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野党は冷戦の残滓を引きずるな 元駐米大使・加藤良三

野党は冷戦の残滓を引きずるな 元駐米大使・加藤良三

かとう

 今、アメリカ型民主主義(デモクラシー)の限界や中国モデルの優位などがいろいろと議論されている。「デモクラシー」を「民主主義」と訳したのは西周だという。チャーチルが「デモクラシーは最悪のシステムだ。ただし、これまで存在した他のあらゆるシステムを除けばだ」との趣旨を述べたことは遍(あまね)く知られている。

 ≪イデオロギーの効能は失われた≫

 「民主主義」というとき、それが「君主政」(モナーキー)「貴族政」(アリストクラシー)などと共通の「制度」の側面と、「社会主義」「共産主義」と同列の「イデオロギー」「価値観」を表す側面とがあるようだ。

 「制度」についてみると、民主政のメリットはリーダーが民意(選挙)によってその地位にあるという「政治的正統性」を有することにある。即(すなわ)ち、そのリーダーが期待外れだった場合は選挙の結果その地位を失うだけで、いきなり死刑にされたり、亡命を余儀なくされたりということはない。

 一方、非民主的、独裁的リーダーの場合は、民意によってその地位にあるという正統性を欠くが故に末期が銃殺、虐殺など悲惨なものになりがちだ。

 「ダモクレスの剣」の下の非民主的リーダーは安眠のための何らかの代替物、即ち、導眠剤・安定剤の類いを必要とする。共産主義を標榜(ひょうぼう)するリーダーには「マルクス・レニニズム」の「イデオロギー」という代替物があったが、その効能は冷戦の終了とともにあらかた失われた。

 その代わりの導眠剤・安定剤として「ナショナリズム」「愛国主義」を使ったこともある。これは一面、効果があるが、副作用もある。「反日」のスローガンを掲げ、内憂を外患に転じる作戦は所詮、日本という国が彼らにとって必要な存在である限り永続性を期待できない。どこかで折り合いを付けなくてはならないが、振り上げた拳の下ろしように苦慮することになる。下手をすると反日のエネルギーが自分たちに逆噴射してしまう。

 ≪勝利したのは民主主義への信認≫

 中国の場合はその過程を経つつ、トウ小平の時代には「経済の右肩上がりの持続的経済発展」に活路を求めた。「今日は昨日よりいい」「明日は今日よりいい」という実感と期待の植え付けである。この意味でのリーダーの正統性は比較的長く続いて今日に至るが、今はいろいろな意味で試練のときを迎えているのではなかろうか。

 「イデオロギー」「価値観」の面から見れば、デモクラシーとその他の体制との違いは、国民に自由な選択肢を複数認めるか否かということにあるのではないか。

 ギリシャの歴史学者ポリュビオスは有名な「政体循環論」(王政→貴族政→寡頭政→民主政→衆愚政→王政)を著した。マルキシズムはプロレタリアートの独裁を最終到達点として示し、循環論を否定したことになる。しかし結局、冷戦に勝ったのは民主主義だった。

 「イデオロギー」「価値観」としての民主主義の勝利は、複数選択肢の系譜に繋(つな)がる信教・表現の自由、法の支配などの原則に対する人々の信認によるものなのであろう。異見の許容、異端への寛容の度合いも重要な要素であろう。

 この意味でのデモクラシーの優位を日本国民はよく体得し、実践している方ではないかと思う。

 ただ、日本について見られるのは冷戦の残滓(ざんし)である。

 ≪価値観を共有し国事に奔走を≫

 トランプ大統領の下でのアメリカの「分断」が抜き差しならない状態にあると報ぜられる。多分事実であろう。

 他方、日本にいま分断があるとすればそれは別種のものだろう。アメリカに見られる分断は「社会的(ソーシャル)」な分断である。日本に見られるのは「イデオロギー的」分断である。かかるアメリカの分断は極端な富の偏在を基盤として生じたアメリカ国民間の闘争である。誰もイデオロギー的に自分の国を割ろうとは毛頭思っていない。そこに外国が付け込む余地はない。

 日本は現在世論調査で70%以上の国民が現状に多かれ少なかれ満足していると答える状況にあり、アメリカに見るような「社会的分断」はない。既に終わって久しい冷戦の「負け組」が「社会的分断」に藉口(しゃこう)しながら、旧態依然の不毛な「イデオロギー的分断」の残り火を焚(た)いている今を呪っているふうがある。

 その顕著な現象の一つが野党や一部メディアに見られる傾向であって、彼らは野党として追求すべきアジェンダを追求していないように思う。一例にすぎないが拉致問題などは本来、野党が与党の対応を生ぬるいと言ってハッパをかけてしかるべきではないのか。人道問題で中国などに率先して働きかけるのが野党らしい野党ではないのか。

 野党・一部メディアは与党内部の派閥に本来の野党の役割を委ねるのではなく、民主主義の制度と価値観を共有する勢力としてもっと、国事に奔走してもらいたいと痛感する次第である。(かとう りょうぞう)

加藤 良三(かとう りょうぞう、1941年9月13日 - )は、日本の外交官、12代プロ野球コミッショナー、三菱商事特別顧問で2009年6月より社外取締役。埼玉県生まれ、秋田県由利郡由利町(現:由利本荘市)出身。成蹊高等学校を経て東京大学法学部を卒業。1965年(昭和40年)に外務省入省。イェール大学で英語研修。

アメリカンスクール(英語研修組)のエースとして早くから嘱望されていた。1995年(平成7年)、北朝鮮外交に対応するため、加藤がアジア局長に、同期でアメリカンスクールの折田正樹が北米局長に任命された。総合外交政策局長、外務審議官(政治担当)などを歴任し、2001年(平成13年)10月に駐米大使に任命される。

加藤は入省直後から4回の在米勤務経験があり、外務省有数のアメリカ通としてリチャード・アーミテージなど共和党系を中心に豊富な人脈を有していた。駐米大使としては戦後最長となる6年半にわたる任期を務め上げ、日米関係の発展に尽力した。アメリカのシンクタンクは加藤の功績を称えて「加藤良三記念賞」を創設した。

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…………………………………………………………………………

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※人権侵害救済法案の問題点について

…………………………………………………………………………

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①自治基本条例の問題点について

②外国人に対する住民投票権の付与について

……………………………………………………………………………

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地方議会議場での国旗掲揚について

……………………………………………………………………………

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反対決議は362市町村議会(H22年9月1日現在)

慎重議員署名4071名・535議会(同年9月1日現在)

慎重首長署名568自治体(7県知事221市区340町村長・同年9月1日現在)

………………………………………………………………………………

 

尖閣諸島上陸許可要望議員署名


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