【ニューヨーク=平田雄介】米国のブリンケン国務長官は1日、核拡散防止条約(NPT)の署名が始まってから54年になるのに合わせて声明を発表し、「NPTは核兵器拡散という迫りくる脅威を食い止める国際的な取り組みに不可欠な基盤を提供し、破滅的な核戦争のリスクを制限してきた」と強調した。
ニューヨークの国連本部では8月にNPT再検討会議が開かれる。ブリンケン氏は会議での米国の立場について、「核兵器のない世界という最終目標」に向け、軍備管理の促進や原子力の平和利用など「世界の危険を減らす上でNPTが果たす不変の役割を強調するだろう」と説明した。
原子力の平和利用は「電力や医療、農業、工業など驚くほど多様な恩恵をもたらしている」と評価し、再検討会議で米国は「NPTの維持、強化のために全ての加盟国と協力する」と述べた。
NPTは米英とロシア、中国、フランスを「核兵器国」と定め、この5カ国以外への核兵器の拡散を防止する条約。また、締約国が誠実に核軍縮交渉を行うことを義務づけ、原子力の平和利用は締約国の「奪いえない権利」と定めている。