拉致問題解決なくして支援せず−6者協議
本日、2月13日、6者協議が合意文書を採択し終了しました。合意文書では、北朝鮮が寧辺の核関連施設を停止・封印し、国際原子力機関の査察を受け入れ、代わりに5万トンのエネルギー支援を行うこと、その上で北朝鮮が核施設を稼働できなくする措置を取り、代わりに95万トンのエネルギー支援を行なうことが合意されたと報道されました。
また、米国は、北朝鮮をテロ支援国家の指定から解除する作業を始め、北朝鮮と国交正常化に向けた協議を開始することとなったようですが、その具体的な内容については不明なままです。
日本では、本日の予算委員会で、安倍内閣総理大臣が、「拉致問題の解決なくして支援はありえない」と明言し、6者協議代表も「拉致問題の解決なくして国交正常化なし」の原則を崩さず、エネルギー支援には参加しないことを主張し、合意文書でも受け入れられました。
今後北朝鮮が日本との協議に応じることになりましたが、そのことに対する見返りを与えない決定を行なったことは高く評価すべきものと思います。
これにより、北朝鮮の金正日政権に対し、日本の拉致問題に関する強い意志をメッセージとして送ることができたこと、また6者協議参加国だけでなく国際社会にも同様の強いメッセージを送ったことになります。
日本が国際社会から孤立するなどのコメントも一部報じられましたが、逆に日本の存在感が高まったと思います。
他方、米国が北朝鮮をテロ支援国家の指定などから解除する作業を始めるとのことですが、米国は2004年、国務省の「世界テロ白書」に北朝鮮を「テロ支援国」として掲載してから毎年、掲載理由に「拉致問題」を含めてきました。拉致問題の進展がない中で、米国がテロ支援国家リストから北朝鮮を外すことになれば、米国が繰り返し約束してきた「拉致問題解決を含める」という原則に反することになります。米国の真意はどのようなものなのか、明らかにしてほしいものです。(救う会事務局長、平田隆太郎)
第1段階は重油供給せず…対北朝鮮、日本は間接的協力−北朝鮮の核実験
【北京=望月公一】日本政府は、13日採択の6か国協議の共同文書に盛り込まれたエネルギー支援について、第1段階では、電力需要調査などの「間接的な協力」にとどめる方針だ。
ただ、第2段階では、日本が直接支援への参加を求められる公算が大きい。このため、30日以内に開催される「日朝国交正常化」の作業部会で、拉致問題を進展させ、「直接支援」の環境整備を図りたい考えだ。
第1段階の対北朝鮮支援は5万トンの重油支援にとどまるため、北朝鮮を除く各国も「拉致問題があるのでエネルギー支援を行うことはできない」(安倍首相)とする日本の主張に異論は唱えていない。支援実施には「エネルギーの規模について科学的な根拠も含めて算定しなければならない」(武大偉中国外務次官)ため、日本は、北朝鮮の電力需要の実態調査への人員派遣などを検討している。
ただ、第2段階では、最大95万トンの重油という大規模な追加支援が必要となる。韓国は既に、支援について「5か国で均等分担するのが原則だ」(千英宇首席代表)として、日本をけん制している。日本政府内にも、仮に拉致問題が進展しない場合も、支援への直接関与は避けられないとの見方が広がっている。
このため、政府は、事実上の日朝国交正常化交渉となる作業部会で拉致問題を進展させることに期待をかけている。
安倍首相は13日夜、「作業部会は一つの前進だが、設置だけでは駄目だ。拉致問題を前進させるべく全力を尽くしたい。北朝鮮こそ、作業部会で拉致問題を解決しなければ、彼らが望むものは得られない」と記者団に強調した。
政府は作業部会で、拉致の真相究明や被害者の再調査、容疑者の引き渡しなどを求める構えだ。
作業部会の日本代表については、北朝鮮側の出方を見ながら人選する。
一方、政府は、米国が北朝鮮を「テロ支援国家」のリストから外す手続きに入ることを約束したことに困惑している。日本側の働きかけもあり、テロ支援国家に北朝鮮を指定する理由の一つに、拉致問題が挙げられるようになった。今回の合意は、「手続きを始める」とあるだけで、北朝鮮がリストから除外されるわけではないが、今後、米国が拉致問題でどんな対応をするのかを注視する考えだ。
(2007年2月13日22時58分 読売新聞)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2007.02.13-2)中山恭子拉致対策本部事務局長が講演−緊急集会
■中山恭子拉致対策本部事務局長が講演−緊急集会
2月12日、家族会・救う会は友愛会館で、中山恭子・総理補佐官・拉致対策本部事務局長を招き、緊急集会を行なった。6者協議開催中の最中に開催された同集会で、中山事務局長は、「拉致問題の解決なくして北朝鮮との国交正常化はありえない」などの政府方針を説明した。拉致問題対策本部が決定した「今後の対応方針」は下記の通り。
この日は、家族会から横田滋・早紀江代表夫妻、飯塚繁雄副代表、増元照明事務局長、横田拓也事務局次長、有本明弘・嘉代子夫妻、市川健一・龍子夫妻、斉藤文代さん、本間 勝さん、松本孟さん、飯塚耕一郎さんなどが参加し、佐藤勝巳救う会会長、西岡力常任副会長も参加して、中山事務局長と昼食懇談会も行なった。
緊急集会には拉致議連から救う会各地幹事、西村真悟幹事長、ジャーナリストの櫻井よしこさんなども参加し、参加者は約250名で入りきれないほどとなった。夜の関係者のみの懇談会には中川昭一自民党政調会長もかけつけ、家族を激励した。また、集会には増元照明事務局長と結婚予定の若宮優子さんも参加した。若宮さんは、増元るみ子さんの拉致事件をテーマにした劇「たまてばこ、ほら」をプロデュースした。
参考
◆拉致問題における今後の対応方針(6項目)
平成18年10月16日 拉致問題対策本部 決定(全閣僚参加)
(前文略)
1. 北朝鮮側に対し、すべての拉致被害者の安全を確保し、直ちに帰国させるよう引き続き強く求めていく。また、拉致に関する真相究明、拉致実行犯の引渡しについても引き続き強く求めていく。
2. 現在、政府としては、北朝鮮に対して、人道支援の凍結措置(平成16年12月28日発表)、万景峰92号の入港禁止を含む諸措置(平成18年7月5日発表)、北朝鮮のミサイル等に関連する資金の移転防止等の措置(平成18年9月19日発表)、すべての北朝鮮籍船の入港禁止やすべての品目の輸入禁止を含む諸措置(平成18年10月11日発表)等を講じているが、今後の北朝鮮側の対応等を考慮しつつ、更なる対応措置について検討する。
3. 現行法制度の下での厳格な法執行を引き続き実施していく。
4. 拉致問題対策本部を中心に、拉致問題に関する情報を集約・分析し、問題解決に向けた措置の検討を迅速に推し進めていくとともに、拉致問題に関する国民世論の啓発を一層強化する。
5. 「特定失踪者」にかかる事案を含め、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案に関する捜査・調査等を引き続き全力で推進していく。また、捜査・調査の結果、新たに拉致と認定される事案があれば、北朝鮮側に対して然るべく取り上げていく。
6. 国連をはじめとする多国間の場、また、関係各国との緊密な連携を通じて、拉致問題の解決に向けた国際的な協調を更に強化していく。
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