中国政府による少数民族ウイグル人への人権弾圧の惨状が明らかになり、国際社会で批判の声が高まっている。
中国・新疆(しんきょう)ウイグル自治区の「再教育」施設に収容されたウイグル人女性らに対し、性的暴行や虐待、拷問が組織的に行われていたと、英BBC放送が報じた。
収容されていたウイグル人女性らの証言に基づくものだ。証言者が集団レイプされたり、女性の悲鳴が響き渡っていたのを聞いたりしたという体験談である。
性暴力などによる弾圧は絶対に容認できない。ウイグルの人々はただちに解放されるべきだ。
フィンランドのマリン首相はツイッターで、「国際社会は目をつぶるわけにはいかない」と批判した。アダムズ英外務閣外相はBBCの報道が「悪魔の所業を明らかにした」と指摘し、国際的調査の必要性を唱えた。ウイグル人弾圧をジェノサイド(民族大量虐殺)とみなすバイデン米政権の国務省報道官も国際的調査を求めた。
中国外務省の報道官は「組織的な性的暴行や虐待は全く存在しない」と否定したが、信用しがたい。国際的調査を拒んだからだ。自由な調査や取材を認めれば都合の悪い事実が見つかると恐れているのではないか。