ただし、日本政府は、拉致問題での進展が前提との立場から支援は行わない方針で、各国もこうした日本の意向を理解しているといいます。
そもそも六カ国協議は、北朝鮮の核の脅威を放置しておくと、日本の核武装に発展する恐れがあり、日本の核武装を阻止するためにも外交協議をした方がいいとする米中ら大国の意向から始まりました。六カ国協議の真の目的は、日本の核武装の阻止なのです。
もし日本が自らの安全を確保しようと思うのならば、何よりもまず、自らの力で自国の安全を守る力をもたなければなりません。日米同盟は重要ですが、日米同盟を堅持することと、自国の安全をアメリカに依存することは全く異なります。
そして、北朝鮮の弾道ミサイルに対する抑止能力としての誘導ミサイルさえも持っていない日本は結果的に、自国の安全をアメリカに依存しているのです。その「力」不足が、日本外交の弱さなのです。
もちろん、安倍政権はこれまでの政府と異なり、よく頑張っていると思います。六ヶ国協議の最終日には、安倍首相夫人が首相公邸にアジア、オセアニア16カ国の大使夫人を招き、横田めぐみさんの拉致事件を描いたドキュメンタリー映画「めぐみ―引き裂かれた家族の30年」の上映会を開いています。アジア・太平洋諸国を味方につけていく上で、今回の対応は多く評価すべきだと思います。
また、自民党の中川昭一政調会長は13日、記者団に、6カ国協議の合意で米国が北朝鮮を「テロ支援国家」指定から解除する作業を開始することが明記されたことに対し、「北朝鮮はテロ支援国家だ。日本としては米側に引き続き(指定を)要求していかなければいけない」と、即座に声明しています。
こうした日本の姿勢は、拉致問題を中心とした日本の基本原則を国際社会に理解させていくうえで、大きな役割を果たします。
ただし、力の信奉者である中国やロシア、北朝鮮、そして同盟国アメリカが、日本の国益を真に尊重しようと思わざるを得ないようにするためには、どうしても「力」が必要です。
我が国は「専守防衛」を国是としていますが、幸いにも、相手国の基地などを攻撃する抑止力をもつことについては、否定していません。そして、トマホークなどの誘導ミサイルは、アメリカから購入すれば直ちに、我が国の軍艦に配備することができるのです(もちろん、運用のために米軍の協力が必要なことは言うまでもありませんが…)。
核武装の前段階として、相手国を攻撃できる誘導ミサイルを早急に配備すべきであり、これならば、同盟国アメリカも賛同してくれるはずです。もっとも中国やロシアは猛反対するでしょうが…。
今回の六カ国協議での「日本の孤立」を、安倍政権の外交の失敗とするのではなく、我が国に「抑止力」という「力」が不足しているからだという、国際政治の基本的な視点に基づく総括がなされることを、切に希望するとともに、早急に、抑止力向上のためにアメリカ政府との協議を開始すべきです。
その最初のステップとして、チェイニー副大統領の来日がありますし、安倍総理も訪米の際に、具体的な一歩を進めてほしいと思います。抑止力なき外交だけでは、拉致問題を進展させることはできないと思います。(江崎)
(引用)
昭恵さんが映画「めぐみ」上映会=大使夫人招き、首相公邸で2月13日21時1分配信 時事通信
安倍晋三首相の昭恵夫人は13日午後、首相公邸にアジア、オセアニア16カ国の大使夫人を招き、横田めぐみさんの拉致事件を描いたドキュメン
タリー映画「めぐみ―引き裂かれた家族の30年」の上映会を開いた。
中川政調会長 「テロ支援国家」北指定継続を2月14日8時0分配信 産経新聞
自民党の中川昭一政調会長は13日、記者団に、6カ国協議の合意で米国が北朝鮮を「テロ支援国家」指定から解除する作業を開始することが明記されたことに対し、「北朝鮮はテロ支援国家だ。日本としては米側に引き続き(指定を)要求していかなければいけない」と述べた。
エネルギー支援についても「拉致問題での日朝協議で向こうが(被害者)全員の生還に向けて誠意を示さなければ、とてもできない。こちらの方が最も大事な人道問題だ」と語った。
