【12月10日 AFP】カナダ人2人が、中国で身柄を拘束されてから10日で1年となる。拘束は中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ、Huawei)の最高財務責任者(CFO)孟晩舟(Meng Wanzhou)被告の逮捕に対する報復行為とみられており、2人は弁護士をつけることもできず、家族に面会できない状態が続いている。

 元外交官で独立系シンクタンク「国際危機グループ(International Crisis GroupICG)」に勤めていたマイケル・コブリグ(Michael Kovrig)氏と、中国を拠点とする実業家で北朝鮮旅行の手配をしていたマイケル・スペーバー(Michael Spavor)氏が拘束されたのは、孟被告が逮捕されたわずか9日後のことだった。

 孟被告は、ファーウェイ創業者の任正非(Ren Zhengfei)最高経営責任者(CEO)の娘で、昨年12月1日に米国の要請を受けたカナダ当局によりバンクーバー(Vancouver)の空港で身柄を拘束された。米国は、対イラン制裁に違反したとして孟被告の身柄引き渡しを要求しており、一方の孟被告は弁護団を雇い、法廷で徹底抗戦する構えを示している。

 中国政府は孟被告の釈放を繰り返し要求し、カナダ政府はカナダ国民を恣意(しい)的に拘束したとして非難している。

 孟被告とコブリグ・スペーバー両氏が置かれた状況は対照的だ。

 孟被告は、保釈中は足首に監視装置を装着することが義務付けられてはいるものの、バンクーバーの自宅で読書をしたり絵を描いたりして過ごしている。

 逮捕から1年の節目に支援者らに送った公開書簡には、こう書かれていた。「今は、時間がゆっくり流れているように感じます」「あまりにもゆっくり流れているため、本を最初から最後まで読めるほどです」「ささいなことを同僚と話し合ったり、油絵を丁寧に完成させたりする時間も取れます」

 父親の任氏は米CNNテレビで、孟被告の母親や夫が会いに行っている他、「苦しんでいる」娘と自分も連絡を取り合っていると話した。

■2人の運命は孟被告の審理次第

 一方、海の向こう側で拘束されているコブリグ氏とスペーバー氏に対する尋問は何時間にも及び、拘束後、最初の6か月は就寝時にも照明をつけられたままだったと関係筋は伝えている。面会が許されているのは領事のみで、1回当たり30分だという。

 カナダの元中国大使ギー・サンジャック(Guy Saint-Jacques)氏によると、コブリグ氏は北京にある拘置所の1部屋で約20人と共に、スペーバー氏は遼寧(Liaoning)省丹東(Dandong)で18人と共に収容されている。外に出られるのは1日15分だけだ。

 家族からの写真やメッセージは大使館職員が大声で読み上げてから、中国当局に手渡される。だが、それをコブリグ氏とスペーバー氏が受け取っているかは不明だ。コブリグ氏については逮捕から1週間は、本の差し入れさえ拒否されていた。

 両氏は国家機密窃取の容疑をかけられているが、正式に起訴はされていない。

 専門家によると、コブリグ氏とスペーバー氏の運命は孟被告の今後の処遇次第だという。孟被告の審理は1月に開始する予定だ。(c)AFP/Laurent Thomet and Eva Xiao