LGBTなど性的少数者への理解増進を図る法案の廃案を求める女性有志が27日、国会正門前でデモ活動を行った。参加者は「自認に基づく性別で社会生活が送られることは反対だ」と訴え、同法案で示唆される性自認の法令化に関して慎重な議論を求めた。
市民団体「女性と子どもの権利を考えまちづくりにいかす杉並の会」の主催。
同会代表の青谷ゆかり氏は、トランスジェンダー女性(生まれつきの性別は男性、性自認は女性)が海外で女性競技スポーツに参加し身体能力に劣る女性選手の活躍が阻まれている状況などを挙げ、「(LGBT法制が)先行した国は女性や子供に被害が出ている。主観でしかない思い込みを法令化するのは異常だ」と述べ、性自認の法令化に反対の考えを強調した。
過去に性被害を受けた女性は、東京都渋谷区などで女性専用トイレの代わりに性別に関係なく利用できる「ジェンダーレストイレ」が設置される状況に強い懸念を示し、トイレなどに女性専用のスペース設置の義務付けを求めた。
豪州出身の女性は、同国で性別変更の要件に性別適合手術を除外された状況を説明し、「女性トイレなどに(身体が)男性の人が合法的に入れるようになった。公共プール施設の着替え室には女装する男性がいた。女性は施設を使わないようになった」と警鐘を鳴らした。
デモの参加者は約20人にとどまった。一方、複数の参加者は性自認の法令化による弊害に懸念を示すと左派系団体から、「トランスジェンダー差別だ」と糾弾された経験も訴えていた。
LGBT法案をめぐっては与党案、立憲民主・共産・社民の3党案、日本維新の会と国民民主党案の計3案が国会に提出されている。立民などの3党案は「性自認を理由とする差別は許されない」としている。