自民党の夏の参院選公約の全容が9日、判明した。キャッチコピーは「決断と実行。」。「日本を守る」と「未来を創る」をキーワードに、外交安全保障、原油高・物価高対策、憲法改正などの7本柱を掲げた。同日の臨時総務会で了承され、16日に正式発表する。
外交安保では周辺地域の安保環境が不安定化していることを踏まえ、「NATO(北大西洋条約機構)諸国の国防予算の対GDP(国内総生産)比目標(2%以上)を念頭に、真に必要な防衛関係費を積み上げる」と説明。「来年度から5年以内に防衛力の抜本的強化に必要な予算水準の達成を目指す」との考え方を盛り込んだ。
北朝鮮による拉致問題には「全ての拉致被害者の即時一括帰国を求め、核・ミサイルの完全な放棄を迫る」と強調した。経済安保をさらに推進し、「新たな『国家安全保障戦略』に経済安全保障の観点を盛り込む」とも表明した。
岸田文雄首相が掲げる経済政策「新しい資本主義」の関連では、人材への投資を大胆に進める方針を示し、「〝脱炭素〟を成長の起爆剤にする」とした。
憲法改正では自民党が示している自衛隊の明記や緊急事態条項新設などの改憲4項目について「全国各地で対話集会などを積極的に開催し、憲法改正の必要性を丁寧に説明する」とした上で、憲法改正を「早期に実現する」と主張した。
原油価格や物価の高騰に対応するため、燃油価格の激変緩和策の継続と同時に「大きな影響を受ける業種への支援をきめ細かく行う」とした。新型コロナウイルス対策では「治療薬や国産ワクチンの確保、将来の危機に備えた司令塔機能の強化に取り組む」とし、コロナ禍で深刻なダメージを受けた経済立て直しの具体策として、ひとり親家庭や中小企業への支援、観光の需要喚起などを挙げた。