6カ国合意 北、段階的に核放棄 米、テロ支援国解除協議
2月14日8時1分配信 産経新聞
■重油100万トン見返り
【北京=有元隆志、大谷次郎】北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議は13日夕、北京の釣魚台迎賓館で全体会合を開き、共同文書を採択して閉会した。北朝鮮が寧辺の核関連施設を停止・封印する見返りに他の参加国は重油5万トン相当の支援を行い、その後の措置履行に応じ、最大で重油100万トン相当を支援する。国交正常化に向けた日朝協議や、テロ支援国家指定解除のための米朝協議の開始も盛り込まれた。ヒル米国務次官補は13日夜、北朝鮮への金融制裁問題を30日以内に解決すると表明した。
北朝鮮の核放棄をうたった2005年9月の共同声明の実現に向け、約1年半たってようやく第一歩を踏み出す。
スノー米大統領報道官は13日、ワシントンで今回の合意を「北朝鮮の核放棄実現に向けた非常に重要な第一歩」と評価する一方、北朝鮮が合意を守らない場合は、国際社会を通じた制裁が継続される、と警告した。
合意文書では、北朝鮮は寧辺の核施設の活動停止・封印を行い、国際原子力機関(IAEA)による査察も受け入れる。プルトニウムを含むすべての核計画に関し、5カ国と協議するとした。
北朝鮮は60日以内に「初期段階の措置」を取り、各国は重油5万トン相当のエネルギー支援を行う。ただ、日本政府は拉致問題での進展が前提との立場から支援は行わない方針で、各国もこうした日本の意向を理解しているという。
北朝鮮はすべての核施設の申告と既存の核施設の機能停止に応じ、最大で95万トンの重油に相当する経済、エネルギー、人道支援を受ける。初期段階措置が実施された後に、6カ国は外相会談を行うとしている。
また、個別の問題を協議するため、(1)朝鮮半島の非核化(2)米朝国交正常化(3)日朝国交正常化(4)経済、エネルギー協力(5)北東アジアの安全保障−の5つの作業部会を設置し、30日以内に初会合を開く。ヒル次官補は13日夜、高濃縮ウランによる核開発は作業部会で論議すべきだと述べた。
日朝関係では、「不幸な歴史を清算、懸案事項を解決」し、国交正常化を図る。日本側は懸案に拉致問題も含まれるとしている。12日午後には、今協議では初めての日朝協議が行われた。
北朝鮮は200万キロワットの電力など大規模なエネルギー支援を要求するなど調整が難航したが、議長国・中国は13日未明に合意文書の第2次草案を最終案として提示した。
次回6カ国協議は3月19日に開催される。
「日本の姿勢、貫いて」=横田夫妻ら拉致家族−北朝鮮支援、6者合意で2月13日22時1分配信 時事通信
北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の合意について、拉致被害者横田めぐみさん=失跡当時(13)=の父で家族会代表の滋さん(74)は13日
夜、「拉致問題で具体的な進展がなければ、日本は支援しないという姿勢を貫き通してほしい」と強く訴えた。
滋さんは、日本政府が現段階での北朝鮮への直接支援を否定している点を評価。協議全体についても「核廃絶に向け一歩踏み出した点は評価できる」と述べた。
めぐみさんの母早紀江さん(71)は「ちょっとでも良い方向に展開してほしい」と願いつつ、「本当は(各国にも)支援してほしくない。日本は絶対に揺るがない姿勢を示してほしい」と求めた。
家族会事務局長の増元照明さん(51)は「北朝鮮が重油100万トン相当のエネルギー支援を得るところまで順調に行くかというと、難しいので
はないか」と指摘。日朝国交正常化に向けた作業部会の設置については「冒頭で必ず拉致問題をぶつけ、拉致問題が解決しない限り正常化できないことを確認してほしい」と強調した。
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