川崎重工は7月、岸田総理の外遊に同行し、石
油会社最大手「ADNOC」との間で水素の供給で協
力していく契約を結びました。
川崎重工 水素戦略本部 山本滋副本部長:「U
AEで作った水素をどうやって世界各国に運んでいく
か。作っただけではやはり水素社会は実現できませ
ん。運んで需要地に持って行く。そこのところで我
々が貢献できる。液化水素運搬船、それは彼らもす
ごく期待している」
世界屈指の産油国として知られるUAEはいま、国
を挙げて脱炭素に取り組んでいます。
砂漠地帯には太陽光パネルが敷き詰められ、そこ
で生まれた電力から水を分解することで、水素を大
量に製造できる将来性があると言われています。
欧米や中国も次々と事業に参入し、水素開発競争
の様相を呈しています。

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「(水素関連の)技術でリードしてきた日本が(今後
も)主導的役割を果たしていきたい」。25日、東京都
内で開かれた第6回水素閣僚会議後の記者会見で西村康
稔経済産業相はこう強調した。
燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しない水素に対
する期待は大きい。液化天然ガス(LNG)を使用する
火力発電での混焼や、製鉄で還元剤として使うコークス
の代替、燃料電池分野での関連技術の早期実用化などが
期待されている。
会議では、30年までに全世界で1億5千万トンの水
素需要を創出し、このうち9千万トンは再エネ由来の低
炭素水素などによる供給を目標として打ち出した。
水素戦略の国際競争激化 西村経産
相「日本が主導的役割を」
東京GXウィークの開幕に際し、記念撮影に応じる参加国の閣僚ら=25日、東京都千代田区(永田岳彦撮影)
水素の活用と普及拡大に向け、主要国が巨額の投資策を相次いで発表するなど、国際的な競争は激化している。
2017年に世界初の水素戦略を策定した日本は引き続き、この分野で先行していきたい考えだ。脱炭素化と安定供給の両立も課題で、製造段階で大量に必要となる再生可能エネルギー由来電力の確保策など、海外も含めたサプライチェーン(供給網)の構築も問われる。
「(水素関連の)技術でリードしてきた日本が(今後も)主導的役割を果たしていきたい」。25日、東京都内で開かれた第6回水素閣僚会議後の記者会見で西村康稔経済産業相はこう強調した。
燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しない水素に対する期待は大きい。液化天然ガス(LNG)を使用する火力発電での混焼や、製鉄で還元剤として使うコークスの代替、燃料電池分野での関連技術の早期実用化などが期待されている。
会議では、30年までに全世界で1億5千万トンの水素需要を創出し、このうち9千万トンは再エネ由来の低炭素水素などによる供給を目標として打ち出した。
脱炭素化に有効な水素だが、利用拡大に向けた最大の課題は製造コストだ。水素の供給価格は1立方メートルあたり100円で既存の燃料の10倍以上のコストとなっている。政府は今年6月に改定した水素基本戦略で、30年には供給価格を3分の1の30円に引き下げ、40年には供給量を現状の200万トンの6倍の1200万トンにする目標を掲げるが達成は決して容易ではない。
製造過程でCO2を排出しないグリーン水素の調達も課題だ。脱炭素化との両立では、水素を製造する水電解で化石燃料を燃やす火力発電由来の電源ではなく、再エネ由来の電源が必要となる。
ただ、国内では太陽光発電や陸上風力発電は一定の普及が進み、将来的な適地は乏しい。海外の再エネ電源から製造されるグリーン水素を専門の運搬船などで輸送することも今後の検討課題だ。
安定した水素サプライチェーン構築のため、各国政府や外国企業との具体的な連携も詰める必要がある。(永田岳彦)
砂漠は水素の宝庫?“産油国UAE”と“技術国日本”がタッグを組む「運搬船」【SDGs】
All Nippon NewsNetwork(ANN)
テレビ朝日は「未来をここから」プロジェクトの一環で気候変動問題などSDGs企画をお伝えします。22日のテーマは「気候変動に具体的な対策を」です。中東の産油国とタッグを組む世界初の日本の水素技術についてお伝えします。
次世代エネルギーとして注目される「水素」を運ぶ船。タンク内をー253℃に保つ世界初の技術により、水素を体積が小さくなる液体にしたまま、大量に輸送できると期待されています。
こうした水素技術を巡り、日本政府が前面に立つ形で協力関係を強化しているのが、UAE=アラブ首長国連邦です。
川崎重工は7月、岸田総理の外遊に同行し、石油会社最大手「ADNOC」との間で水素の供給で協力していく契約を結びました。
川崎重工 水素戦略本部 山本滋副本部長:「UAEで作った水素をどうやって世界各国に運んでいくか。作っただけではやはり水素社会は実現できません。運んで需要地に持って行く。そこのところで我々が貢献できる。液化水素運搬船、それは彼らもすごく期待している」
世界屈指の産油国として知られるUAEはいま、国を挙げて脱炭素に取り組んでいます。
砂漠地帯には太陽光パネルが敷き詰められ、そこで生まれた電力から水を分解することで、水素を大量に製造できる将来性があると言われています。
欧米や中国も次々と事業に参入し、水素開発競争の様相を呈しています。
UAEの潤沢なオイルマネーを背景に進むこうした動きに、日本政府も技術開発やビジネス展開につなげたいとして、日本企業を後押ししているのです。
川崎重工 水素戦略本部 山本滋副本部長:「2050年にはLNG(液化天然ガス)から水素に変わって液化水素運搬船が往来している世の中になる。それで脱酸素に貢献できるんじゃないか」
この液化水素運搬船は、7年後の2030年の実用化を目指しています。
日本は、水素が「脱炭素の鍵」になるとして、2040年には今の6倍となる1200万トンの活用を目標にしています。
UAEから石油だけではなく、この運搬船で水素を輸入する日も近いかもしれません。