東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に関し、国際原子力機関(IAEA)が行った原発近くの海水のサンプリングや分析で放射性物質が日本の制限値未満だったと説明したことについて、中国外務省の毛寧副報道局長は12日の記者会見で正当な結果と認めない姿勢を示した。IAEAの検査は「加盟国の十分な議論を経ずに行われており、独立性に欠ける」と主張した。
毛氏は「隣国などの利害関係者が実質的に参加する長期的で有効な国際モニタリング(監視)の仕組みを、国際社会は求めている」と強調した。米国やフランスなどは福島沖で採取した海水の放射性物質のモニタリング結果を分析・評価するIAEAの国際的枠組みに参加しているが、中国は入っていない。
一方で「いかなるモニタリングを行っても、核汚染水の海洋放出を許可することにはならない」とも述べ、日本は海洋放出を「直ちに停止すべきだ」と重ねて要求した。(共同)