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ICBM完成に現実味 北新型エンジン「意味ある進展」と韓国国防省

ICBM完成に現実味 北新型エンジン「意味ある進展」と韓国国防省
北朝鮮の労働新聞が7日掲載した、砲兵部隊による訓練で発射される4発の弾道ミサイルの写真(共同)北朝鮮の労働新聞が7日掲載した、砲兵部隊による訓練で発射される4発の弾道ミサイルの写真(共同)

 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮が19日に燃焼実験を公開した新型高出力ロケットエンジンの性能について、韓国国防省は20日の定例会見で「進展を遂げている」との評価を示した。


米本土を狙った大陸間弾道ミサイル(ICBM)の完成がさらに現実味を増したとの見方が高まっている。


 国防省は、主エンジンに4つの補助エンジンを組み合わせたものだとし、正確な推力などについてはさらに分析が必要だと述べた。


北朝鮮が昨年9月に燃焼実験を行い、推力が80重量トンと主張していたエンジンの改良型の可能性が高い。前回よりも噴出した火柱の色が鮮明で、推力が向上したと分析されている。


 北朝鮮は「タービンポンプ装置」の性能を検証したと伝えており、固体燃料ではなく液体燃料が使われたようだ。一方、燃料効率を高めた点も強調している。



〝無法〟北朝鮮の弾道ミサイル、打ち落とせるのか!…「SM-3」迎撃ミサイルの命中率

海上自衛隊のイージス艦「きりしま」から発射されるSM-3ミサイル(海上自衛隊HPより海上自衛隊のイージス艦「きりしま」から発射されるSM-3ミサイル(海上自衛隊HPより

 北朝鮮が事実上の長距離弾道ミサイルを北西部の東倉里(トンチャンリ)から発射したことで、日米の防衛体制に注目が集まっている。日米は弾道ミサイルを撃墜するため「SM-3」と「PAC-3」という2種類の迎撃ミサイルを保有している。


かつて弾道弾迎撃の困難さは「けん銃の弾を、けん銃の弾で撃ち落とすようなもの」と例えられてきた。日本を守る両ミサイルの“命中率”はどれほどなのか。(岡田敏彦)


迎撃は2段構え


 日本の弾道ミサイル防衛は2段構えだ。弾道ミサイルを宇宙で破壊するSM-3と、大気圏に再突入してきたところを迎え撃つPAC-3が迎撃を受け持つ。


SM-3は海上自衛隊のイージス艦から発射し、PAC-3は地上から発射する。PAC-3は、SM-3が撃ち漏らした弾道ミサイルを大気圏内で迎撃する“最後の盾”といえる。


 SM-3の開発には日本も参加し、その発射実験は米ミサイル防衛局により2002年1月25日から開始。15年12月9日までに40回の発射実験を行った(類似のSM-6ミサイルなど含む)。うち迎撃に成功したのは33回で、成功率は82・5%だった。


 ただし、失敗のうち3回はターゲットとなる模擬弾道ミサイルが故障するなどの理由でSM-3は発射されず、迎撃の失敗というより実験準備段階での失敗だった。


これを考慮すれば実質37回。うち迎撃成功は33回で、成功率は89・1%にまで上がる。

最後の盾は「100%」


 一方、撃ち漏らしを相手にする“最後の盾”のPAC-3は、97年から始まった弾道ミサイル迎撃実験計35回(13年末まで)のうち、成功は29回。成功率は約83%だ。しかし、この実験は多くが実戦さながらの条件で実施されたことを考慮する必要がある。


