4月21日、大型原油タンカーが中東イエメン沖で、海賊から攻撃され、被弾しました。日本海軍から守ってもらえない、日本のタンカーは逃げ回って、なんとか難を逃れたそうですが、もし、沈没またはシージャックされていたら、と思うと、極めて事態は深刻です。
問題は、我が国の石油輸入経路が現在、きわめて危険な状態にあるにもかかわらず、シーレーンを守るために自衛隊が出動できないという異常事態を、政治家もマスコミもほとんど問題にしない、ということです。
このシーレーンの危険の増大に対して一貫して警鐘を鳴らしてこられたアメリカ在住の北村淳先生から、次のようなメールをいただきましたので、ご本人の了解を得て転送します。(江崎)
【アメリカ在住の北村淳氏より】
日本郵船のタンカーがイエメン沖で被弾した以上、アラビア海に出動中の海自補給部隊の駆逐艦は現場海域に急行して、「今後は日本船に対する海賊・テロ行為は断固として許さない」との示威的プレゼンスを示さなければ、海上自衛隊は海軍としての面子を国際社会で失います。
ちょうどホノルルで、今回のタンカー攻撃事件の前にソマリア沖で発生していたフランスの豪華ヨットが海賊に乗っ取られた事件を追跡分析していたのですが、海自の給油先の多国籍海軍部隊が追跡監視に当たり、身代金を払って人質が開放された後に、フランスは特殊部隊を投入し海賊を逮捕してしまいました。逮捕された六人の海賊は、フランスで裁判にかけられ最高無期懲役が科せられます。
何も表立った行動を起こさない日本政府は、国際社会の常識からは、やはり異常であるとみなさざるを得ません。また海軍的見地からは、やはり海賊とテロとの関連は捨てきれません。日本のタンカーを攻撃して日本「海軍」がなんらのアクションを起こさなければ、徐々に攻撃はエスカレートしていく可能性があります。テロ組織と関係があるといっても、なんといっても海賊は海賊で手ごわい相手には手を出しません。このような、小さなタンカー攻撃事案でも、原油市場には影響が出たとのことです。
したがって、私が警告していたように、ついに日本のオイルシーレーンが直接攻撃を受ける事態に立ち至った以上、拙著『海の生命線――日本に原油・天然ガスが届かなくなる日』のシナリオが着実に進行中と考えなければならないでしょう。即刻、自衛権の発動としてのシーレーン防衛措置を実施しなければなりませんが、もちろん特措法などは必要ありません。
防衛省・海上自衛隊が自衛権発動措置としてのシーレーン防衛のための遠洋出動というような事態に備えていたならば、既存のシナリオに基づいて艦艇を派遣すれば良いわけです。
日本のタンカーが現実に攻撃されて、なおかつ米海軍や多国籍海軍に日本のシーレーンやタンカーを護衛してもらうことを期待するようでは、独立国としての誇りを自ら捨て去ることになります。
国際社会から脱落して相手にされていない福田政権には期待できませんが、断固たる姿勢を示さないと、日本は海賊にも馬鹿にされる三等国になってしまうでしょう。
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