【ワシントン=黒瀬悦成、塩原永久】米議会の超党派諮問機関「米中経済安全保障調査委員会」は14日、2019年版の年次報告書を公表した。
報告書は香港情勢に関し、中国の軍や武装警察が抗議デモの鎮圧に投入された場合は、香港に対する経済分野での優遇措置を停止する法律を制定するよう勧告した。
下院は先月15日、一国二制度を前提に香港を中国と区別し、関税や査証(ビザ)に関する優遇措置を毎年見直すことを明記した、超党派の「香港人権民主法案」を全会一致で可決した。
優遇措置が撤廃されれば、香港経済に頼る中国・習近平体制には打撃となる。
ただ、法案は上院ではいまだ採決されておらず、トランプ大統領も法案に署名するかどうか態度を明確にしていない。
台湾情勢では、中国による台湾の武力統一を抑止するため、国防総省に向こう15年間の行動計画の策定に向けた研究を行うよう要請したほか、トランプ政権に台湾との軍事交流と合同演習を活発化させるための法整備を促した。
軍事分野では、中国が人民解放軍を「世界水準」の軍隊に仕立てようとしていると指摘し、自国の核心的利益を守るために軍事行動も辞さない態度を打ち出していると警告。
米政府に対しては、米中関係で「最善のシナリオを目指しつつ、最悪の事態への対処も準備すべきだ」と指摘した。
また、中国とロシアが関係を深化させているとも強調。議会に対し、米国および同盟諸国による中露連携の影響や対処法をめぐる情報分析が行われるよう促すべきだと訴えた。
報告書はまた、米株式市場に上場する中国企業への監督強化を求めた。中国企業の情報開示が不十分で経営実態が不透明だと指摘。ルールを順守しない場合は市場から排除できる立法措置を議会に促している。
報告書によると米市場に上場する中国企業は172社、時価総額が1兆ドル(約109兆円)に達した。
中国企業は、米国で巨額の資本を調達しているが、経営情報などの開示姿勢が劣っており「投資リスクを生じさせている」と指摘。証券発行など市場での活動を制限できる法律を設けるべきだとした。
さらに、中国企業が引き続き、先端技術を持つ米ベンチャー企業に積極的な投資を展開し、軍事転用も可能な技術取得に努めていると警鐘を鳴らした。





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