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権威主義国家 なお…冷戦終結25年 佐瀬昌盛氏

[編集委員が迫る]権威主義国家 なお…冷戦終結25年 佐瀬昌盛氏
2014年11月7日3時0分 読売新聞

佐瀬
させ・まさもり 大連生まれ。1958年東大教養学科卒業。74年防衛大学校教授。2001~05年拓殖大学海外事情研究所長。「安保法制懇」メンバーを務めた。79歳=鈴木竜三撮影

壁崩壊
ベルリンの壁が開放され、ブランデンブルク門前の壁に登って喜ぶ人々(1989年11月10日)=山岸直子撮影

 ベルリンの壁開放(1989年11月9日)に象徴される冷戦の終結から25年がたつ。

壁建設開始(61年8月)の直後にベルリンに留学した経験を持つ佐瀬昌盛・防衛大学校名誉教授に、冷戦とは何だったのか、冷戦崩壊後四半世紀の世界の変化をどう評価するか、聞いた。(聞き手 三好範英)
 ◆新聞記者のふり

 ――冷戦下の分断ドイツ、東ヨーロッパでの経験を聞かせてほしい。

 「私は61年7月に日本を出発し、船で40日かけて欧州に着いた。船旅中にベルリンの壁構築のニュースが船内に貼り出されたが、何のことか分からなかった。ベルリンに到着した時は、ちょうど壁の増築が進んでいる最中だった」

 「私の留学目的は『冷戦の最前線を見てやろう』。ケネディ元米大統領、ドゴール元仏大統領、フルシチョフ元ソ連共産党第1書記などの政治家を間近で見ることができたのは、当時のベルリンだからこそ。ケネディの有名なベルリン演説は新聞記者のふりをして最前列で聞いた」

 「ようやく旅行が許可された東欧共産圏諸国もできる限り見て歩いた。大方の日本の報道とは違い、東欧諸国はソ連の苛斂誅求かれんちゅうきゅうに苦しんでいた。ポーランドが最も苦しく、配給制で長い行列ができていたし、町中にヤミの両替屋がいた」

 ――冷戦とは何だったのか。

 「第2次大戦終結後、米国は孤立主義に戻り欧州から引き揚げたが、ソ連は動員解除せず、東欧に荒っぽく自国の支配体制を押しつけた。西欧諸国は疲弊していたから対抗するすべはなかった。米軍を再び欧州に常駐させるように努力し、その結果、北大西洋条約機構(NATO)が生まれた」

 「冷戦とは一言で言えば、米国とソ連の間のにらみ合いの状態。共存ではないが、けんかはできないから、いわばキツネとタヌキの化かし合いをした。ソ連は『平和攻勢』で西側の武装解除をはかろうとした。米国はラジオ放送などで反共宣伝を行った」

 ◆突然変異

 ――なぜ冷戦は崩壊したのか。

 「ソ連の軍事偏重、柔軟性を欠いたイデオロギー優先政策が原因だ。私は冷戦がもっと続くと思っていた。ソ連に改革の意欲が生まれるとは思っていなかった。しかし、ゴルバチョフ元ソ連共産党書記長という人物が突然変異のように出てきた。新思考外交と国内のペレストロイカ(立て直し)をいったん始めると、それを待望していたかのような改革派のヤコブレフ元共産党政治局員やプリマコフ元同政治局員候補などが表に出てきた。ソ連指導部内にもそうした人間が伏在していたことにびっくりした」

「中道」の価値観 重要


 ◆勝利とは言えない

 ――冷戦崩壊後の時代をどう評価するか。

 「民主主義の共産主義に対する勝利を意味する『歴史の終わり』が盛んに言われたが、ロシアや中国の権威主義体制はしぶとく、勝利とまでは言えない。ただ、民主主義の優位は続くだろう。露中とも国内に体制そのものを否定する反体制勢力を抱える。民主主義国家の中には体制そのものを否定する運動はごく少数だ」

 ――ウクライナ危機は冷戦再来のきっかけだろうか。

 「プーチン露大統領は(目的のためには手段を選ばない)マキャベリストだ。クリミア編入もイデオロギーに基づくものではなく、ロシア語を話す人々は母国に戻るべき、という理屈だ。私は今の米露関係を『2分の1冷戦』と呼んでいる」

