災害時には防災拠点となる和歌山県の串本町役場の新庁舎が完成し、7月4日に竣工式が行われる。
昭和33年に建設された現庁舎は津波浸水想定区域内にあるため、近い将来起こるとされる南海トラフ巨大地震を想定し、北側に約1キロ離れた高台に移転を計画。令和元年9月から建設を進めてきた。7月26日に新庁舎で業務を始める。
現庁舎は海抜約3メートルの地点に立地。老朽化しているほか、南海トラフ巨大地震で津波が押し寄せるとされるため、海抜約50メートルの同町サンゴ台に新庁舎を建設した。
新庁舎は耐震性に優れるとされる「プレキャストプレストレストコンクリート造」の2階建て。1階には住民課や税務課、こども未来課、2階には町長室や総務課、企画課、産業課などが入る。現在役場本庁舎にある部署のほか、古座分庁舎にある議会や建設課、水道課も設置し、業務の効率化を目指す。
災害時に対応するため、1週間稼働できる自家発電装置も配備し、飲料水や生活用水をためたタンクも設置。災害時の防災拠点となるよう工夫されている。
総事業費約33億円。延べ床面積は新庁舎が約5400平方メートルで、2階建ての車庫・書庫棟が約317平方メートル。
本庁舎跡地には県営住宅が建設され、古座分庁舎は町内に建設中のロケット発射場に関連する施設となる。
7月4日の竣工式は午前10時から。午後2時からは一般向けの内覧会が行われる。