オバマ氏、尖閣領有権触れず…日本政府の要請で

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オバマ氏、尖閣領有権触れず…日本政府の要請で
読売新聞 2015年5月5日3時9分

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 先月28日の日米首脳会談後の共同記者会見で、オバマ大統領が日本政府の事前要請に応じ、沖縄県・尖閣諸島の領有権について、米国は中立の立場を取っているとする従来の見解をあえて述べなかったことが4日、分かった。

 日本政府筋が明らかにした。中国の東・南シナ海での威圧的な海洋進出を受け、尖閣問題で中国へのけん制を強める狙いがあるとみられる。

 米国は1972年の沖縄返還以来、尖閣諸島が日本の施政下にあると認める一方、尖閣の領有権がどこの国に属するかについては、中立的な立場を取ってきた。中国や台湾が領有権を主張しているためだ。
 オバマ氏は昨年4月に来日した際の共同記者会見で、尖閣諸島について、対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象であることを米大統領として初めて明言した。

ただ、「尖閣諸島の最終的な主権については、(特定の)立場を取らない」とも述べ、あくまで領有権は別問題だとする考えを強調していた。

 日本政府は、尖閣諸島の領有権が日本に帰属することを米政府も確認するよう求めてきた。

今回の首相訪米でも、オバマ氏が共同記者会見で、米国が中立の立場を取るむねの発言をしないよう要請したところ、米側が応じたという。両政府の事前調整を踏まえ、オバマ氏は、米国が安保条約に基づき尖閣を防衛する義務を負うことだけを明言した。

 オバマ氏が今回、あえて尖閣諸島の領有権に触れなかったのは、中国が南シナ海で一方的に岩礁を埋め立てるなど、独自の領有権主張に沿った現状変更の動きを強めているためとみられる。

日本政府は「オバマ氏の対中意識が厳しくなっていることの表れ」(外務省幹部)と分析する。

 一方、中国外務省は4月29日、洪磊ホンレイ副報道局長が定例記者会見で「私たちは米側に責任ある態度を取り、領有権問題では立場を取らない約束を守り、誤ったシグナルを送らないよう促す」とオバマ氏の対応を批判した。
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