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靖國神社を悪とするレトリックを駆使する原告の訴えを座視してはいけない

 ~「霊璽簿からの氏名抹消等請求訴訟」第1回公判の報告~

 本日、大阪地裁において「霊璽簿からの氏名抹消等請求訴訟」の第1回公判があり、傍聴券獲得のため、例によって地裁広場に出かけた。

大阪靖國訴訟、台湾人訴訟と一連の靖國訴訟が3年越しで昨年、ようやく終了したと思っていたものの、またもや同じ顔ぶれといっていい原告側が、遺族の承諾を得ることもなく、たとえ遺族からの申請がなくても、戦没者を一人一人「氏名等」を明かにした「英霊」・「神」として合祀する祭祀が連綿として続けられることは、個人の信仰の自由が侵害されているとして、靖國神社と国に対して損害賠償請求と、靖國神社に対して戦没者欄記載の氏名を霊璽簿、祭神簿、祭神名票から抹消せよ、という請求である。

全く懲りない連中であるが、原告側にとって、それはまた、一連の首相の靖國神社参拝に対しての宗教的人格権には法的利益がないこと、違憲確認などが最終的には最高裁で棄却されたことを受けての最後の戦いであるはずだ。

今回は84名の傍聴席に対して、傍聴希望者が141名、こちら側が約70名となり、法廷には約40名ぐらい入廷できたが、予想よりも原告側の傍聴希望者が少ないようにも見受けられた。それでも原告側もコンスタントに70名近く集めることができることは彼らの執念の証でもある。

小生は公判終了後の報告会準備のために法廷には入らなかったが、報告会で気づいたことを記し、今回の訴訟の意味づけを確認しておきたい。

その多くは傍聴された徳永弁護士の経過報告をまとめたものなので、参考にして頂きたい。

原告は個人の意思や信仰に関わらず勝手に靖國神社が合祀した行為は、個人の魂を一人占めにしていると訴えている。しかし本来、彼らには法的理由は存在していない。
 
3年前の大阪靖國訴訟第1回目公判の際には、法廷内は原告側の怒号としか言いようのない雰囲気に裁判官ものまれ、目の前で靖國神社がなぶりものにされている実態を見たが、今回は全くそのような雰囲気は感じられることなく、静謐の下、原告側の陳述がなされた。また上着を着ずに陳述しようとした陳述人に対して、裁判長も「上着を着るように」と強い調子で忠告し、毅然とした訴訟指揮をとる姿勢が明確であった。
 
最初は、靖國訴訟での請求が最高裁で全面棄却されることによって、原告は根本的な基盤が既に失っているために、単なる話題づくりであろうと思っていたが、原告団団長の井上二郎弁護士は、、今回の「霊璽簿からの氏名抹消等請求訴訟」を新靖國訴訟に位置付けていることを明言していることを聞くにつけ、彼らは本気になって訴訟に取り組んでいることがわかった。
 
しかし、8月15日に小泉首相が靖國参拝する前に提訴した背景には、この訴訟の性格が、公人の参拝自体が宗教的人格権を否定するといった訴えではなくて、あくまでも個人の信仰の自由に対する靖國神社の侵害があると訴えることにより、靖國神社の祭祀そのものを否定することが読み取れる。従って、今までの靖國訴訟とは性格を異にしている。
 
しかし、山口県殉職自衛官合祀訴訟にあるように既に最高裁では宗教的寛容を認めているわけであるから、この判例に照らせば、既に結果はわかっている訴えである。
 
従って、原告側の意図とするところは、個人の心情、信仰の自由を靖國神社が侵害しているというあくまでも靖國神社を悪とするレトリックを構築することにあることを見抜かねばならない。
 
この公判はそんなに長くはならないであろうが、一見、個人の心情、信仰の自由を訴えるというように見えても、それは靖國神社に祭られることに心の平安を持っているほとんどの国民の信仰、心情を否定しようとしいるに過ぎない、いわば信仰ではなく原告の思想なのであり、今後の公判でもそれを上回る情念が必要である。
 
この訴訟の本質が靖國神社の祭祀そのものに対する否定であるという指摘は、改めて原告の狙いの狡猾さを思った。

来年の公判の予定は次ぎのようになっている。ただし、途中、裁判長の判断で公判のとりやめもある。いずれにせよ、息の長い原告の執拗な靖國神社攻撃は当面続くことを考えれば、我々も、矛をおさめるわけにはいかないことを十分に認識させられた第1回公判経過である。(丸山)

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