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国歌「君が代」不起立で減給処分は適法 58歳教諭の訴えを棄却

国歌「君が代」不起立で減給処分は適法 58歳教諭の訴えを棄却
産経新聞 H27.12.21

ゆゆ

 卒業式で君が代を起立斉唱しなかったことを理由に減給処分を科したのは違法だとして、大阪府立支援学校の教諭、奥野泰孝さん(58)が府に処分取り消しなどを求めた訴訟の判決が21日、大阪地裁であり、内藤裕之裁判長は原告の請求を棄却した。

 大阪府では橋下徹氏が知事だった平成23年6月に、府内公立学校の教職員に、行事の際の国歌の起立斉唱を義務づける全国初の「国旗国歌条例」が施行。訴訟で原告側は同条例が「思想・良心の自由を侵害している」として違憲・違法性を訴えていた。

 判決によると、奥野さんは平成25年3月にあった同校の卒業式で、キリスト教徒であることなどを理由に国歌の起立斉唱をしなかった。

前年の卒業式でも不起立を理由に戒告処分を受けており、府は「違反行為を繰り返した」として、より重い減給1カ月の懲戒処分としていた。

 判決理由で内藤裁判長は過去の最高裁判例に基づき「公立学校の式典における国歌の起立斉唱は慣例上の儀礼的所作で、個人の思想・良心の自由を直ちには制約しない」と判示。

起立斉唱を求めた校長の職務命令や、その根拠となった同条例の違法性を否定した。

 減給処分についても「卒業式の受け付け業務を放棄して勝手に式場に立ち入り、上司の退場指示にも従わなかった」として重すぎるとはいえないと述べ、適法と結論づけた。

府教委によると、府条例施行後に処分された教職員は戒告処分54人▽減給処分2人。これまでに延べ12人が処分取り消しを求める訴訟を起こしている。
【江戸っ子記者のなにわ放浪記】入学・卒業式で国歌斉唱する意味 世どの国も「普通」のこと

2005年の卒業式で、アップルの共同創業者、スティーブ・ジョブズが「Stay hungry, stay foolish(ハングリーであれ、愚か者であれ」とスピーチしたスタンフォード大。米国では、多くの大学が卒業式で国歌を斉唱する(同大サイトから)


 どうして自然な気持ちで国歌を斉唱できないのだろうか。そう思わせるスクープ記事だった。産経新聞が2日朝刊1面トップ(大阪本社版。東京本社版は3面)で報じた、「奈良教育大付属中学校の入学・卒業式 国歌斉唱 10数年せず」の記事である。

 国立大学法人・奈良教育大付属中学校(奈良市)の入学・卒業式で、国歌斉唱が過去10数年にわたり、行われていなかったというのだ。式典では生徒らを着席させたうえで、「君が代」の曲のみを流していた。

 「君が代」の曲を生徒たちが着席のまま聞く光景を思い浮かべると、まるで音楽鑑賞会の様相だったのではないか。異様な人生の節目の式典である。しかしながら、同校がこのような異様な式典をおそらく確信的に実施し続けたことには背景がある。

 国は平成11(1999)年に国歌国旗法を制定した。これを受けて、学習指導要領で国旗掲揚と国歌斉唱の指導を明記している。

 ところで、国歌国旗法の条文をお読みになったことがあるだろうか。

 あらためて条文そのものを示したい。

 (国旗) 第一条 国旗は、日章旗とする。 2 日章旗の制式は、別記第一のとおりとする。

 (国歌) 第二条  国歌は、君が代とする。 2 君が代の歌詞及び楽曲は、別記第二のとおりとする。

 この2条である。あとは、「別記」で日章旗の制式と「君が代」の歌詞、楽譜が記されている。国旗国歌法があるからといって、式典などでの斉唱や掲揚を義務づけているわけではない。また、現行の日本国憲法には、国旗国歌の条文はない。

 また、学習指導要領は、入学式や卒業式での国旗掲揚、国歌斉唱の指導を淡々と一文で明示しているだけだ。学習指導要領の厳守については、さまざまな解釈があるのが実情だ。

 都道府県などの地方自治体の各教育委員会の直接的な管轄下の公立学校については、厳守の解釈が強く、国旗掲揚、国歌斉唱の実施の徹底が進んでいる。

 しかし、私立学校や今回問題が指摘された奈良教育大付属中学のような国立大学法人付属の場合は、教育委員会の直接管轄外の範疇(はんちゅう)でとらえられ、要綱の徹底厳守は求められず、対応が各学校に委ねられるとの解釈がある。

このため、奈良教育大付属中学でも、「自校裁量」のような形で、着席しながら「君が代」の曲を聴くという独自の式典方式を取っていたのだろう。

 こうした指導要領の解釈の幅の拡大は、教育現場に“混乱”をもたらしていることは関連各訴訟などでも明らかだ。

 戦後、日本は、8月15日の敗戦をもって、国体が分断されたという、いわゆる「8月革命説」なるものが、護憲派学者などによって、流布されてきた。「革命説」とは、簡略すると、「戦前と戦後の日本という国体の歴史は分断された」と考えることである。

 そのため、「戦前は全てわるかった」という自虐史観がはびこり、「国家」について語ることを忌避するような風潮すら続いている。

このように靄のように日本を覆い続ける「お化け」のような実体のない「空気」が、国旗を掲揚することや国歌を斉唱することすら、「特別視」するような偏見が形成されていったのだ。

 世界のどこの国の国民でも、自国の国旗や国歌を誇りとするのは至極当たり前のことだ。この「普通」のことが日本では「普通」ではなくなる。

「国」とか「国家」というと、「国民」あるいは「市民」というものと常に対立軸となるように考える戦後の偏向思考法があるためだ。

 「国家観」の喪失、そして国民が国や地域社会への帰属意識を忘却してしまったかのような日本。結果は、共同体繁栄の認識や規範意識の希薄さをもたらしてはいないだろうか。

その“代償”は猟奇的な動機不明の犯罪の多発や、オウム真理教が行った大量殺戮(さつりく)、さまざまな社会問題の発生によって露呈しているのではなかろうか。

 国際社会での日本の立ち位置はどうか。世界に出ると、自らの存立が日本という国にあることを思い知らされる。海外で日本の留学生たちの影が薄い現状をかつてまざまざと見た。自国のことを語れないのだ。

若き日本国民たちが、自らの国に誇りを持ち、世界に羽ばたいて飛躍する自覚を醸成するためにも、人生の節目節目ごとの“通過儀礼”において、厳粛な環境の中で、わが国の国旗を仰ぎ見て、国歌の斉唱を自然と行うようになろうではないか。
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