【台北=矢板明夫】台湾の国防部(国防省に相当)は10日、記者会見を開き、中国軍の戦闘機「スホイ30」や「殲(せん)10」など多数の軍用機が9日から10日にかけて、台湾南西の防空識別圏に侵入したと発表した。台湾メディアは計40回以上で「異例の多さ」と伝えた。台湾側は軍用機が緊急発進するなどして対応した。
米国のアザー厚生長官の8月の台湾訪問前から、中国軍は、南シナ海や東シナ海、渤海、黄海などの海域で軍事演習を繰り返し、台湾の南西空域に軍用機を繰り返し進入させるなど、露骨な挑発を続けている。一連の軍事行動は、米台接近に対する「不快感表明」と指摘する台湾の軍事専門家もいる。
台湾の国防部の張哲平副部長は10日、「中国軍の行動は、地域の平和と安定に脅威を与えている」と指摘し、中国政府に対し「厳正な非難」を表明した。
今月6日に国安法反対などを訴えた抗議デモでは、警察が買い物中の12歳の少女を押し倒して制圧していたことが分かり、過剰な取り締まりだと批判を受けた。
さらに現場付近でクラクションを鳴らした路線バスの運転手が危険運転の疑いで逮捕され、運転手の所属する労働組合から反発が出ている。
香港デモ、逮捕1万人超 取り締まり強化に反発
香港警察は10日までに、昨年6月からの政府への抗議デモに関連した逮捕者が1万人を超えたと明らかにした。6月末の香港国家安全維持法(国安法)施行後は、取り締まりが強化され、市民の反発も強まっている。
警察によると、約100万人の抗議デモが起きた昨年6月9日から今月6日までの逮捕者は1万16人だった。うち起訴されたのは2210人。暴動罪での起訴が最も多く687人、次いで違法集会罪の383人だった。
今月6日に国安法反対などを訴えた抗議デモでは、警察が買い物中の12歳の少女を押し倒して制圧していたことが分かり、過剰な取り締まりだと批判を受けた。さらに現場付近でクラクションを鳴らした路線バスの運転手が危険運転の疑いで逮捕され、運転手の所属する労働組合から反発が出ている。(共同)