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成田空港反対闘争、煽って逃げた社会党 テロ集団を育てたといっても過言ではない 小川国彦氏の死去に思う

成田空港反対闘争、煽って逃げた社会党 テロ集団を育てたといっても過言ではない 小川国彦氏の死去に思う


なりたとうそう成田空港(後藤徹二撮影)

 社会党の千葉県議や衆院議員として成田空港反対闘争の先頭に立ち、その後は賛成に転じて同県成田市長を務めた小川国彦氏が5月20日に死去した。84歳だった。昨年死去した元社民党幹事長の伊藤茂氏もかつて成田闘争を指揮しながら、細川内閣で運輸相に就任すると一転して「立派な空港を造る」と宣言した。多くの犠牲者を出した成田闘争を煽り、いつの間にかいなくなった社会党、そして後身の社民党は、その変遷の歴史にけじめを付けないままだ。
(地方部編集委員 渡辺浩=元千葉総局成田通信部)

 国会議員が一坪共有地で抵抗

 社会党は昭和38年に新空港の候補地に千葉県富里村(現・富里市)が浮上した当初から内陸部への空港建設に反対した。41年に成田市三里塚への建設が閣議決定されると、佐々木更三委員長が現地入りし、「社会党は空港建設阻止のために闘い抜く」と演説。党大会でも反対決議を行った。

 現地闘争本部を設け、集会に国会議員や総評傘下の労組員を大量動員したほか、用地買収を複雑にするため一坪共有運動を呼びかけ、国会議員や地方議員も一坪地主となった。

 46年の第2次代執行では国会議員55人が登記した一坪共有地が強制収用された。登記簿には当時の成田知巳(ともみ)委員長のほか、勝間田清一(かつまた・せいいち)元委員長、後の村山内閣で入閣した大出俊元郵政相、山口鶴男元総務庁長官や阿部昭吾元社民連書記長、女性初の国会議員、加藤シヅエ氏らの名前が並ぶ。

社会党系の活動家たちは糞尿弾などで代執行を妨害した。国会議員が公共事業に抵抗して、用地を強制収用されるのは異例の事態だ。国民運動局長として現地で闘争を指揮したのが伊藤氏だ。

 このとき、現場近くで応援の神奈川県警機動隊員3人が若手農民や過激派のグループに襲われ死亡する東峰十字路事件が起きた。

 闘争指揮の伊藤茂氏が運輸相に

 A滑走路(主滑走路)、B滑走路(平行滑走路)、C滑走路(横風用滑走路)の3本で計画された成田空港は過激派による管制塔占拠事件による開港延期の後、53年にA滑走路だけで開港。完成を阻んできたのは、用地内農家を支援する過激派と社会党が始めた一坪共有地だった。

 代執行の攻防から22年後の平成5年、細川内閣で運輸相に就任した伊藤氏は成田空港を視察した後の記者会見で「B、C滑走路を完成して立派な国際空港になるよう願っている」と空港建設推進を表明。それは社会党の政策かとの問いに「そうだ」と答えた。

 かつて指揮した成田闘争については「亡くなられた皆さんのご冥福をお祈り申し上げるとともに、遺族の皆さんのご心労に思いを深くしている」「反対だけではない、次の政治を担える社会党にならなければ駄目だ」と語ったが、明確な反省はなかった。

伊藤氏は空港視察に先立って殉職警察官の顕彰碑に献花した。反対派農民の一人は「社会党が反対運動に火を付けたから警察官が死ぬ事件が起きた。どういう気持ちで献花したのだろうか」と不信感をあらわにした。

 小川氏に取材を申し込むと…

 多くの社会党関係者は開港当初、「成田空港は使わない」と話し、大阪空港などから海外に出掛けた人もいたが、なし崩し的に成田を使うようになった。

 国会議員の一坪共有地も解消していったが、小川氏は昭和62年まで持ち分を持ち続けた。うち1カ所は過激派、革労協の拠点「木の根団結砦」の敷地だ。同派の別の拠点「大清水団結小屋」はもともと社会党の現地闘争本部だった。

 数々のテロや内ゲバ事件を繰り返してきた革労協は社会党の青年組織、日本社会主義青年同盟(社青同)の分派「解放派」を名乗ってきた。社会党が育てたテロ集団と言っても過言ではない。管制塔占拠事件を起こした第四インター(現・JRCL)もかつて社青同にいた。

 社会党と総評が組織した反戦青年委員会にも革労協や中核派などの過激派が浸透した。今でも旧総評系労組に過激派活動家がいることは周知の事実だ。

 社会党は成田闘争を指導した責任をどう考えているのか-。筆者は平成5年、小川氏に取材を申し込んだが、秘書を通じて「昔のことを蒸し返して社会党の責任を追及するのは当を得ていない」と拒んだ。

小川氏は7年に離党して成田市長に当選し、空港との共生を掲げて2期8年務めた。13年から千葉県知事を2期8年務め、やはり空港完成を促進した堂本暁子氏も元社会党参院議員だ。

 成田空港開港20周年の平成10年、成田市を通じて小川氏に再び取材を申し込んだ。小川氏は「成田空港の20周年を祝うとともに、平行滑走路の建設に向け、市としてもできる限りの協力をさせていただく」などと文書で答えたが、過去の反対闘争について聞くと「回答はお断りします」とのコメントが返ってきた。


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