 ――ロシアに代わって中国が台頭したが、米中2極時代になるのだろうか。

 「中国は法治国家ではなく人治国家。政府上層部ばかりか、最近軍上層部まで汚職まみれであることが暴露されている。また中国の科学技術は依然として他国に依存しており、独自開発したわけではない。ロシアの関係者と話すと、中国に対する警戒心から、決して最先端の武器は中国に渡していない。米中2極と言えるのは、人口、経済規模の面だけだろう」

 「中露は接近はするだろうが同盟の可能性はない。かつての中ソ関係ではソ連が兄で中国が弟だった。今は両国の力関係は逆転したが、ロシアは中国を兄とは認めないだろう。ロシアの中国に対する感じ方は、モスクワと極東では全く違う。極東のロシア人は、人口が増大する中国から、悪夢と言っていいほどの人口浸透圧を感じている」

 ◆白か黒かの日本

 ――戦後、日本でも、マルクス主義が大きな影響力を持った。冷戦崩壊後、それはなくなったが、我々は新たな錯誤にとらわれていないか。

 「ベルリン留学から帰り、NATOの研究を志したところ、学界からは白眼視された。NATOは米帝国主義の組織だから研究すること自体がけしからん、というわけだ。防衛大学校の教官に決まると、すでに決まっていたある出版社の全集の執筆者から外された」

 「世界は東西冷戦だったが、日本は国内で冷戦を戦ったと言える。西欧諸国にもマルクス主義者はいたが少数派だった。知識人が二分されたのは日本だけだ」

 「知識人の中で中道という考え方は人気がなかった。冷戦が終わりマルクス主義の権威は地に落ちたが、相変わらず白黒の二分法の考えで、中道嫌いは今も続いている。中道とは左右を足して2で割った考えではなく、それ自体の独立した価値がある。言い換えれば、人間性の洞察に基づく健全な常識のことだ。21世紀にこそ中道が根付いてほしい」

民主主義 簡単ではない


 ポーランドには1990年以来、しばしば訪問した。訪れるたびに、共産圏特有の暗くよどんだ雰囲気のワルシャワが、瀟洒しょうしゃな町並みを取り戻し、人々の表情も明るさを増していった。

 ただ、やはり共産主義体制から脱した旧東独国民の中には、せっかく得られた可能性を重荷と感じた人々も多かった。東独時代を懐かしむ感情は、今も根強く残っている。冷戦崩壊で弾みがついたグローバル化の進展は、西欧諸国も揺さぶり、地域主義、排外主義も台頭している。自由と民主主義を使いこなすのは、簡単なことではないのだろう。(三好)
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■憲法改正の早期実現を求める国会議員署名について

賛同国会議員441名(10月18日現在)

■憲法改正の早期実現を求める意見書採択について

地方議会にて36都府県 /59市区町村

■石川、熊本、愛媛、千葉、香川、富山、兵庫、鹿児島、群馬、栃木、岡山、大分、宮城、山形、高知、佐賀、埼玉、山口、長崎、宮崎、和歌山、岐阜、神奈川、大阪、福井、京都、茨城、東京、徳島、静岡、新潟、秋田、山梨、福岡、滋賀、長野

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     この時にあたり、今こそ発言し行動する真正保守の結集が問われている。ここに志しある地方議員は「誇りある国づくり」をめざす日本会議と連携し、地方議会よりその動きを起こし、日本の国柄に基づく新憲法制定へ向け日本会議首都圏地方議員懇談会を設立する。

     全国の良識ある地方議員が我々の趣旨に賛同され、あまたの先人が築いてこられた、この祖国日本を再建するため、我々は、下記の基本方針を掲げて献身することを誓うものである。

        (平成十九年十月六日)

    〈基本方針〉
      
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    2、わが国の国柄に基づいた「新憲法」「新教育基本法」を提唱し、この制定をめざす。

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…………………………………………………………………………

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…………………………………………………………………………

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……………………………………………………………………………

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……………………………………………………………………………

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慎重議員署名4071名・535議会(同年9月1日現在)

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