自民党の萩生田光一政調会長は26日までに産経新聞の単独インタビューに応じ、安定的な皇位継承策を巡り、自らが責任者となって党内議論を進める考えを明らかにした。萩生田氏は「この1年、党でそれほど動きがなかったので、私のもとで受け皿を作っていかなければいけないと思っている」と述べた。
萩生田氏は、岸田文雄首相(自民党総裁)が13日に行った内閣改造・党役員人事で政調会長を続投するにあたり首相から求められた内容として、「経済対策に続いて、皇位継承策の作業を急がなければならないという問題意識と、首相任期中に(国会での)憲法改正発議を目指す考えを話していた」と明らかにした。
首相は令和3年9月の党総裁選で「旧宮家の男系男子が皇籍に復帰する案も含め、女系天皇以外の方法を検討すべきだ」と明言していた。
政府は昨年1月、皇族数の確保策として、旧宮家の男系男子が養子縁組などで皇籍復帰する案や、女性皇族が婚姻後も皇室に残る案などを盛り込んだ有識者会議の報告書を国会に提出。各党は党内議論に入る予定だったが停滞している。
党内では議論を深掘りすれば、女系天皇容認論につながりかねないとして慎重論はあるが、萩生田氏のもとで、首相発言に沿った方向性となる公算は大きい。
一方、憲法改正を巡り自民は①9条への自衛隊明記②緊急事態条項③参院選の「合区」解消④教育環境の充実-の改憲4項目を提示している。
萩生田氏は4項目すべてで、発議に必要な衆参両院で3分の2以上の賛同を得るのは難しいと指摘。「私の意見だが、1項目でも合意できるなら、改憲案を提出すべきだ。緊急事態条項は公約数が取りやすいのではないか」と述べた。
防衛力強化の財源を賄う増税に関しては「もう少し頑張れば、9年まで見送ることは非現実的ではない」と語った。