保守的堕胎禁止法を成立させたニカラグアに対して、開発援助を打ち切ると脅しているオランダ政府

今回の国連通信は、オランダが、堕胎禁止法を成立させたことで開発援助を打ち切るぞ、とニカラグアを脅しているという話題です。

何故こうしたことが起こるのでしょうか。

昨年の「正論」11月号に、私は、WCF(世界家族会議)の重要スピーチから引用して、下記のように書きました。

「西側、主に欧州の人口低下に対して、途上国の出生率によって生じるバランスオブパワーの問題を解決し、移民を抑止するために、そして途上国の天然資源を確保し続ける為に、発展途上国に人口抑制を強制するのが、この国際人口開発会議の真の姿だったのである。
しかし発展途上国の大部分は、この反生命・反家族の方針を拒否した。そこで国連や西側諸国は、発展途上国の抵抗を弱めるために、世界銀行のような国連機関からの援助を交渉ツールに使うと共に、フェミニズムを発展途上国に輸出するという新たな戦略を考えたのである。」

これと同じような事情が、オランダとニカラグアの間にあるのでしょうか。以下、今週の通信です。(岡本明子)

「保守的堕胎禁止法を成立させたニカラグアに対して、開発援助を打ち切ると脅しているオランダ政府」

驚くべきことに、金持ち国家であるオランダ政府が、貧しい小国ニカラグアを、堕胎問題に関連して開発援助を断つと脅しています。最近ニカラグア国会は、あらゆる堕胎を罪とすると満場一致で決定しました。それでオランダは開発援助を止めるかもしれないと言ったのです。

オランダ開発省大臣Bert Koendersは、ニカラグアが堕胎禁止法を自由化しなければ、ニカラグアが必要としている沢山の開発援助を取消すかもしれないと、ニカラグア政府に伝えました。

昨年10月、ニカラグア国会は、堕胎を全面禁止する法律改正を満場一致で決めました。投票に先立って、国連児童基金(ユニセフ)、国連人口基金(UNFPA)を含む、国連官僚および各国代表らの連合は、ニカラグア国会での法律改正を止めさせようとしました。

この法律が成立して以来、ニカラグア政府は、世界中の堕胎支持急進論者達からの圧力を受ける被害者になっています。今年1月、女子差別撤廃委員会は、「罰則を伴わない堕胎法」を再検討するよう、ニカラグアに命じました。

Human Rights Watch(*)は、ニカラグアの堕胎禁止は国際文書に反すると訴えて、ニカラグアの堕胎禁止法への法的抗議を開始しました。ニカラグアの高等裁判所は、今後数か月のうちに、この問題での判断を下すと思われます。

*NGOのようです。サイトは、http://www.hrw.org/

ニカラグアは、その生命尊重、堕胎反対の憲法や法律を守ると、国連で繰り返し発言しました。障害者条約のような他の国連会議と同様、カイロ会議、北京会議でも、ニカラグア代表団は、妊娠の瞬間からの生命の権利を守り、どんな堕胎も、産児制限を調節する方法だと見なすことはできないと述べました。

又ニカラグアは、「『堕胎』を管理する国内法は、ニカラグア国家の主権の範囲内にある」と述べました。

家族と命に関する保守的立場を取るがゆえに、ニカラグアが援助に関して脅しをかけられたのは、これが初めてではありません。2000年には、スカンジナビアの議員達が、ハリケーンで破壊されて多くの財政援助を必要とするニカラグアを、援助を与えないと脅しました。

数人のスカンジナビアの大使達は、堕胎、同性愛のカップルを含めての家族の再定義、生物学的区別に代えて「社会構築された」という意味のジェンダーの再定義について抵抗する政府の保守的立場をニカラグアの議員Max Padillaが代表しているがゆえに、激しく非難しました。

ジェンダーの定義変更に対して拒否するPadillaは、放逐されてしまいました。

「医学的に堕胎を必要としても、ニカラグアにおいては、それはまだ不法なままであり、そのことが女性を死に至らせる。私達は、これは完全に承諾しがたいと強調すべきだと思う」と、KoendersはDutch Platform of Millennium Goalsに伝えました。

彼は続けて、「私は、ニカラグアへの援助を直ぐに取り消したくはないが、我々はこの問題を考えてみたい。」と述べました。

英国のMEP(欧州議会議員)である、Nirj Devaは、フライデイファクスに、こう伝えました。「最近起こった、堕胎禁止を理由にニカラグアへの財政援助を取消すというオランダの脅しはEUが率先したものではなく、EUの一加盟国だけのことです。」Deva氏は、「これは、この問題に対するEU総体の立場を反映していません」と付け加えました。
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■憲法改正の早期実現を求める国会議員署名について

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