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【憲法76条の壁・軍法会議なき自衛隊(下)】議論タブー視 政治動かず 石破茂氏「大臣のときにやっておけば…」

議論タブー視 政治動かず 石破茂氏「大臣のときにやっておけば…」

石破茂氏=12日、東京都中央区(寺河内美奈撮影)

 「各国の軍隊の制度については関係省庁と連携して必要に応じて調査研究を行ってまいりたいと思っているが…」

 平成27年7月10日の衆院平和安全法制特別委員会。「各国の軍法会議の状況を政府が調査しているかどうか」という質問に対し、防衛相(当時)の中谷元は、こう言葉を濁した。

 質問した維新の党(同)の衆院議員、松浪健太は、複数の自衛官から「上官に命令されても、裁判制度が平時のままで違和感がある」と訴えられたことを受けてだった。

 しかし、中谷の答弁により、政府内で軍法会議の本格的な検討を行う下準備すら整っていないことが分かった。元防衛相の石破茂も各国軍の調査について「大臣のときにちゃんとやっとけばよかった…」と語る。

 軍法会議の議論が政府内でタブー視されてきたのは、憲法76条2項が特別裁判所の設置を禁じていることが大きく影響している。

 27年7月1日の衆院平和安全法制特別委でも、参考人として出席した東京外国語大院教授、伊勢崎賢治が軍法会議の不在について問題提起した。

 国連平和維持活動(PKO)などに派遣された自衛官が任務遂行中に現地市民を過失で殺傷しても罪を問う根拠法がない。

このため「ごめんなさいね。でも、あなたたちの法律よりも、もっと厳しい軍法で裁くから許してねと言うしかない」というのが伊勢崎の主張だった。

伊勢崎を参考人として呼んだのは、与党ではなく野党だった。だが、民進党など野党は軍法会議設置にまったく乗り気でない。

 政府・与党内では自衛隊による海外での活動が増えることを見越し、自衛官による規律違反を取り締まる制度の必要性は意識されてきた。

昨年3月に施行された安全保障関連法では自衛隊法122条を改正し、国外で上官の職務上の命令に反抗した自衛官らを罰する規定が盛り込まれた。

 同規定が自民、公明両党の協議の場に提示されたのは、安保関連法案の閣議決定を目前にした一昨年春だった。与党協議メンバーの一人は「ギリギリになって国外犯規定の話が出てきて、深い議論はできなかった。本来なら、自衛隊法をちょこっと修正するだけではない骨太の議論をすべきだった」と振り返る。

   
× × ×

 冷戦時代は自衛隊の活動が国内に絞られていたため、国際スタンダードを意識する必要がなかった。

 「憲法の番人」と呼ばれてきた内閣法制局内でも軍法会議の必要性をめぐる検討はほとんどされてこなかったという。

法制局のある幹部は「個人の見解」と断った上で「医療過誤など高度な専門性を求められる事件は多い。それにもかかわらず、なぜ自衛隊だけ特別扱いしなければならないのか」と強調する。

法制局は、規律保持の観点から敵前逃亡に厳罰を科す議論にも否定的だ。法制局幹部は「自衛隊の練度は高い。敵前逃亡で懲役7年というのは、自衛隊は信頼に足る組織だというメッセージでもある」との見解を示す。

 ただ、軍法会議の議論を妨げていたのは法制局だけではない。旧陸海軍の「あしき伝統」が現状を招いたとの見方も自衛隊内にはある。

 「旧軍出身の自衛官の中には『有事になったら何をしてもいい』という人もいた。マジかよって思った」

 最近退官した海上自衛隊の元幹部はこう証言し、「昭和に入ると、軍務に背いても軍法会議にかけず予備役に回されるようなこともあった。

国際的に通用しない点では昭和の陸海軍と自衛隊は同じだ」と手厳しい。

 自民党は、17年10月に「軍事裁判所」の設置を盛り込んだ新憲法草案を発表するなど、全く議論がないわけではない。

しかし、首相で同党総裁の安倍晋三自身が憲法9条1、2項を維持した上で自衛隊の存在を明記する改正に絞り込む姿勢を打ち出す中、今のところ憲法76条を改正する機運は高まっていない。

    
× × ×

 識者の間には、憲法を改正しなくとも、軍法会議に類する機関を設置することは可能との見方もある。

防衛研究所主任研究官の奥平穣治は選択肢として(1)憲法を改正し、特別裁判所としての軍法会議(2)海難審判所のような特別法に基づく行政審判機関(3)家庭裁判所のような専門裁判所-を挙げる。

 海難審判所のような機関であっても憲法に設置を盛り込むべきだとするのが自民党の立場だ。17年10月、24年4月にまとめた憲法改正案でも、特別裁判所の設置禁止は維持した上で「軍事裁判所」や「審判所」を置くとした。

もっとも、改憲案策定に関与した元自民党幹部は、憲法76条との整合性に関して「そこらへんの話は詰めていなかった」と打ち明ける。

 仮に軍法会議の設置を決めたとしても、一朝一夕に運用できるわけではない。軍法会議の裁判官、検察官、弁護士には法曹資格と軍事的専門知識の双方が求められる。

しかし、司法試験合格者で軍事経験を有する人材は皆無に等しい。自衛隊では弁護士資格保有者の把握すらしておらず、担当者は「司法試験に合格した自衛官がいるとは聞いたことがない」と話す。

 敵前逃亡罪に対する重い量刑など、自衛官に特別な処罰を科すのであれば、特別な名誉を授与する制度も整備しなければならない。

軍隊を持つ国では、軍人は功績に応じて祖国から勲章が贈られるが、自衛隊では現役の間に国から功績をたたえられることはない。叙勲対象になるのは退官後で、下士官の「曹」や兵卒の「士」は退官後でも叙勲の対象にはならない。

 処遇面でも、地方公務員との間で落差がある。消防官や警察官が殉職した場合、遺族には国のほか都道府県や市町村の賞恤(しょうじゅつ)金が授与され、最高で9千万円になるが、自衛隊員は原則として6千万円だ。

 中国や北朝鮮など現状変更を志向する隣国を抱える厳しい安全保障環境に置かれる中で、自衛隊にはこれまで以上の役割拡大が見込まれる。

安保関連法も整備され、実際に戦闘に巻き込まれる可能性も決して否定できないが、戦闘を支える司法制度はいまだ、ほぼ手つかずのままとなっている。=敬称略(この連載は杉本康士、千葉倫之、森浩が担当しました)
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■憲法改正の早期実現を求める国会議員署名について

賛同国会議員441名(10月18日現在)

■憲法改正の早期実現を求める意見書採択について

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コメント

ウソはこまる

>自衛隊では弁護士資格保有者の把握すらしておらず、担当者は「司法試験に合格した自衛官がいるとは聞いたことがない」と話す。

また産経のフェイクニュースですか?

予備自衛官及び予備自衛官補との座談会 
http://www.mod.go.jp/pco/saga/reserve/zadankai/zadankai.html
>松田 直さん(弁護士)H27年1月 予備自衛官へ任命
>山口 修さん(弁護士)H25年8月 予備自衛官へ任命

千葉大学大学院HPで空自法務幹部の阿部3空佐を紹介
http://www.boueinews.com/news/2017/20170301_3.html
>航空幕僚監部首席法務官付として勤務する阿部竹浩3空佐が、超難関の資格試験である
>「司法試験」に一回で合格した」として千葉大学大学院のホームページで紹介された。


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  • Author:日本会議地方議員連盟
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