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教育基本法成立過程の真相-占領軍の間接支配の実態2

それでは、教育基本法の制定におけるGHQkの間接支配について見ていきたいと思います。

◆(3)GHQの間接支配――教育基本法作成のシステムはいかに形成されたか

 そこで、当時の占領政策全体の中で、教育に関する政策が、どのように決定され具体化されたのかを概観してみたい。ハリー・レイ教授の「占領下の教育改革」によると、その決定過程は、次のような四点に示されている。

イ、GHQ民間情報教育局(CIE)は、教育改革の全計画を指導・監督する。

ロ、米国教育使節団の報告書を「あらゆる教育改革の基礎」とする。

ハ、教育刷新委員会にはかる案件は、全て事前に「上級舵取り委員会」を通す。

ニ、文部省は、上級舵取り委員会、舵取り委員会などを通じて「GHQが承認した」教育刷新委員会の提案を法律にする。
 

以上のことを、教育基本法制定の構図として整理してみると、次のようにまとめることができる(左図参照)。


 まず第一段階に「GHQ・米国教育使節団」があり、そこで作成された「報告書」が、戦後の教育改変の基礎となった。

 次に第二段階は、この報告書の内容を具体化していくために、まず「上級舵取り委員会(Higher Steering Committee)」が設置され、GHQ民間情報教育局(CIE)と教育刷新委員会と文部省との三者によって構成された。ここで「上級」という名が付いているのは、政治的に微妙な判断をしなければならないものをここで決定するという趣旨である。

 そして、第三段階は、「上級舵取り委員会」の下にある「舵取り委員会(Steering Committee)」の段階である。これも「上級舵取り委員会」と同様、三者によって構成された委員会であるが、GHQから来たもの、また教育刷新委員会、文部省から上がってきたものの取りまとめを、この「舵取り委員会」が行い、小さいものも含めて必ずここを通さなければならないという仕組みを作ったのである。

 さらに第四段階は、日本人四十九人によって構成された「教育刷新委員会」の段階で、教育基本法の法案はここで審議された。その際、CIEの意向が反映された「舵取り委員会」の決定事項に従って審議され、その法案は、日本側が元々考えていたものから大きく変容せしめられる結果となったのである。
 最後に第五段階は、「教育刷新委員会」が審議・作成した教育基本法の法案を、文部省が、政府の責任において、制定するという段階である。

 教育基本法の制定は、このように「舵取り委員会」を通して、CIEの強い影響を受けていたのであるが、そのような中にあって、日本側の委員は「教育刷新委員会」の審議をどのように受止めていたのであろうか。当時、舵取り委員会の委員であった大島正徳氏(図表参照)は、教育刷新委員会の中で次のような発言をしているのである(『教育刷新審議会会議録』十三巻)。

「この(教育刷新)委員会は自主的なものであって、我々はこの(教育刷新)委員会が決めることは文部省の指令に依るものでなく、又司令部の指令に依ってやるべきものでもなく、全くオートノマス(自律的)にやるべきだが、(教育刷新)委員会に正式に議題にする前に、先ずこのステアリングコミッチー(舵取り委員会)で相談して、これは議題にするが宜いかどうかを考えなければならぬ」

「この(教育刷新)委員会で過去のことを聴くのは差し支えないが、(教育基本法など)これからのプランを(文部省に)聴く時はこのステアリングコミッチー(舵取り委員会)に先ず出さなければいけないということになりますから、御聴きになるにしても、その辺の所を余程上手にやって戴きたいと思います」

「司令部から色々案を出すに付いても、直接この(教育刷新)委員会に出さず、このステアリングコミッチー(舵取り委員会)を通して出すそうであります。(中略)総会において決まったことは、ぜひステアリングコミッチー(舵取り委員会)を通して我々(民間情報教育局)の方に報告してもらいたいということでありました」

 GHQは、教育に関しては、自分たちの考え方を直接命令するということはしなかった。ここが憲法の制定と大きく異なる所である。しかし、GHQの考え方を「舵取り委員会」を通して伝えることによって、押し付けでない形で、「教育刷新委員会」を間接支配していた。占領軍は、実に巧妙なやり方で、教育基本法に対して指令をしていたのである。教育基本法の制定の実態について、どちらかと言えば、リベラルの立場にある国立教育研究所教育史料調査室長の佐藤秀夫氏は、『教育刷新審議会会議録』第一巻の「解説」において、次のように記している。

「この(舵取り)委員会は頻繁に開かれ、教育刷新委員会を中心とする日本側の改革案とGHQ側の改革構想との連絡・伝達・協議・調整などが進められた。(中略)CIE(民間情報教育局)教育課の職員が直接に日本側知識人・教育関係者などから意見を徴し、文部省担当官を呼び付けて指示するなどのほかにも、公的ルートとしていくつかの層にわたるSC(舵取り委員会)を設けて、間接統治体制下での占領軍政策意図の浸透が図られたのであった。このSC(舵取り委員会)は、したがって『連絡委員会』という公式訳語の語感を超える重要な機能を果たしたのであった」。

 佐藤氏が述べているように、日本側では「舵取り委員会」を「連絡委員会」と訳し、その実態がカムフラージュされた訳語が、通称用語として用いられていた。ところが、アメリカ側では、英語で「ステアリング・コミッティー(Steering Committee)」、文字通り「舵取り委員会」で通っていたわけである。こうして日本人に対しては、自主的に教育基本法を作成し制定したと思わせ、現実には「連絡委員会」いう日本側の公式訳語の語感を遥かに超える重要な機能を、「Steering Committee(舵取り委員会)」において発揮させていたのである。このことを文部科学省の研究機関の調査室長が述べていることは、重要な指摘であると言ってよい。

(4)戦後六十年
   ――占領遺制から脱却し得ない理由


 教育に関する占領政策を考えた時、教育刷新委員会が、日本人のみで構成されていたため、南原東大総長の発言のように、日本人の主体性に基づいて教育基本法が作成され制定されたと言われてきたが、それは全く事実に反する嘘であったと断言し得る。

 南原氏は「上級舵取り委員会」「舵取り委員会」「教育刷新委員会」の三委員会に関係し、その間の事情を知り尽くしていたにもかかわらず戦後の言論界では「その間、一回も総司令部から指令や強制を受けたことはなかった」と言い続けてきた。教育基本法による戦後教育の混乱を考えれば、氏の罪は深い。

 占領軍は憲法の場合、「英文憲法」を性急に作成して、それを政治的に日本側に押し付けるというやり方を取ったが、教育基本法の場合は、あたかも日本人が自主的に作ったかのごとく、日本側に反発意識を抱かしめない形で、大変なエネルギーと手間と時間をかけて、作成・制定せしめた。教育基本法だけは、憲法が改正されても、永遠に変わらないようにしておきたいという占領軍の並々ならぬ意図を読み取ることが出来る。日本人が戦後久しく、占領遺制から脱却し得なかった理由がここにある。

 占領軍の政策は、日本人の精神を根本的に変えることを目的とした。その政策の遂行、延長線上に教育基本法の作成がある。このことについて日本人が覚醒しておくことは、戦後も六十年経てきている今日だからこそ大切なことなのである。教育基本法改正議論の中で、このことが欠落していることを日本人として深く自覚せねばならないと思うのである。

(本稿は、平成十六年二月に行なわれた日本青年協議会第三十回全国大会における講演を筆録・加筆訂正したものである)
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