フィリピン沿岸警備隊のアブ長官は19日までに、中国
の海上民兵の船が集まっていた南シナ海の海域でサンゴ
礁が破壊され、巡回のため巡視船2隻を派遣したと述べた。
沿岸警備隊は、中国側による違法で破壊的な漁業によ
り海洋環境が悪化した可能性があると発表した。一方、
サンゴ礁を埋め立てて人工島を造るのが目的だとの臆測
も出ている。
日本の越川和彦大使は「非常に憂慮している」とし、
環境保全を訴えた。米国のカールソン大使はフィリピン
の天然資源を守るため同盟・友好国で連携する考えを示
した。
南シナ海でサンゴ礁破壊
中国関与か、比が巡回へ
2022年8月、南シナ海のアユンギン礁付近で、艦砲の覆いを外す中国海警局の艦船の乗組員(フィリピン沿岸警備隊提供・共同)
フィリピン沿岸警備隊のアブ長官は19日までに、中国の海上民兵の船が集まっていた南シナ海の海域でサンゴ礁が破壊され、巡回のため巡視船2隻を派遣したと述べた。
沿岸警備隊は、中国側による違法で破壊的な漁業により海洋環境が悪化した可能性があると発表した。一方、サンゴ礁を埋め立てて人工島を造るのが目的だとの臆測も出ている。
日本の越川和彦大使は「非常に憂慮している」とし、環境保全を訴えた。米国のカールソン大使はフィリピンの天然資源を守るため同盟・友好国で連携する考えを示した。
沿岸警備隊が8月9日~9月11日にフィリピンの排他的経済水域(EEZ)にあるサビナ、イロキス両礁を調査したところ、海上民兵の船が平均計50隻近く集結していた。
両礁の海底から生態系が失われたことも確認した。サビナ礁では海底が変色し、意図的に地形が変えられた可能性が高いという。(共同)
中国の艦船がフィリピン軍の補給船に放水 南シナ海のアユンギン礁付近で
2023年8月6日 19時48分

フィリピン沿岸警備隊の進路を妨害したとされる中国沿岸警備隊の船(奥)=フィリピン沿岸警備隊提供、AP
【バンコク=藤川大樹】フィリピン軍は6日、中国と領有権を争う南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島のアユンギン(同セカンド・トーマス)礁付近で、補給物資を積んだ船舶が中国海警局の艦船から放水を受けたと発表した。
フィリピン軍は1999年、アユンギン礁近くで意図的に座礁させた揚陸艦に軍部隊を駐留させ、実効支配を続けている。
現地からの情報によると、フィリピン軍がチャーターした補給船が5日、フィリピン沿岸警備隊の船舶に護衛されながら、食料や水などの物資を運ぶためアユンギン礁へ向かっていたところ、中国艦船に妨害され放水銃を撃たれたという。
中国艦船の危険な行為を受け、2隻目の補給船は物資を降ろすことができず、任務を完遂できなかった。フィリピン軍は「乗組員の安全を無視し、国連海洋法条約などの国際法に違反する」などと批判している。