政府が皇室チャンネル開設

　もしこの指摘が事実であるとすれば、皇室という我が国の根幹にかかわる問題について、日教組に配慮して意見をとりまとめることができないということになり、誠に残念でなりません。

　廃案となったことを受けて先週末、天皇陛下御即位二十年奉祝国会議員連盟は臨時役員会を開催し、民間の奉祝委員会などから強い要望があることを踏まえ、改めて選挙後の特別国会成立に向けて民主党と協議をする方針を決定したと、聞いています。

●政府・各省庁あげて御即位二十年をお祝い

　一方、行政サイドは、かつてないほど熱心に、御即位二十年奉祝事業に取り組んでいます。

　去る5月19日、河村官房長官は、一府八省二庁が行う記念事業を公表し、その概要を、首相官邸のホームページに掲載しました。http://www.kantei.go.jp/jp/gozaii20/index.html

　全部で、56事業と15冠行事で計71事業〔内閣府と、文部科学、総務、外務、厚生労働、農水、環境、国土交通、防衛各省と、宮内庁、海上保安庁〕にのぼります。

　なかには、一般の方々も参加できる記念事業がありますので、是非ともアクセスしてみてください。

　ちなみに、十年前の御即位十年の際は、一府八省二庁〔総理府と、大蔵、文部、厚生、農水、運輸、郵政、建設、通産各省と、環境庁、宮内庁〕で、41事業と８冠事業で計49事業ですので、ほぼ倍の記念事業が実施されることになります。しかも、御即位二十年をお祝いする記念事業を事前に官邸のホームページで紹介するのは初めてのことです。

　さらに、6月16日、政府インターネットテレビに「皇室チャンネル」を開設しました。
　　http://nettv.gov-online.go.jp/prg/ch_40.html?t=36

　この「皇室チャンネル」では、本年11月12日に予定されている政府主催の「天皇陛下御即位二十年記念式典」において上映される映画『天皇陛下　御即位から二十年』（26分）を見ることができます。

　天皇陛下がこの二十年間にどのようなことをなされたのか、丁寧に説明した映画ですので、是非ともご覧ください。特に皇室祭祀のことについて丁寧に紹介している点が素晴らしいと思いました。若い人たちはネットで情報を得ますので、ネットを活用して政府が御即位二十年のことを広報している点は、大いに評価すべきだと思います。

　残念なのは、日本のマスコミが、政府・各省庁のこうした取り組みをほとんど紹介していないことです。

　皇室祭祀といえば、宮内庁は三の丸尚蔵館において、御成婚50年・御即位20年記念特別展「両陛下－想い出と絆の品々」を7月11日から始めました。
　　http://www.kunaicho.go.jp/20years/sannomaru/sannomaru.html

　この特別展では何回かにわけて、大嘗祭や年間の皇室祭祀に関する品々も順に展示し、天皇陛下が日々、国家・国民のために祈りを捧げていらっしゃることを詳細に紹介する方針です。是非ともご覧になることをお勧めします。

　ちなみに、小林よしのりさんの『天皇論』（小学館）は18万部を越えたとか。この『天皇論」では、昨年12月19日、東京で開催された「天皇陛下御即位二十年奉祝中央式典」での、日本身体障害者連合会の小川会長、沖縄県遺族連合会の座喜味名誉会長のご挨拶も丁寧に紹介してくださっています。

　若い人たちに、皇室のことを理解していただく入門として大いに活用したいものです。私も、中学生の息子に読ませています。

●地方議会や公共団体も熱心な取り組み
　
　地方でも活発な動きが出てきています。

　総務省が5月19日、各都道府県知事、各政令指定都市市長あてに、総務事務次官通知「天皇陛下御在位二十年慶祝行事について」を出しました。

　この通知には、「本日、内閣官房長官より総務大臣に対し、別紙のとおり天皇陛下御在位二十年慶祝行事の地方公共団体への周知等について通知がありました。貴都道府県においては、この趣旨を踏まえ、国民の祝意の機運を高めるための取り組みについてよろしくお取り計らい願います。

なお、貴都道府県内市区町村に対しても周知方よろしくお取り計らい願います。」とあり、地方公共団体に対して、御即位二十年をお祝いする取り組みをするよう求めました。

　この通知を受けて、地方議会では事務局調査によれば、秋田、神奈川、新潟、富山、石川、岡山、広島、福岡、長崎、宮崎の10議会が、天皇陛下御即位二十年をお祝いする賀詞を可決しています。（賀詞についての情報がありましたら、是非ともお知らせください）

　ご参考までに、石川県議会の賀詞を以下に掲げます。

石川県議会（６月15日）
　　　賀　詞
　天皇陛下におかせられましては本年御即位二十年をお迎えになられ　まことに慶賀にたえないところであります
　天皇陛下　皇后陛下の万歳をことほぎ　ここに石川県議会は県民とともに謹んでお祝いを申し上げます

　総務省通知と議会の「賀詞」決議、そして民間の要望を受けて、地方公共団体として祝賀行事に取り組もうとしている都道府県も出てきています。

　たとえ政治が混迷しようとも、国家の機軸はしっかりと守り抜かなければと思います。
　是非とも、全国各地での奉祝運動の情報などを、お知らせください。