被災した市民に笑顔の輪...楽器演奏に込めた自衛隊員の知られざる心遣い

西日本豪雨の被災者から送られた、数々の「ありがとう」の言葉。

その先には、過酷な任務に立ち向かう自衛隊の知られざる心遣いがありました。

町を濁流が襲った日から、およそ2週間。

浸水で大きな被害が出た「まび記念病院」で、検診車による診療が始まっている。

住民にとって、大きな力となりそう。

岡山・倉敷市真備町の「まび記念病院」では19日、一部の診療が再開された。

この病院は当時、2階まで浸水。

孤立した入院患者などは、自衛隊員により、ボートで救出された。

その真備町では、19日も、災害ごみを重機を使って撤去する作業を行っているが、その横では、隊員がほうきを持って、残った破片をかき出している。

猛暑日の日差しが、連日照りつける中、自衛隊員は、安全確保のため長袖姿で、災害ごみの撤去を続けていた。

作業にあたる自衛隊員は、「もう1週間以上やってます。いやぁ暑いです。間違いないです。交代で作業したり、水分や塩分等を準備して、とらせるようにしています」と話した。

13日には、車道の両側にたくさんの災害ごみが積み上げられていた道路も、自衛隊などによって、ほとんどが撤去されている。

先週は、災害ごみが歩道いっぱいに積み上げられ、歩行者も車道を歩くしかない状態だったが、わずか1週間で道の両側のごみがなくなり、すっかり片づいている。

真備町では「ありがたいです、本当にね」、「3~4日ほどで、ここは片づいた」などの声が聞かれた。

被災から2週間、人命救助や捜索活動、さらに給水や入浴支援など、さまざまな活動で被災者に寄り添ってきた自衛隊。

広島・坂町小屋浦地区の住民からは、「朝から晩までね、動いてますよ。僕が1馬力なら、自衛隊は5倍くらい動いてますよ、自衛隊の人」と話した。

その活動は、力仕事にとどまらない。

隊員が奏でる陽気なメロディーが、被災地に“癒やし”と“笑顔”をもたらしていた。

「美女と野獣」のテーマを奏でるのは、海上自衛隊の隊員。

広島県の呉港では、取材をした7月10日、海上自衛隊が、市民に“護衛艦風呂”を開放した。

市民は、「3日ぶりです。もう最高です! ありがとうございます!」と話し、久しぶりのお風呂に思わず笑顔。

呉市では当時、断水が続き、待望のお風呂に入ろうと、長いときで3時間待ちの状態に。

こうして並んで待つ市民への心遣いが、隊員による楽器の演奏だった。

少しでも和やかな気分になってもらおうと、隊員たちが曲を披露。

被災した市民に、笑顔の輪が広がった。

心を込めて奏でる曲のレパートリーも、実に多彩だった。

動画を撮影した、しおりさんは、「いろんな人がピリピリしている中で、自衛隊の方も楽しんでもらえるようにということで、いろんなものを弾いていたので、純粋に感動したのもありますし、“人に助けられてるな”という、精神面でも“助けられているな”と感じました」と話した。

一方、倉敷市真備町に自衛隊が設置した入浴施設では、入り口付近にノートがあり、中を開いて見ると、利用者からのお礼の言葉がびっしり書かれている。

「きょうはお風呂に入らしてくれてありがとう」などと、お風呂を利用した被災者から、ノートいっぱいに感謝の寄せ書きが。

さらに、地元の人と自衛隊員が談笑するなど、心も温まる交流が生まれていた。

女性は、「ありがたいです、近くでこんな...うれしくて。皆さん親切に頑張ってくださるから、元気が出ます」と話した。