「知事が進めるジェンダー教育を阻止！」

●
伊能◆私は長年ボランティア活動で青少年の健全育成に取り組んできました。三十二歳の時から十二年間、青少年相談員を務め、県の少年補導員、佐原市子ども会育成連絡協議会の副会長などを務め、常に子供と関わりを持ち続けてきました。

その中で平成十一年に佐原市議会選挙に出馬し、市議になり始めに取り組んだことは中学校の歴史教科書採択問題でした。千葉県下では、ぽつぽつと取り組まれていましたが、団体として取り組み始めたのは香取市が最も早かったです。

この歴史教科書の問題は、国会議員も含めて、真の保守であるかどうかをハッキリとさせましたね。

高木◆私の山田町（※２）では、初出馬する前二期は町議会選挙が行われませんでした。調整されたのか候補者が定数ぴったりしか出馬しないので、無投票当選だったのです。ですから、まず選挙が行われるようにすることが第一でした。

　そもそも我家は専業農家でしたから、私は私有財産制度がどうなるかに興味があり、高校時代にマルクスの『資本論』を読み始めました。しかしその内容はよく理解できなかったですね。

一方で特攻隊の方々の手記や『あゝ同期の桜』などを涙しながら読みました。その時は、なぜ感動するのか分かりませんでした。教科書問題が出て来て、やっぱり歴史教育が間違っていたと実感しました。

この問題を克服するために伊能氏らと共に平成十一年に「香取の教育を考える会」を立ち上げました。

　我々の地域では教科書採択について「教育委員会行政規則」というものがあり、旧香取郡市の一市九町のうちの一市八町が教育長に教科書採択の専決処分権（※２）を与えていました。

根拠は「教育委員会行政規則」にあったのですが、議員は誰もその事実を知らなかった。法律違反の規則が平気で作られて適用され、更には法律違反をしている認識も無かった。たまたま山田町だけが教育長に専決処分権を与えないような行政規則を作っていました。

　我々は香取市に合併した時に、第一原案に専決処分権を与える文言があることを事前に察知し、一市三町の教育長会議で法律通り与えないようにすることを決めてもらい正常化しました。

伊能◆採択にも拘わってくる教員についてですが、香取市の学校長は日教組上がりの方ばかりです。日教組の支部長をやらないような者は指導力が無いと見なされてしまうからです。

本来、保守的な考え方を持っている先生が多いのですが、学校現場での取り組みは日教組が指示を出した学校経営形態になっています。教科書採択の問題でも、教師の意見を聞いたことがありますが、ほとんど視点も価値観も持ち合わせていませんでした。

結局、誰かの指示に従っているような現状です。これまで同志を集めて各議会で質問をして教科書の是正に取り組んできましたが、今のところは二回の採択戦に負けています。しかし現在、対策の手を打っていますので次回は楽しみです。

●地方議員の力で知事の暴走を阻止

高木◆ジェンダーフリー教育の第一歩である男女混合名簿の導入について、山田町では、一般質問で止めました。千葉県では堂本暁子知事の下、教育長が行政組織を使って、働きかけた結果県下の七割以上の学校で男女混合名簿が使用されています。

山田町でも十四年一月に町内の中学校一校と、小学校五校の校長会で一斉に男女混合名簿にしようと、一旦は決定していました。その実態を知り、一般質問で明らかにし、再度校長会を開かせて、一年間延期させました。その間に保護者の理解が必要であるなど、色々な条件を出して、結果的に実現させませんでした。

　また私たちの取り組みの大きな成果は、千葉県の男女共同参画推進条例を止めたことです。十四年五月に広島の石橋良三県議をお呼びして勉強会を始めたのが反対運動の出発でした。問題点を学習し、県議に働きかけて、最終的には堂本知事が出した案を廃案にしました。

伊能◆宍倉清蔵千葉市議を代表に、自民党県連の関係者に働きかけましたが始めは、「教育問題は票にならない」と意識が低かったのです。資料を渡し、問題提起を重ねていって、ようやく県連の中に積極的なグループが出来ました。

