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南京「30万人」の虚妄(1)前半】「記者証を見せなさい」誰何する女子中学生…“大虐殺”教材と授業は「口外禁止」令

歴史戦 第8部 南京「30万人」の虚妄(1)前半】「記者証を見せなさい」誰何する女子中学生…“大虐殺”教材と授業は「口外禁止」令

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扶桑社の教科書をとりあげた高校2年生用の教材

 「あなたの記者証をまず見せなさい」。南京市内で本紙記者が「南京事件」について話を聞こうと「外国の報道機関だが」と声をかけると、ジャージー姿の女子中学生はいぶかしげにこう言った。中

国各地の取材現場で公安関係者らに誰何(すいか)されたことは何度もあるが、女子中学生に記者証提示を求められたのは初めてだった。

南京「30万人」の虚妄①-1
 1937年12月の南京陥落の際に旧日本軍が引き起こしたとされる南京事件に焦点をあてた初の教材が9月以降、南京市内の学校で配布された。

生徒らの受け止めを知りたく、2カ月近く江蘇省や南京市の関係当局にかけあったが、取材申請は却下された。

 かくなる上は生徒への直接取材を試みるしかないと目立たないように声をかけたが、その女子中学生は「南京大虐殺の教材と授業について一切、外部の人に話してはいけないと学校で命じられている」とだけ答え、足早に立ち去った。

その前にも10人以上に声をかけたものの、「外国の報道機関」と聞くだけでみなクモの子を散らすように逃げていった。

扶桑社教科書やり玉

 94年から南京市などは毎年、旧日本軍が南京を占領した12月13日に、「南京大虐殺記念館」で犠牲者の追悼式典を行ってきたが、習近平政権は今年、「国家哀悼日」に“格上げ”した。

記念行事として記念館の館長、朱成山らが新たに作った教材が「南京大虐殺死難者国家公祭読本」だった。

 教材は3種類ある。小学5年生向け「血火記憶」と中学2年生向け「歴史真相」、そして高校2年生向け「警示思考」だ。

 中国共産党機関紙、人民日報(電子版)によると、南京市内で約12万人がこの教材を使って学習した。

同紙は「青少年に南京大虐殺の苦しみの歴史教育を強化することは、非常に重要」とする朱の話も伝えた。

 高校2年生の教材は「日本の右翼勢力が南京大虐殺を否定している」との項目を10ページにわたって記述。

扶桑社が出版した『新しい歴史教科書』をやり玉に挙げて「右翼勢力が歴史を歪曲(わいきょく)した」と指摘した上で、生徒に考え方を述べさせる授業を行っているようだ。

「模範解答」の発言

 国営新華社通信が報じた南京第一中学(中国では高校も含めて中学と呼ぶ)の高校2年の授業では、日本に短期留学した経験があるという女子生徒が、「少数だが日本人には軍国主義の血が流れており、日本の右翼分子は強烈な反中感情をみせる」と話した。

 男子生徒は、「国家は真に強大となり他国を心服させて初めて世界の最前線に立てる」と答えた。新華社電の伝える発言が「模範解答」だとすると、教材の狙いが透けて見える。

 匿名を条件に取材に応じた教材作成に関わった学識経験者は「生徒に日本への恨みを抱かせることを目的にはしていない。南京大虐殺の歴史的事実を教えるとともに、中国がいまや強大な国になったことを伝えるための読本だ」と語った。

今年に「国家哀悼日」と特別な教材がそろったのは、来年の戦後70周年に向け、国威発揚のねらいがあるといえそうだ。

 「国家の統一見解」以外の個人の感想や考え方が外国人、ましてや日本人に漏れ伝わることは不利だと考えた当局が、学校側に生徒への「口外禁止」を厳命したと考えれば、生徒が話をしたがらなかった訳が分かる。

教材の配布は来年以降、江蘇省から全土の学校へと広げられる計画だ。



 中国内外で南京事件などを使った「宣伝戦」が活発に繰り広げられている。歴史戦第8部はこれらの動きに焦点をあてる。



【用語解説】南京事件

 1937(昭和12)年12月13日、当時の中華民国の首都・南京陥落後、旧日本軍の占領下にあった最初の6週間に起きたとされる事件。犠牲者数について中国側は「30万人」と主張するが、平成22年に発表された日中歴史共同研究の報告書には「日本側の研究では20万人を上限として、4万人、2万人など様々な推計がなされている」とある。

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