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「国連」は福島原発事故をどう見ているのか?

「国連」は福島原発事故をどう見ているのか?

アンスケア(UNSCEAR)とは

 アンスケアは「原子放射線の影響に関する国連科学委員会」(註)の略称である。この委員会は国連の下部組織であるが、独立機関として1995年に設立された。世界27カ国から70~80名の原子力の専門家が集まり定期的に会合が開かれている。

委員会の目的は放射線の環境・人体への影響を調査し国連へ報告することである。これまで原爆の生存者の健康状況、チェルノブイリ原発事故の影響、産業界で起きた放射線による事故、医療現場での放射線治療に関連したもの等が報告されている。

 一昨年起きた福島原発事故についてのリポートが2012年5月の第59回セッションで纏められ、昨年12月の国連総会で承認されている。但しこのリポートは最終のものではなく引き続き検討され、2013年5月の第60回セッションで最終的なものになるとのことである。
アンスケア・リポートの内容

その内容は現在の日本人の常識とはかなり異なるもののようである。簡単に言えば、福島の原発事故は大した事故ではないというものである。原子力科学の専門家が長年にわたって主張してきたこと、即ち0.1シーベルト(100ミリシーベルト)以下の放射線被曝は大した問題ではない。

チェルノブイリ以来広く行われ、福島で今も採用されているLNT仮説による「低線量レベルでの漸増的な被曝による健康被害」の考え方は勧められないと述べている。その上、一昨年の福島の原発事故による識別可能な人体への影響はなかったと明確に述べている。

日本では一部の放射線医療の専門家達が同様な主張をしているが、マスコミはこれを完全に無視し、放射線は少しでもあってはいけないと不安を煽る報道を続けている。

日本経済新聞が報じたフォーブスの記事

 1月23日、弊通信・号外で紹介したが、同日付の日経電子版に「放射線と発がん、日本が知るべき国連の結論」というタイトルで月刊誌フォーブスの記事が紹介されていた。内容はアンスケア・リポートの紹介であるが次のように書いている。

●福島事故で「健康への影響なし」

 本報告書により、世界はようやく正気にもどり、人体に害を与えないことに無駄な時間を費やすのをやめ、実際に悪影響を及ぼす問題、そして本当に注意を必要とする人々に目を向けるようになるかも知れない。

(中略)重要なのは、通常の議論は短期間(一度)に強烈な放射線に被曝することを想定しており、同じ量を1年といった長い期間をかけて被曝した場合、影響はさらに小さくなることだ。

つまり一度に0.1シーベルトを被ばくすれば影響があるかもしれないが、年間で同じ0.1シーベルトを受けた場合は、慢性にしろ、急性にしろ認識できるような影響は一切ない。

大切なことは人体に影響を与えない程度の放射線量しか浴びていないのに、被曝の恐怖に怯えて暮らし、そうした不安に心身を苛まれている何万人という日本人をケアすることだ。また日本政府においては真剣に原発再稼働の準備を始めたり、国際原子力機関(IAEA)や米国政府からの改善案に耳を傾けることだ。

●浪費される膨大な資金

 現在、除染に費やされている膨大なムダな資金は、本当に危険な原発付近のホットスポットの除染に集中投資すればよい。0.1シーベルト以下の被曝に誤ってLNT仮説を当てはめたことによる経済的・心理的負担は、ただでさえストレスを感じている日本国民には著しく有害で、今後もそれを続けることは犯罪行為といえる。

当然ながら、年間0.1シーベルト以下では被曝量が2倍になっても発がん率は2倍にならない。人体への影響は全くない。

数百万人に上る原子力作業従事者を50年にわたり綿密に調査した結果、一般人の平均と比べて被曝量は数倍から10倍だったが、ガンによる死亡率は変わらなかった。

米国のニューメキシコ州とワイオミング州の人々の年間被曝量はロスアンゼルスの住人の2倍だが、発がん率はむしろ低い。LNT仮説が正しければ、こうしたことは起こらないはずである。

日本政府は真剣にこのリポート検討すべきではないか

 アンスケア・リポートの存在を日本政府が知らない訳はない。日本からも専門家がメンバーとして派遣されているから、内容は政府首脳へ報告されている筈である。首相官邸のホームページを見ると「東日本大震災への対応~首相官邸災害対策ページ」にこのリポートが紹介されている。

しかし、このリポートはあくまでもアンスケアの第59回会合時の予備的報告で2013年5月の第60回定例会合で行われる完成された報告をさらに検討し最終報告書としてまとめると書いてある。最終報告まで日本政府は黙って何もしないということらしい。まさに官僚的対応としか言いようがない。

現実に何万人という被害者が不安におののいて暮らしているではないか。一般の日本人への影響も予想以上に大きい。食品の規制値を見ても日本は異常である。

飲料水を例にとれば日本は10ベクレル/KG、これに対しアメリカは1200、EUは1000となっており、一般食品では日本は100、アメリカ1200、EU1250となっている。世界的に認められている食品中の放射能レベルはIAEAやアンスケアが数十年をかけた研究に基づいて1KGあたり1000ベクレルと決められている。

福島の事故後、国民の不安が高まっていることがメデイアで報じられた為、政府は不安を鎮めるため基準値を従来の半分にした。だが不安は収まらない為、さらに基準を下げて国際基準の1/10にした。それで国民が安心すると思ったのだろうか。当時の日本政府が正気だったとはとても思われない。

安倍新政権はその轍を踏まず、毅然としてアンスケア・リポートの内容を国民に説明すべきではないか。 (文責:大谷)

註)UNSCEAR(United Nations Scientific Committee on the Effect of Atomic Radiationの略)
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