その結果、堂本知事と議会で論戦になり、二回の継続審議の後、廃案に追い込んだのです。その後、ジェンダーフリーを盛りこんだ男女共同参画基本条例の再提案はなされていませんが、新たに障害者の人権という問題から、ジェンダーフリーを盛りこもうとしてます。これは注視しないといけない。

─　今後の抱負は

高木◆教科書問題を含む教育の正常化に取り組みたいと思います。また香取市は農村地域が多いので地域農業の振興に力を注ぎたいと思います。

伊能◆地方議員懇談会としては、全国の同志、地域の組織率をアップをしなければならないですね。我々が目指す所は、ある問題について国会、県会議員にプレッシャーをかけられるだけの大きな組織力を地方議員として持つことではないでしょうか。我々が扱っている問題は、国体を護持する国策問題が多い。だからこそ、地方議会から国会へと伝えられる数と力を持った組織でなければならない。それを目指して頑張りたいと思います。

註）
※１　山田町は平成１８年に香取市に合併。
※２　「地方教育行政の組織、及び運営に関する法律」には、教科書採択権は教育委員会の職務権限と明記されているにも拘わらず、教育長に専決処分権を与えていた。

地方議会から誇りある国づくり提唱シリーズ

?地方から「誇りある国づくり」の発信を（平成１７年４月１３日）
……藤崎よしのり会長（前墨田区議会議員）

?学校の情報公開から教育改革を（平成１７年６月１２日）
……犬伏秀一幹事長（大田区議会議員）
　　松浦芳子副会長（杉並区議会議員）
　
?教育正常化・拉致問題解決で国の建て直しを（平成１７年６月２５日）
……松原成文事務局長（川崎市議会議員）

?感動の教育から、良き日本の再建を（平成１７年１０月１８日）
……吉村辰明常任幹事（豊島区議会議員）

?誇りある市へ、市政の正常化を目指して（平成１７年１１月１３日)
……大西宣也監査（町田市議会議員）

?自律自尊の意識改革を地方議会から（平成１７年１１月２３日）
……上島よしもり常任幹事（世田谷区議会議員）

?異常なイデオロギーから行政・教育現場を守れ（平成１７年１２月１６日）
……渡辺　　眞常任幹事（日野市議会議員）

?地域から、日本の共同体を守れ（平成１８年２月１８日）
……島崎義司常任幹事（武蔵野市議会議員）

?立派な人材を育てる教育の実現を（平成１８年３月1７日）　
……栗山欽行常任幹事（狛江市議会議員）

?藤沢発、日本再生へ！ （平成１８年４月１６日）
……三野由美子常任幹事（藤沢市議会議員）

?教育基本法改正で教育現場、教科書はこう変わる（平成１８年６月１８日）
……栗山欽行常任幹事（狛江市議会議員）
　　三野由美子常任幹事（藤沢市議会議員）
　　松浦芳子副会長（杉並区議会議員）

?学校の実態調査から、教育正常化を （平成１８年７月２４日）
……添田隆晴監査 (伊勢原市議会議員)

?日本人の誇りを取戻し　道義国家の確立を!! （平成１８年８月２４日）
……新井英生常任幹事(足立区議会議員)

?組合意識に乗っ取られた公共機関の正常化を！ （平成１８年９月１６日）
……桜井秀三副会長(松戸市議会議員)

?知事が進めるジェンダー教育を阻止！（平成１８年９月１６日）
……伊能敏雄副会長（香取市議会議員）
　　高木　仁幹　事（香取市議会議員）

?子どもたちが、誇りの持てるふるさとを！（平成１８年１０月２３日）
……木ノ本　寛会長（大阪・河内長野市議会議員）


?無検定の副読本は不要！（平成１９年２月１７日）
……宍倉　清蔵監査（千葉・千葉市議会議員）