国家情報院は、先の6カ国協議での合意に伴い米国が北朝鮮をテロ支援国から解除する過程で、日本の反対が重要な変数となる、と分析した。
国情院は14日、国会情報委員会に提出した「国際争点分析」で、「北朝鮮の場合、“テロ支援国”に指定されている理由の一つが拉致問題であることから、日本側の反対が解除のカギとなる」とした。
また同問題が、先の協議で合意した初期措置を北朝鮮が履行するかどうかとともに決定的な変数となっている、と見通した。
毎週発刊されている同資料で、国情院は「2000年に北朝鮮の趙明録(チョ・ミョンノク)次帥(大元帥と元帥に次ぐ北朝鮮軍の階級)が訪米した際や、03 年に6カ国協議が行われた際に、北朝鮮はテロ支援国指定から解除するよう米国側に何度も要求してきたが、日本の(米国に対する)ロビー活動により実現されなかった」と明らかにした。
また、昨年6月にテロ支援国から解除されたリビアの場合も、03年12月に大量破壊兵器(WMD)を放棄したものの、中東の隣国であるサウジアラビアから反対されたため、実に2年6カ月間も引き伸ばしとなった、と説明した。
北朝鮮が米国に要求している敵性国交易法の適用終了についても「敵性国かどうかの判断自体がすべて大統領の裁量にかかっており、中国やベトナムのケースを考慮すると、ブッシュ大統領がどのような政治的決断を下すかによって、進み具合が大きく変わってくる」と分析した。 (引用終わり)
正論4月号で西岡力氏は「6カ国協議 日本は置き去りにされたのか」の論文で興味深い指摘をされている。
「譲歩したのはブッシュではなく金日正だ。日本は孤立氏のではない。制裁強化でさらに北に追いつめよ!」と。
詳しく見ると
実は、このテロ支援国指定は米国政府が核問題だけを先行させて拉致問題を置き去りにしないための大きなテコトなっている。米国は大韓航空機爆破事件を受けて1988年に北朝鮮をテロ支援国として指定した。
しかし、2000年の南北首脳会談などにより融和ムードが醸成され、クリントン政権は指定解除に動いた。いまとなっては笑い話にもならないがクリントン政権は2000年10月6日「テロ反対米朝声明」を出し金日正政権と協力してテロと戦うと宣言した」
(中略)
しかし、同年にブッシュ大統領がクリントンの後継者ゴア候補を破り当選したため。指定解除の動きはギリギリで止まった。
(中略)
2003年2月訪米した家族会・救う会代表の前で当時のアーミテージ国務副長官が「拉致は憎むべきテロ」と断定し、2004年国務省が出した「国際テロリズム年次報告書2003年版」から毎年、北朝鮮に関する記述に日本人拉致がはっきりと書き込まれつづけている。
(中略)
ところが、今回の合意で米国は「指定解除作業開始」を約束した。(中略)合意発表の翌日、ブッシュ大統領は安倍首相に電話をかけ「拉致問題で日本だけが孤立することはない」と明確に言い切った。また、シーファー駐日米大使も同じ日「指定解除するプロセスを始めると言っただけだ。解除までは長い時間がかかる」と説明した。
さらに、
確認しておくが、5万トンの重油はたった1回しか供給されない。金日正は、2003年に毎年50万トンの重油が供給されなくなることを理由に稼動を再開た寧辺の施設を、たった5万トンを1回もらうだけで再び停止して、IAEAの監視下に置くことを同意したのだ。
それも60日以内という期限をつけて具体的行動をとることを明確に約束した。これまでの金日正の行動パターンからすると考えにくい大幅な譲歩と言える。
合意には残り95万トンの重油の供給も書かれている。論者によっては、金日正の狙いはそれまで含めた合計100万トンの重油だとする議論も見受けられる。
しかし、95万トンについては、まず期限がついていない。
※エルバラダイ事務局長「北朝鮮はIAEA復帰に前向き」
ただし、金日正はこの合意で核放棄を決断したのではない。それはあり得ない。時間稼ぎを計っただけだ。そして、なんとか米国をごまかして、金融制裁を緩和させようと狙っていることは間違いない。
いずれにしても、米国も北朝鮮もさまざまな理由によりお互いが譲歩したと言える。重要なことは、拉致問題が解決しなければ協力しないとした安倍首相の発言であり、その発言が最後まで死守できるのかということに尽きるのではないか。
それにしても、拉致問題がわが国のカードとなっていることには間違いない。このカードを如何に活用できるのか、これは安倍政権にとっても重要な切り札でもある。
拉致と核解決の道は制裁強化である。
果たして、安倍政権はこの問題をクリアできるか。
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