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駐日中国大使の奇妙な主張

駐日中国大使の奇妙な主張

4/28(火) 23:01配信

Japan In-depth

古森義久の内外透視」
【まとめ】
・中国政府の対応は「透明でオープン」と駐日中国大使が寄稿。
・同じ紙面に大使の見解を真っ向否定する記事が掲載。
・中国の奇妙な発信はこんごも続く。多角的な読み方が不可欠。

中国政府はいまや新型コロナウイルスの感染について当初にとった隠蔽や虚報の工作を否定する国際キャンペーンに全力をあげる形となった。日本では読売新聞4月25日朝刊に載った駐日中国大使の寄稿もその一環だといえる。武漢でのウイルス発生に対して中国政府が当初にとった態度は透明でオープンだったと断言するのだ。

ところがその読売新聞の同じ日の同じ朝刊にその駐日大使の主張を真正面から否定する日本の細胞生物学者の解説が掲載された。同じ新聞に同じ課題についてまったく相反する主張を載せるのも報道機関の開かれた対応だといえよう。だがその結果、同中国大使の言明はなんとも苦しく奇妙な主張として映った。

読売新聞が掲載したのは日本駐在の中国大使の孔鉉佑氏の寄稿だった。「助け合って難局を乗り切ろう」という見出しだが、主体は中国政府のコロナウイルス感染への対応は一貫して正しかったとする主張だった。

その内容には以下のような記述があった。

「感染が勃発すると、中国政府はオープン・透明、責任ある態度で、いち早く情報を公表し、進んで世界保健機関(WHO)や関係諸国と予防・抑制と治療の経験を共有した」
「昨年12月末、湖北省武漢市の疾病制御センターが原因不明の肺炎症例を発見した。今年1月3日、中国はWHOと各国に正式に感染情報を通告した。1月12日、新型コロナウイルスの遺伝子配列情報を全世界と共有した。1月21日から国家衛生健康委が毎日、感染情報を発表した」

さて以上のような孔大使の主張はこれまで武漢市当局や中国政府当局が実際にとってきた言動とは明らかに異なる。中国側の当局は上記の期間に新たな感染症が発生したと指摘した現地の医療関係者たちを沈黙させて、懲罰し、「人から人には感染しない」と言明したり、新型コロナウイルスの実態を国際的に通告することも怠ってきた記録が中国側にさえ厳存する。

しかし中国政府はいまになって、こうした事実とは異なる発表をするのも、それなりに動機は理解できよう。問題は日本側がそれをどう受け止めるか、である。より具体的にはこの孔大使の主張を読んだ読売新聞の読者がどう認識するか、だろう。

ところがこの点では読売新聞側は故意か偶然か、おもしろい対応を示した。同じ4月25日の朝刊に孔大使の見解を真っ向から否定する記事を載せたのだった。

その記事は解説ページの大きなトップ記事、歌人、かつ細胞生物学者の永田和宏氏の見解だった。読売新聞大阪文化部の浪川和子記者が永田氏にインタビューして、見解を聞き、まとめた形をとっていた。

「ウイルス どう共生するか」とか「コロナとの向き合い方」という見出しがついていた。

この記事で永田氏は今回のコロナウイルスの大感染に関して「人類の歴史から学ぶことはできますか」という質問に答えるなかで以下の点を明確に強調していた。

新型コロナウイルスの場合、中国・武漢の医師が昨年末の時点で、警鐘を鳴らしたにもかかわらず、当局は『デマだ』として医師を処分した。あってはならないことで、情報開示がいかに大切かがわかります」

永田氏が指摘する「武漢の医師」とは、李文亮医師のことである。武漢の病院で働いていて、コロナウイルス感染患者の多発についてインターネットで最初に警鐘を発した李医師は当局に弾圧され、沈黙を命じられて、処罰を受けた。その後、まもなくコロナウイルスに感染して亡くなった34歳の中国人男性だった。

孔大使の主張にはこの種の事実はツユほども示唆していない。李医師の身に起きたこと一点だけをみても、中国政府の対応は「オープン・透明、責任ある態度」とはおよそ異なる実態だったことが明白となる。

この日の読売新聞の注意深い読者ならば、永田氏の解説からこうした側面にも思いを馳せて、駐日中国大使の主張の奇妙さに気がついたはずである。

中国当局からのこの種の発信はこんごもますます増えるだろうから、こうした多角的な読み方でそれらに接することが欠かせないわけである。

古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)

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…………………………………………………………………………

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…………………………………………………………………………

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……………………………………………………………………………

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反対決議は362市町村議会(H22年9月1日現在)

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