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【自民党60年 立党の精神は今(上)】悲願の改憲、突破口手探り

【自民党60年 立党の精神は今(上)】悲願の改憲、突破口手探り

昭和30年11月15日に都内で開かれた自由民主党の結成大会(「自由民主党二十年の歩み」から複写)
昭和30年11月15日に都内で開かれた自由民主党の結成大会(「自由民主党二十年の歩み」から複写)

首相「だれもが欠陥と思うところから」

 「憲法改正の進め方は2つある。一つは、憲法改正の時期が今すぐには来ないことを前提に、イデオロギー的な対立がどこにあるのかをあぶり出していくやり方。もう一つは、日本に改憲の経験がないことを考えて、誰がみても欠点だと思うところから手を付けるやり方。どちらを望まれるか」

 10月7日の第3次安倍晋三改造内閣発足から数日後。自民党の憲法改正推進本部長人事をめぐり、首相官邸で安倍と向き合った自民党幹事長の谷垣禎一は、おもむろに切り出した。

 谷垣が「私は後者がいいと思うが…」と付け加えると、安倍は「私も谷垣さんと同じだ。初めての国民投票で否決されたら、改憲は当分できない。だれもが欠陥や欠点と思うところから始めざるを得ない」と応じた。

 「イデオロギー的な対立」とは、戦争放棄と戦力の不保持を定めた9条をめぐる論争だ。自衛権や自衛隊の存在が「違憲」との解釈も成り立つ現行条文の改正は急務といえるが、野党を中心に反発が根強い。

 「9条改正」を心に秘める安倍が谷垣に同調したことは、初めての憲法改正に向け現実的な一歩を踏み出すことを決意したことを意味する。


×  ×  ×
 

 昭和30年、旧日本民主、自由党の「保守合同」で誕生した自民党は、党の基本姿勢である「綱領」に「自主独立の完成」を掲げた。政策の基本方針を示す「政綱」には「現行憲法の自主的改正」を明記し、以後、「自主憲法制定が自民党の党是」といわれるようになる。いわば憲法改正は自民党の「一丁目一番地」だ。
 これには、時代背景も大きく影響している。現行憲法は形式的には明治憲法の改正手続きがとられたが、連合国軍総司令部(GHQ)が短期間で作成した原案がベースになっている。そのため、27年4月28日に日本が独立を回復した際には「独自の憲法を改めて制定すべきだ」と考える国民も多かった。

 だが、戦後の荒廃からの経済復興を重視した首相の吉田茂は、自主防衛や前提となる憲法改正には消極的だった。こうした吉田に対する不満が、後に首相を務める鳩山一郎や岸信介らを突き動かし、保守合同を推し進める原動力となった。

 鳩山の孫で元総務相の鳩山邦夫は「一郎には自前の憲法を持たなくては、真の独立国家ではないという思想があった」と語る。鳩山を支え、自身も首相時代に憲法改正を目指した岸は、35年の日米安全保障条約改定と引き換えに退陣、その後はしばらく憲法改正の機運が後退した。


×  ×  ×
 

 岸の孫である安倍にとっても、憲法改正は悲願だ。第1次政権下の平成19年5月には、憲法改正の具体的な手続きを定めた国民投票法を成立させ、第2次政権下の26年6月には同法を改正し、投票年齢を4年後に「18歳以上」に引き下げ、憲法改正への法的な環境を整えた

 ただ、安倍自身に憲法改正の具体的な道筋が描けているとは言い難い。

 24年9月の党総裁選で憲法改正を目指すことを明言し、再登板を果たした安倍は当初、改正の発議要件を定めた96条の改正に意欲を示していた。「他国よりも厳しい」とされる要件を緩和することで、9条の改正に弾みをつける狙いだったが、連立政権を組む公明党が「96条改正が9条改正にストレートに結びつくと心配する声もある」(代表の山口那津男)と反発。安倍は方針を転換した。

 その後は、集団的自衛権の行使を容認する安全保障法制の整備に軸足を移す。今年9月には安保関連法を成立させたが、それが一時的にせよ、憲法改正への機運をしぼませることにもなっている。

 外相の岸田文雄は10月5日、山梨県富士吉田市で開いた岸田派研修会で、すかさず「当面、9条の改正は考えない」と主張。山口も同月28日、BS11の番組収録で「すぐに憲法改正をする必要は遠のいた」と指摘した。

 安倍は11月10日の衆院予算委員会で「21世紀において国民の命と平和な暮らしを守っていくうえでは、9条の改正を行うことが必要であろう」と強調したが、「現段階においては、国民的な議論を深めていくことが大切ではないか」と憲法改正については慎重な言い回しにとどめた。谷垣への同調も「現実路線転換」の延長線上にある。(敬称略)



 

 自民党は15日、昭和30(1955)年の立党から60年を迎える。東西の冷戦下、「保守勢力の結集」を目指して結党され、「自主憲法制定」を党是に掲げてきた。だが、半世紀以上を経た今も自主憲法制定はもちろん、部分的な改正すらできていない。憲法をめぐる自民党の「過去」を振り返り「未来」を展望する。

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■憲法改正の早期実現を求める国会議員署名について

賛同国会議員441名(10月18日現在)

■憲法改正の早期実現を求める意見書採択について

地方議会にて36都府県 /59市区町村

■石川、熊本、愛媛、千葉、香川、富山、兵庫、鹿児島、群馬、栃木、岡山、大分、宮城、山形、高知、佐賀、埼玉、山口、長崎、宮崎、和歌山、岐阜、神奈川、大阪、福井、京都、茨城、東京、徳島、静岡、新潟、秋田、山梨、福岡、滋賀、長野

■【神奈川県】横浜市、川崎市、横須賀市、藤沢市、茅ケ崎市、逗子市、大和市、海老名市、座間市、秦野市、伊勢原市、小田原市、厚木市、愛川町、寒川町、箱根町【東京都】荒川区、小笠原村、日野市、中野区、府中市、町田市、調布市【千葉県】酒々井町【茨城県】常総市【京都府】綾部市【石川県】羽昨市、七尾市、内灘町【富山県】舟橋村、立山町、入善町、滑川市、富山市【大阪府】大阪市、和泉市【奈良県】田原本町【愛媛県】松山市、今治市、四国中央市【福岡県】福岡市、北九州市、川崎町、遠賀町、大川市、篠栗町、芦屋町、行橋市、春日市、糸島市、大木町、柳川市、【佐賀県】鳥栖市、佐賀市【長崎県】佐世保市、大村市、対馬市【熊本県】合志市、多良木町、菊陽町で可決


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慎重議員署名4071名・535議会(同年9月1日現在)

慎重首長署名568自治体(7県知事221市区340町村長・同年9月1日現在)

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