中南米でパナマやニカラグアなどが台湾と断交し、
2016年の蔡英文政権発足時に22あった台湾と
外交関係を持つ国は現在14に減った。ホンジュラ
スの左派カストロ政権は対中国交樹立を公約としていた。
こうした国が中国に傾く理由の一つが「財政難や
債務の問題」(レイナ氏)とされる。中国からの経
済支援や債務の返済条件などを巡り、中国に引き寄
せられる途上国は少なくない。ホンジュラスが多額
の経済支援を台湾に求めたと一部メディアで22日
に伝えられると、ホンジュラス側は直ちに否定した。
一方、ロイター通信は22日、消息筋の話として
「中国は当初、今年後半に(ホンジュラスと国交樹立
へ)動く予定だった」と伝えた。計画が前倒しされ
たのは、台湾の蔡総統の「海外訪問」が理由だという。
蔡氏は29日から4月7日まで米国経由でホンジ
ュラスの隣国グアテマラやベリーズを訪問する。台湾
の呉釗燮外交部長(外相)も23日、立法院(国会)
で、レイナ氏の訪中が「偶然のタイミングには見えな
い」と述べ、中国が蔡氏の外遊に対抗してホンジュラ
スに台湾と断交させようとしているとの見方を示した。
中国、ホンジュラスと台湾の
断交方針報道に「歓迎」
中国外務省の毛寧副報道局長=1月、北京(共同)
【北京=三塚聖平】中国外務省の毛寧(もうねい)報道官は24日夕の記者会見で、ホンジュラスが台湾との断交と中国との国交樹立に向けて動いているとの報道に「歓迎」の意向を表明した。習近平政権は、「一つの中国」原則を認めない台湾の蔡英文政権に外交面でも圧力をかけている。
毛氏は「中国は、ホンジュラス政府の対中関係発展に関する積極的な態度表明を歓迎する」と評価。同時に「『一つの中国』原則を堅持することは国際的な大義だ」と主張した。
ロイター通信によると、ホンジュラスのレイナ外相は中国との国交樹立を「促進」するため、22日から中国を訪問している。
習国家主席は3月13日に全国人民代表大会(全人代)で行った演説で、台湾問題に関して「外部勢力の干渉と『台湾独立』分裂活動に断固反対し、祖国統一のプロセスを確固として推進しなければならない」と表明。習氏は、中国共産党、国、軍のトップとして3期目政権を本格始動させており、トップ自ら「統一」への決意を改めて内外に宣言している。