何故そのような職員がうまれ、そして長年放置されてきたのか、この本質を見なければこの問題の真の解決にはならないと愚考します。ともにお考え頂ければ幸いです。(大谷)
年金未処理問題を考える三つの視点
最近、テレビをつけ新聞を開くと、連日、年金問題が大きく取り上げられ、国民の不安を煽っているように見える。長年、真面目に働いてきたのに、年金がもらえないと聞けば何も知らない国民は不安で動揺するのは当たり前である。
しかし、少し違った視点でこの年金問題を取り上げるマスコミが何故出てこないのであろうか。今回は年金問題の本質について、政治家・マスコミ・国民の三つの視点から考えてみる。
1)政治家について
政治家は国や国民のことを第一に考えねばならないが、現実はどうも違っているようである。多くの政治家は第一に選挙のことを考えているように見える。選挙の事即ち自分が属する政党のこと、そして最終的には自分が次の選挙で当選することを先ず考えるのである。
年金問題も国民のことが本当に大事なら与党も野党も協力して一日も早く対策を講ずるべきである。政府が出した特例法の本質は「時効撤廃」であり、技術的な事務処理を早急に求めるものではない。
実務を知らない政治家が事務処理の技術的な話をしても見当外れになるだけであり、先ずこの法案を通して時効による被害者が出ないようにするべきである。
参議院選挙を控え、野党はこの年金問題を利用し、野党有利の流れを作ろうとしているのが年金騒動の本質ではないか。国民をほったらかして党利党略で動いていると非難されても仕方がないのではないか。
国家公務員法の改正も論じられているが、この年金問題の本質に国家公務員の長年にわたる執務責任があることを正面きって論ずる議員がいないのは情けないことである。
2)マスコミについて
ジャーナリズムに求められるのは何であろうか。いたずらに国民の不安を煽り立てるのがジャーナリズムの使命なのであろうか。今回の騒動を見ていると特にこの思いが強くなる。
もっと冷静に国民に物事の本質を説いて、不安に駆られた国民が誤った方向に暴走しないようにすることが大切なのである。然るに現在のマスコミは付和雷同して興味本位に情報を垂れ流している。
この問題の本質に気付いているジャーナリストも 多いはずだが、何故かその声は表に出てこない。そのような記者が本当にいないのか、或いはそのような記者はいるのだが、その声が会社の方針で取り上げられないのかもしれない。
いずれにしてもその真相は不明である。賢明な記者なら当然気がついていることだが、年金未処理問題の本質は社会保険庁の公務員が、課せられた職務をきちっと果たさなかった結果であり、公務員の責任問題なのである。
国民の負託を受けて本来果たすべきことをやらず、いい加減にやってきた結果なのである。戦後労働者の権利が声高に叫ばれ、スト権も保障されたが公務員はその立場上スト権が認められなかった。
その代わりに彼らを相当甘やかすことになった。真面目に働かず杜撰な仕事をつづけても、余程の犯罪を犯さぬかぎり身分は保証された、誠に居心地のよい職場が官公庁という役所であった。
そしてその権利を守るのが職員組合であり、その上部団体が一大政治勢力である自治労なのである。さらに事なかれ第一主義で、そのような怠慢を見逃してきた幹部公務員が野合・癒着した結果がこの年金問題の本質なのである。
安部内閣の支持率が急落しているが年金未処理問題が安部政権の失政なのであろうか。社会保険庁という、なんともいかがわしい役所の親方日の丸体質が生んだのが年金問題であることは議論の余地がない。
さらに言えばこの問題ある自治労は民主党の有力支持母体であり、その為民主党は安部内閣が進める教育再生も社会保険庁改革にも反対してきたのである。
このような構図を何故マスコミは報道しないのであろうか。現在のJRを見る時、当時国鉄民営化に絶対反対していた社会党初め野党はなんと言い訳をするのであろうか。又当時の有力マスコミがどういう報道をしていたか検証してみる必要がある。
3)国民について
政治家・マスコミの問題点を考えてきたが、最後に国民にどのような問題があるのか考えてみる。戦後憲法を支える三つの理念のうちの一つが国民主権の考え方である。
最終的に主権を持つのは国民であり、国民は大きな権力を持っているのである。主権者たる国民が賢明であれば問題はないが実際はそうではない。多くの国民は自分の頭で考える習慣はなく、お上に任せておけばよいと考えるか、無関心か、マスコミの主張を鵜呑みにして自分の意見とするかである。その結果、マスコミの主張が世論に与える影響は絶大で、国を動かすことになる。マスコミが第四の権力といわれる所以である。
以上政治家、マスコミ、国民の三者について考えて見たが、そのうちで最も影響力の大きなのはマスコミではないかと思う。国民が賢くなることが最も大切であるが、実際問題として人々は日々の生活に追われ、じっくりとものを考えたり、本を読んだりすることはあまりないようである。
その代わり新聞やテレビの主張・論説に知らぬ間に洗脳され、いつか自分の考えだと思うようになるのではないか。もしそうであればマスコミの責任は重大である。
良質なマスコミが不在であると国民は悲惨なことになるのである。先の大戦に日本を駆り立てたのも結局は政治家・マスコミ・国民の三者の構図に重大な問題があったからではないかと思われてならない。本質を見抜ける賢い国民を育てるのはマスコミである。
このマスコミの本来の使命を真剣に考えているマスコミが現在、この日本に存在するだろうか。オールド左翼のマスコミがよく言う「いつか来た道」の恐怖は健全なマスコミの不在を言っているのではないかと、なにやら肌寒いものを感じるのは筆者一人であろうか。 文責 大谷
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