お茶の水女子大学教授
藤原 正彦
インタビュー<後編>
国家の品格を破壊した「改革」ブーム
― 前回は、「皇室典範を考える有識者会議」の報告書の問題点として、その原点を憲法と国民世論に求めたことがそもそもの間違いである、というお話でした。その背景にはまた、昨今の改革ブームに乗った国柄破壊というものがあるように思います。
藤原◆例えば、経済の問題ですと、グローバリズムといって、なるべく規制緩和をして市場の原理にすべてを委ねるべきだという考えが花盛りですが、これはつまりは弱肉強食で、“winner takes all”勝った者が全てを取るというもの。
地方の中小都市の駅前商店街なんて無惨ですよ。そこには地方の文化が長年根付いていた。それも日本の国柄のひとつでした。それがことごとく潰されてしまった。
アメリカ人は、公平なルールの下、競争した結果だから当たり前と思うかもしれないが、日本の武士道精神からすれば、大きいものと小さいもの、力の強いものと弱いものが同じ条件下で戦うということ自体、卑怯な振舞いということになる。
際限の無い市場原理主義がもたらした社会とは貧富の差の増大であり、金銭至上主義です。何でもお金に換算する。子供までそうですね。例えば、子供が「算数やって何になるの、役に立つの」と言う。
子供が勉強について何の役に立つか、などと質問するようになったというのは、日本が最低の国家、最低の国民になったという証拠です。なんと品格のない国になってしまったことか。
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