮に一本化された。さらに同7月、国務院の管理下にあった海警が武警に編入され、「武装力量(軍事組織)」として位置付けられた。
海警トップには、海軍で東シナ海を管轄する東海艦隊の副参謀長を務めた王仲才少将が就任。さらに海警は今年6月の法改正で、有事や演習の際に人民解放軍海軍と同じ指揮系統の下で一体的に行動することが可能となるなど「第二海軍化」が進んでいる。
米沿岸警備隊をはじめ、海上法執行機関が有事に軍隊としての権限も持つケースは国際的に少なくない。ただ尖閣周辺で海警と対峙(たいじ)する海上保安庁は、海保法で「軍隊の機能」を営むことを認められておらず、海警との権限の格差が今後強まる恐れがある。
環境省が尖閣諸島(沖縄県石垣市)に生息する動植物の生態調査を年内にも実施する方針を固めたことが14日、分かった。
絶滅危惧種のアホウドリの繁殖調査のほか、平成27年に作成した植生図の更新にも着手する。尖閣周辺の領海内には中国公船が頻繁に侵入しており、調査の実施などを日本の実効支配の根拠とする狙いがある。
アホウドリの調査には、人工衛星が撮影した高解像度画像を初めて活用する。環境省は衛星画像の解析技術の進歩に伴い、生息状況などの確認が可能だと判断した。
政府は尖閣諸島の安定的な管理を目的に原則として上陸を認めない方針を決めており、実地調査は見送る。
環境省が尖閣諸島(沖縄県石垣市)に生息する動植物の生態調査を年内にも実施する方針を固めたことが14日、分かった。
絶滅危惧種のアホウドリの繁殖調査のほか、平成27年に作成した植生図の更新にも着手する。尖閣周辺の領海内には中国公船が頻繁に侵入しており、調査の実施などを日本の実効支配の根拠とする狙いがある。
アホウドリの調査には、人工衛星が撮影した高解像度画像を初めて活用する。環境省は衛星画像の解析技術の進歩に伴い、生息状況などの確認が可能だと判断した。
政府は尖閣諸島の安定的な管理を目的に原則として上陸を認めない方針を決めており、実地調査は見送る。
環境省によると、尖閣諸島では魚釣島に生息するセンカクモグラなど11種の固有種を確認。一方で、国の天然記念物のアホウドリやセンカクツツジなど23種の動植物が環境省の絶滅危惧種に指定されている。
昭和50年代に食用として持ち込まれて繁殖し、島の生態系を脅かしているとされるヤギの生態についても調査での確認が見込まれる。
地域の植物群落の分布を示す植生図の更新時期は通常10~20年だが、早期の調査を求める自民党内の意見を尊重した。
自民党の国防議員連盟は今月2日、尖閣諸島に生息する希少動植物の保全のため実地調査を小泉進次郎環境相に求めていた。
同議連会長の衛藤征士郎元衆院副議長は産経新聞の取材に「関係調査を行い、日本固有の領土であるという事実を着実に積み上げてもらいたい」と語った。