
【香港=田中靖人】中国建国70年の香港ではデモ隊と警察の衝突が相次ぎ、市街地の一部は祝賀とはほぼ遠い、争乱に近い状態となった。
この日はネット上で「決戦日」とされ、各地で集会やデモが行われ、少なくとも6カ所で衝突が起きた。九竜半島の油麻地では警察車両がデモ隊に襲われ、警察官が威嚇で拳銃の実弾を発射。過激化したデモ隊は各地で火炎瓶を投げ、警察が催涙弾や暴徒鎮圧弾を次々に発射した。一部で重傷者が出たもようだ。
この影響で、日本総領事館の入る高層ビルを始め30カ所以上の商業施設が休業し、地下鉄は15駅以上が閉鎖された。
一方、同日午前には建国記念式典が香港島中心部の会議場で開かれた。張建宗政務官は「過激な抗議者の暴力により社会秩序が破壊され、下向き圧力の経済がさらに悪化している」と抗議活動を批判した。