【オーランド(米フロリダ州)=黒瀬悦成】トランプ前米大統領は2月28日、南部フロリダ州オーランドで開かれた保守勢力による年次総会「保守政治行動会議」(CPAC)で演説した。
トランプ氏は昨年11月の大統領選で自身が「(実際には)勝利した」との認識を改めて示した上で「もしかしたら3度目の勝利もあるかも」と述べ、2024年の次期大統領選に再出馬する可能性を示唆した。
トランプ氏が大統領退任後、公の会合で演説するのは初めて。演説では「私はあなた方に寄り添って戦い続ける」と述べる一方、「新党を結成する気はない」と明言し、自身が引き続き共和党を率いていく考えを明確に打ち出した。
バイデン政権については「就任後1カ月は最悪だった」と語り、バイデン大統領が気候変動をめぐるパリ協定と世界保健機関(WHO)への復帰、移民政策の緩和、中東・アフリカ圏諸国からの入国禁止の解除など、前政権の取り組みをことごとく覆す措置を取ったことを強く批判した。
バイデン政権下で普及が進む新型コロナウイルスのワクチンについては「ワープスピード(超高速)作戦で迅速なワクチン開発と配布の道筋を作ったのは私だ」と指摘し、自身の功績であることを強調した。
昨年の大統領選をめぐっては「不正があった」とする、信頼に足る証拠や裏付けに乏しい主張を改めて展開。選挙の無効などを求めたトランプ陣営の訴えを実質的に門前払いした保守派が多数の最高裁を「意気地なしだ」と批判した。
また、「このような事態が繰り返されてはならない。選挙では公正で誠実、確実であることが保障されるべきだ」と訴えた。