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ジエンダ―の定義とその見直しについて

1、ジェンダーの定義について 

アメリカにおいて、フェミニズム論が破綻したことについては、前に触れましたが、わが国においては、どのような経緯で男女共同参画基本法(平成11年)が成立していったかについて触れてみたいと思います。

また、現在、男女共同参画局は、ジェンダーフリーという用語は使用されていないと答弁していますが、この用語が、全国の自治体、教育界において、「基本法」の成立前から浸透していることに注目していただきたいと思います。

ジェンダーフリー推進者は、「ジェンダー」を如何に定義するのかを数十年以上かけて戦略を練ってきました。

平成7年の国連の第4回世界女性会議で採択された北京宣言「すべての政策、計画の中心に、ジェンダーの視点を据えること、政府の中に推進のための機構を設けること」が新たに設けられたことが、大きな転機となっています。

しかし、この宣言には、60カ国以上の各国代表が、その内容に関する意義を申し立てています。アメリカなどは批准していません。

この北京宣言を利用して、平成8年、男女共同参画審議会が答申した「男女共同参画ビジョン」にはジェンダーを「文化的・社会的に形成された性別」と定義しています。

この定義が決定される背景を大澤眞理氏が著書「男女共同参画社会をつくる」(NHKブックス)に言及していますのでそれを紹介したいと思います。

平成8年6月1日の男女共同参画審議会第17回総会では、答申の「性別(ジェンダー)に縛られず」という個所の草案について、それぞれの基本的な考え方の相違を付してA~Cの三つの修正案が用意されたました。

※総会でのジェンダーの定義をめぐっての論争について
……………………………………………………………………………………
A案:男女の特性(男らしさ・女らしさ)を前提とせずに男女平等の実現を目指す立場  ※「ジェンダー」からの解放(ジェンダーフリー)を志向する方向性を表現する案

B案:男女の特性を是認した上で、男女平等の実現を目指す立場。 

C案:生物学的機能に差があるのだから社会的役割に違いがあることは当然であり、それは差別ではないとする立場です 
※これは、「ジェンダー」の意味するところが必ずしも社会に定着していない段階では、問題の所在を、性別に基づく固定的な意識、慣習、慣行に限定し「ジェンダー」という用語を使わずに表現する案
……………………………………………………………………………………

その審議の結果、ジェンダーからの解放を志向するA案が採用されました。

つまり、ジェンダーの定義を「文化的・社会的に形成された性別」と総会において決定し、ジェンダーからの解放を志向することを確認しています。

地方において、このジェンダーフリーが頻繁に使用されているのは、ここにおける決定が、フェミニストによっと、全国に普遍化されていった
からです。

さらに、ここで決定したジェンダーの定義を彼らは男女共同参画基本法に盛り込むべく画策していることが、男女共同会議・第4回基本法検討小委員会(平成10月3月23日)の議事録で明らかです。 

……………………………………………………………………………………男女共同会議・第4回基本法検討小委員会(平成10月3月23日)の議事録 

委員長 古橋源六郎(国家公務員共済組合連合会理事長)
委員長代理 寺尾 美子(東京大学教授)

○委員長代理 社会的・文化的に形成された性別という言葉を使う案では、それは 何だという人が多分出てきますよ。これをくっつけることによって何かカモフラージ ュをする。

○委員長 そちらの方は今まで何度もみんないっていますからね。社会的・文化的に形成されたというのはいろいろいっていますからね。

○委員長代理 ただ、社会的・文化的に形成された性別といって、これがおかしい とは言ったりはしませんか。

○委員 これはジェンダーの公式訳なのです。

○委員長代理 だけれども、ジェンダーという概念そもそもを認めることなのですよね。そういう概念を認めるところから、ある意味ではフェミニズムは出発しているわけですよね。だから、それをこういういい方をすることを認めるということは、ある立場をとるということなわけで、そこをかぎつけてしまわれると、むしろ、こっち に引っ張って、ここで議論してもらって、 ………(略)………

△事務局 この言葉が、法制的にこのまま通るどうかは私は全然自信がございません。「社会的・文化的に形成された性別」というのは一度もかけていませんから。これでは少し意味が分からないとかいろいろ言われて、この文言では通らないと思います。  ………(略)………

○委員長 これが分からなかったらどうしようもない。

△事務局 ただ、法制的に説明できることを考えませんと…(略)……

○ 委員長(文化的・社会的に形成された性別が)通らなかったら、俺たちは何のためにこうやって一生懸命やっているのか。

△ 事務局 場合によっては性別だけになるかもしれないと思います  ………(略)……… ○

○委員長 「性別による偏り」だったら全然意味がないわけでしょう。社会的・文化的に形成されたというのだったら、性別による偏りといったら、性別の中にいろんな概念があって、性的な性別による偏りがないというふうにみるのか、社会的・文化的形成された性別かと。まさに我々がやっているのは社会的・文化的に形成された性別というところがこの問題点の出発点でしょう。意思決定への参画ということは、機会均等というのは。

○ 委員長代理 ここが分かったといったら、これは基本法大賛成というふうになるということなのです。これを分かってくれよというのはそういうことなのですよ。それをうんと言ってくれない限り、ある意味で試金石といいましょうか。

○ 委員長 だけれども、条約の中でもこういう文章はないのですか。

△ 事務局 条約にはありません。

○ 委員長 国際的条約にも。

△ 事務局 はい。

……………………………………………………………………………………

しかし、男女共同参画社会基本法には、ジェンダーの文言は採用されずに、単に「性別」という文言が採用されています。

それは、ジェンダーの定義としての「文化的・社会的に形成された性別」という文言では「基本法」として成立できないと判断したからです。

ジェンダーは欧米においては「性別」と訳されていますし、条約や国際法においても、「文化的・社会的に形成された性別」と定義されておりません。

また、先ほどの議論の中で明らかなように、委員長代理は「性別」だけになるかもしれないといい。古橋源六郎委員長は、このジェンダーの文言が入らなかったらなんのために議論したのかわからないと、ため息をついていました。

戦略上、男女共同参画基本法案を採択させることを第一義としたためか、そのジェンダーの文言は明記されず、基本法には「性別にかかわらず」との文言で、当初の考えより後退しました。

だが、基本法前文の「この性別にかかわりなく」の文言の解釈として、
「文化的・社会的に形成された性別」と定義しています。まず、「基本法」を成立させたうえで、その定義を跡付けているのです。

フェミニストの強い自治体では、男女共同参画基本法の成立以前から条例案を準備しています。それは「基本法」の成立と同時に、地方の条例案が成立していることからも明らかです。

ここに、男女混合名簿、ジェンダーチェック、過激な性教育などのジェンダーフリー思想が教育界に登場することとなりました。

また、少子化対策として、女性の社会進出を促す為の、長期保育を促進し、ひいては「3歳児神話を否定」し、専業主婦への税金が特別控除されていましたが、それが廃止されるなど、「母性の否定」が強調されるに至ったのです。

ここに、家族解体をもくろむ彼らの意図が鮮明です。その被害者はいうまでもなく、子供たちなのです。


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