 発射日時を事前に知らせないのはもちろんのこと、弾道ミサイルと航空機の同時迎撃や、弾道ミサイル3発と巡航ミサイル2発の計5発同時迎撃など、厳しい条件下で行われた。


 なかには1発の目標に対し2発を発射し、1発目で撃墜、2発目は破壊された弾道ミサイルの破片に命中するという驚異的なスコアもあった。


 特筆すべきは、ミサイル誘導に新ソフトウェアを導入した09年12月以降の成績だ。13年末までに14回実施し、失敗は一度もなく、100%の命中率を誇る。


「当たらない」伝説


こうしたミサイル防衛(MD)に対し懐疑的な見方も多いが、不信の元のひとつは1991年の湾岸戦争にある。


当時PAC-3の1代前のPAC-2が、イラクのスカッドミサイルを迎撃するため実戦投入された。


米政府は当初、スカッドのほぼ全てを「2」で撃ち落としたと発表したが、後の米議会などの調査で命中率はわずか9%だったことが明らかになった。


 この失敗から大改良を施され、ほぼ別のミサイルに進化した「3」は、03年のイラク戦争で実戦に投入されて弾道弾2発の迎撃に成功し、その高性能を証明した。


 とはいえ、軍事の世界に100%の安心はない。


“撃ち方”の問題


 弾道ミサイルは、簡単に言えば「大きな砲弾」だ。普通の砲弾が火薬の爆発力で大砲から飛び出るのに対し、ミサイルはロケット推進という違いだけで、放物線を描いて自由落下で目標に落ちていくのは同じ。だが、現代では大砲の撃ち方さえも進化している。


 ドイツ陸軍が配備している自走砲「PzH2000」など最新の155ミリ自走砲は、1台で3台分の役目を果たす。


1発目を高い山なりの弾道で、2発目は低い山なりで、3発目はより低い弾道で連続発射することにより、同一目標への3発同時着弾を可能としたのだ。


砲弾の自動装填装置により1分間に8発の射撃が可能となり、これに最新のコンピューターを組み合わせたことで実現した。


弾道ミサイルでも、通常より低い弾道で撃つ(発射から命中までの時間が短い)「ディプレスト弾道」など、複数の撃ち方がある。


また北朝鮮でいえば、ノドンやテポドンといった多数配備しているミサイルを同時間帯に発射することによって、迎撃能力をパンクさせる(飽和させる)戦法もある。


1対1ではない


 ところでSM-3発射の“基地”となるイージス艦は200個以上の目標を探知し、同時に18発のミサイルを誘導できるとされている。


ただしこれは敵航空機を迎撃する際のデータで、宇宙空間を飛ぶような高高度の弾道ミサイルを探知する場合、レーダーのビームを集中しなければならない。


この際に向かってくる敵戦闘機などは、他の艦に迎撃を任せることとなっている。

 

 実際の戦闘では「1発対1艦」ではなく、多くのミサイルに対し、多くの艦や地上のレーダー設備などが連携(データリンク)しながら迎撃することとなる。


さらに米軍のイージス艦もデータリンクして迎撃に加わる。


 日本ではSM-3を発射・誘導できるイージス艦を現行の6隻から2隻増やし、20年度には全8隻とする予定。


また27年度中に、地対空ミサイルを装備する部隊「高射群」の6群全てにPAC3を配備する予定だ。


1発でも?


ミサイル防衛(MD)に関しては「1発でも弾道ミサイルを撃ち漏らせば失敗」「命中率は100%でなければ意味がない」といった声もある。


だからミサイル防衛(MD)は無意味だといった極端な主張だが、現実は逆だ。


 冷戦時代、世界の平和は「相互確証破壊」という冷徹な理論で保たれてきた。相互確証破壊とは、敵対する2国の間で核戦争が始まれば、


先制攻撃を受けた国にも必ず地下にある極秘の核ミサイル発射基地が複数生き残り、そこから報復の核ミサイルが発射されて2国とも壊滅するとの理論だ。


 だが、SM3やPAC-3はこの「全滅の理論」を崩した。


ロシアや中国がこの2種のミサイルによるミサイル防衛を「世界と地域の安定を著しく損なう」などと強く批判するのは、ミサイル防衛の実力を高く評価したことの裏返しでもある。


 例えば北朝鮮が将来、核弾頭を積んだ弾道ミサイルを開発したとしても、米国に向け発射すれば撃ち落とされ無効化される可能性がある。


にもかかわらず発射したが最後、米国から核ミサイルが無数に撃ち込まれるのだ。「相互」ではなく、少なくとも一方が確実に破壊される。


わずかな核兵器など持っても意味がないと知らしめるためにも、ミサイル防衛は意味があるといえる。


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