最近グローバリゼイションが大流行で、国などない方がよいという人間もいるが、一方では国が大切だという人も多い。先日発表された内閣府の「社会意識に関する世論調査」によると、愛国心が強いという答えが前年に比し約5%増え、57.0%と過去最高になった新聞が報じていた。
国益に対する国民の関心も愛国心と同じように増えているものと思う。国益という観点で世界を見ると、世界中の国が夫々の国益をめぐり熾烈な情報戦を繰り広げている現実がある。そこで国益とは何かを考えてみたい。
国益と言っても国によって違いがある。共産党一党独裁のシナ・中共においては、国益とは共産党及び党の権力者の利益のことである。しかし表面的にはマスコミを使いあたかも国民全体の利益であるように国民を洗脳するのである。プーチンのロシアも事情は同じである。
アメリカはどうであろうか。民主主義が建前の国であるから、国益はアメリカ国民の利益ということである。しかし実情はどうであろうか。極端な格差社会であるから国民の利益といっても、どの階層の国民の利益か分からない。
うがった見方かもしれないが、アメリカの国益とはごく一握りの所謂「 国際金融財閥」 と称される一団の利益なのに、それがいかにもアメリカ国民全体の利益であるかのごとく、彼らの支配下にあるマスコミが国民を洗脳するのである。
日本の場合はどうであろうか。日本は民主主義の国であり、アメリカのような強大な財閥も居ないし国民の間の格差もアメリカほどではないので、国益は国民大多数の利益であるといえる。ところがこれに異を唱えるものがいる。
日本の代表的新聞の朝日新聞である。先日、NHKが海外向けに流す国際放送をめぐり、NHK経営委員会の古森重隆委員長が「日本国民の立場に立って国益を主張すべきだ」と発言したところ、これに対して朝日新聞が3月26日の社説で「NHKは国の宣伝機関ではない」「政府の見解を放送すれば国益にかなうと古森氏が考えているとしたら、あまりにも短絡的だといわざるをえない」と批判した。
さらに古森氏に対し「NHKの経営トップとして適任なのか、ますます疑わざるをえない」と委員としての資質に疑問を呈した。さらに追い討ちをかけ、3月31日の参議院総務委員会での古森氏と野党議員のやりとりを取り上げ、古森氏に批判的報道を行っている。民放連の広瀬会長(テレビ朝日会長)も「狭い意味での国益中心の報道は私たちの手に負えない」とNHKの国際放送への出資協力に難色を示している。
NHKの国際放送の目的は何であろうか。日本国民全体の為に、海外に向けて日本の本当の姿を伝え、誤りや誤解のあるものはこれを正す努力をすることだと考える。国際的に対立のある問題についても、日本の立場を主張するものでなければならない。
しかし朝日は次のごとく反論する。NHKの国際放送は「国益を報じてはいけない」「国民の大多数の立場に立った意見を報じると『国の報道機関』となる」と朝日は論じるのである。これに対して国民の税金と受信料を使っているNHKの性格からすれば、国益を踏まえた報道はNHKとして当然の仕事だという識者も多い。
経営委員会の議事録を見るとNHKの内部にも問題がある。今井副会長は「NHKの放送では日本の立場を直接主張するということはない」と述べている。これに対し日本と他国の間に問題が起こった時、日本も正しい、その国も正しいと両方の意見を述べるのかと古森委員長が念を押すと「その通りです」と答えている。
竹島や尖閣諸島、北方領土など他国が領有権を主張している安全保障上の問題を歴史的経緯まで無視して相手の主張と日本の主張を並列に並べて報道する、それが公正な報道だというのだろうか。国民の税金と受信料を使って行う公共放送であれば、国益を踏まえた報道は当然である。
世論と合致するのであれば、日本のプラスとなりマイナスにならないことを主張するのは国民も望んでいるものといえる。
朝日は国益を彼らがよく言う偏狭なナショナリズムと同一視して非難しているようである。彼らの思考構造を推測すると次のようなことではないかと考える。彼らは自分たちがエリートで一般大衆と違うと考えているようだ。
一般大衆は馬鹿で、その時の流れに押し流される。戦前がそうだったように、日本は神の国で負けるわけがないとあの無謀な戦争にのめりこんでいった。そのような悲惨なことは二度と起こしてはならない。そのためには我々朝日新聞が馬鹿な国民を正しく導いていかねばならない。
それが我々報道に携わるものの使命であり大義である。そのような大義のためには嘘をついても許される。そうして性懲りもなく嘘報道を繰り返すのである。朝日新聞が広めた南京百人斬り、従軍慰安婦等の虚偽報道もこの思考構造の延長上にある。
戦後朝日はこの誤れるエリート意識と悲惨な戦争経験に取りつかれ、日本の世界に優れた誇るべきところは出来るだけ報道せず、日本の悪い点をあることないこと拡大して報道してきたのである。そしてそれがシナやコリアに評価されると、一般の日本人と違い我々はあなたがたの味方であると卑屈に彼らに媚びへつらってきたのである。
そんな朝日新聞であるが、戦後アメリカ占領軍に上手く取り入った為か日本で一番権威のある新聞となり、彼らが考える馬鹿な一般大衆を洗脳し続けてきた。その結果、戦後の日本人、特に朝日新聞の読者は「日本は悪いところばかりで世界に誇るべきものなど無い、特に戦前そして戦争中は悪いことばかりした」と自虐的日本人になっていった。
日教組の影響もあり先生が駄目になり、その結果日本の若者は自分の国に誇りをもてない情けない人間になっている。
国益の中でも最も重要なものは国民の生命・財産を守ることである。北朝鮮による拉致事件はこの国益が損なわれた典型的事例であった。この事件に対し朝日新聞は終始北朝鮮をかばい、拉致そのものを否定してきた。
将軍様がこれを認めた後でも歯切れの悪い対応だったが、いつの間にか拉致報道を日本で最初にしたのは我々であったなどと全く謝罪・反省がない鉄面皮ぶりには呆れてしまったことを覚えている。NHKの国際放送をめぐる報道を見ながら、改めて朝日新聞に国益を論じる資格があるのかを考えさせられた。
朝日新聞には一日も早く鼻持ちならぬエリート意識を捨て、まともな報道機関に生まれ変わってもらいたいと切に願うものである。(文責 大谷)
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