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五島列島玉之浦港に、ある日突然、中国漁船106隻が集結した

五島列島玉之浦港に、ある日突然、中国漁船106隻が集結した

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五島列島の福江島に避泊した中国漁船の群れ。五島市役所の職員が、その脅威を撮影していた(7月18日)

 少し前の話になる。今年7月17日の夜、台風7号が九州に接近していた。付近で操業していた中国漁船は暴風雨を避けるため、五島海上保安署に日中漁業協定に基づく緊急避難港に入港すると連絡を入れた。

五島列島(長崎県五島市ほか)のうち最大の福江島にある玉之浦港に船が避泊(=避難)したのは、翌18日未明のことだった。協定では、日中は互いに緊急避難港を指定し、台風などの災害時、相手国の船舶に利用させなければならない。

 この港に中国漁船が避難するのは2年ぶりだった。陽が昇って島民は驚愕した。船の大きさ、真新しさ、そして何より船団の数が、過去のそれとはケタ違いだったのだ。

人口4万人の島に入ってきた船の数は106隻!五島市水産課によると、この時を含め、今年だけで4回、漁船が大挙して避泊している(7月31日に53隻、8月4日に20隻、8月24日に89隻)。

 尖閣諸島沖での中国との摩擦は、収まる気配がない。海洋監視船が領海侵犯をし続け、軍艦が接続水域を通過している。この106隻の中国漁船は合法的に入港しただけだ。

しかし、今、島の漁師たちが目にし、向き合っているのは、〝次なる尖閣〟とも言うべき、新たなる領土問題、資源問題の火種である。自民党の「領土に関する特命委員会」のメンバーで、玉之浦港を視察に訪れた新藤義孝代議士は、こう危機感を募らせている。

「中国漁船の多くは底引き網船で、数年前と比べて大型化・近代化し、地元の漁船が小さく貧相に見えるくらいでした。協定に基づく緊急避難港とはいえ、日本が中国の港を使用する例はほぼなく、事実上、片務的な決まりです。

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中国の船は日本近海の豊かな漁場で魚を獲り、嵐になると日本に避難し、再度漁場に戻っていく帰り際に網を降ろし、日本の領海内で根こそぎ魚を獲っていくと聞きます」

 本誌が現地で五島の漁師に話を聞くと、中国側は昔は40~50t級の日本の中古漁船を使っていたが、今や100t級以上で設備も最新型の船で来ると口を揃えた。五島漁協の川上徳夫総務部長が語る。

 五島列島玉之浦港に、ある日突然、中国漁船106隻が集結した
  もっとも警備の弱い海上防衛のアキレス腱めがけ中国海軍は何を狙ったか


それは2012年7月18日のことだった。

五島列島の南端・福江島の南のはずれに位置する玉之浦港に突如、「元寇」を思わせるほど夥しい中国船が、整然と隊列を組むかのように入港した。

台風避難が目的であるとされた。合計106隻。

 日中漁業協定で確認された避難ポイントは、この玉乃浦港から100キロ先であり、台風を名目にわざわざ福江島の南端、警備の薄い日本の港を狙っての集団避難は異様な光景、なにか軍事的目的があると考えられた。
 
 玉之浦は緯度的には長崎と佐世保の中間、大村飛行場と同一線上にある。
 「入港後日本の海上保安庁の巡視船が監視にあたりましたが、百六隻の漁船に対して、海上保安線は150トンクラスが一隻と巡視艇というボートが一隻の計二隻だけ」((遠藤浩一編『日本文明の肖像2』所載、山田吉彦論文)

 おもわず背筋が寒くなる光景だった。
 玉之浦の人口は1800人、中国側は各船に20人から50人が乗っていたと推定すると、合計3000名となる。
つまり台風避難を名目に玉之浦港は中国に占領された格好だった。漁船といっても遠洋航海の船は魚群探知機を装備している。こうした漁船はすべて中国海軍の管轄下にある。

 山田吉彦(東海大学教授)は、「この漁船は海上民兵」と推測し、第一列島線の内側を「中国は海洋領土とすることを目指してきた」から、こうした行為に及んだとする。

すでにそのときまでに中国は西沙諸島ミスチーフを占領し、2010年8月には「270隻もの漁船団が日中中間海域に出没」し、しかも「そのうちの一隻が海上保安庁の巡視船に体当たりした」
 
 そして推定される中国の「海上民兵」を駆使した海洋軍事作戦とは、「百メートルおきに横に並ぶと10キロ、二列で間を埋めて50メートルおきに並んでも5キロのエリアで海底を詮索できまる。だから漁船団が動き出すと(日本と米軍の)潜水艦は動けなくなる」(同前掲書)。
 
 そうしたシミュレーションを漁船の台風避難を口実に実施訓練していたのが、当該の事件ではなかったかと山田教授は言うのである。

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