当時の池田総理は所得倍増論を掲げ国民に希望を与えました。いま、日本に必要なのは、大まかでもよいから希望のある日本の将来像をリーダーが提示し、国民に希望を与え国民をその気にさせることではないかと思います。
オーケストラは多くの練達の演奏者をまとめてシンフオニーのような複雑な音楽を聴衆に聞かせてく
れます。オーケストラの中でもっとも大切な役割が指揮者です。指揮者はすべての楽器を誰よりも上
手に演奏できるわけではありません。
楽譜をもとにしながら、各演奏者に指揮者独自の曲の解釈を徹底させ、その指揮者独自の音楽を作り上げて行くのです。政治のリーダーの役割はこの指揮者のそれにあたるのではないかと思います。
いま、我々が政治のリーダーに望んでいるのは何であるのか考え、33号を書いてみました。ご高覧
下さい。(UNKの会事務局 大谷 和正)
今、政治が求められているものは?
国民は何を望んでいるのか
アメリカ発のサブプライム問題に端を発する金融危機により、世界経済は混迷を極めている。比較的影響が少ないだろうと思われていた日本も例外ではなく、株価の下落率はアメリカを上回り、先の見えない将来への不安が広がっている。
そんな時、日本の政治は経済同様、混迷の極みといってもよい。野党は一日も早い総選挙で民意を問えと政府に迫るが、一方、麻生総理は当面の景気回復こそ国民の望みであり、解散総選挙より景気回復に全力を尽くすと言っている。
しかし、本当に国民が望んでいるのは目先の景気回復や総選挙なのであろうか。先行きの不透明感・閉塞感から抜け出せるような明るい将来の目標・希望をリーダーが掲げてくれるのを心の中で期待しているのではないかと思う。
今は苦しいけれど、日本にはこのようなチャンスがあり、国民が力を合わせ目標に向かって努力すれば、明るい未来が待っていると国民に明快な目標を提示し、希望を与えるのがリーダーに、今、課せられた責務なのである。
現在が日本にとってチャンスではないか
日銀の統計資料を見ると、日本の個人金融資産は株や証券の割合が少なく貯蓄等の現金の割合が大きく、世界で最も金持ちなのだそうだ。世界は金融恐慌による資金不足で今や、日本の個人が持っているお金に熱い視線が向けられている。
そのうちに世界中がこの資金を目指して日本に集まってくると金融の専門家が述べている。そうであるならば、これを利用して日本が金融においても世界のリーダーシップを取れるチャンスなのではないか。
後になって冷静に考えれば破綻するのが当たり前のサブプライムローンのようなものが、金融自由化の掛け声の下でまったく規制もなく売り出される金融グローバリズムの仮面をはぎ、正常な金融秩序、モラルの回復を主導できるのは日本でなければならない。
さらにドル基軸通貨の制度も見直すべき時期になっている。現在の状況であれば、この重大な問題にも日本は相当の主張が出来、ある程度の主導権をとれる可能性がある。
しかし残念なことに日本の政治家はこのチャンスに本気になって動こうとはしていない。国内の瑣末な問題に一喜一憂し、このような世界規模の視点が政治家にかけているのは、日本の国益上も残念なことである。
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