しかし、年金問題を問うならば、年金記載漏れの原因となった自治労の職務怠慢と、天下りの無責任体質の是正こそ重要であるはずです。そして、この自治労の職務怠慢と官僚の天下りを是正しようとしているのが、実は、安倍政権なのです。にもかかわらず、年金問題の原因を是正しようとする安倍政権が非難され、自治労を擁護する民主党の支持率が上がる。なんとも不思議な状況です。
さらに、安倍政権が否定されれば、改憲は遠のき、国民固有の権利の侵害と、外国人による内政干渉誘引の危険性をはらむ外国人地方参政権などわが国の解体をめざす政策が浮上する危機があることを、本日の「正論」で、日本大学の百地教授が指摘しています。
是非とも、この百地論文を広く、友人・知人にお知らせいただければ幸いです。
(引用)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/68368/
190720産経
【正論】百地章 憲法問題こそ参院選の焦点
■この選挙が改憲の成否決することも
≪「年金選挙」への疑問≫
参院選も中盤を迎え、争点はやや変化してきたが、依然「年金選挙」の様相を呈している。一昨年の郵政解散では、郵政民営化問題が唯一の争点とされ、シングル・イシュー選挙の弊害が厳しく批判されたはずであった。それにもかかわらず、今回も同じ過ちを繰り返そうとするのか。
もちろん年金問題は国民の切実な関心事であり、これが参院選の争点の一つとされるのは当然である。しかし、解散がなく、長期間国会に議席を有する参議院議員に託すべき事柄は、年金問題だけではあるまい。
そもそも、年金問題発生の主原因が、自治労に支えられた社会保険庁の「親方日の丸」的体質にあったことは、先の検証委員会中間報告が示すとおりである。であればこそ安倍内閣は旧国鉄と同様、社会保険庁を解体し、民営化によって抜本的解決を目指した。
民主党がこの「宙に浮いた年金」問題を国会で取り上げ、解決のきっかけを作った功績は大きい。しかし、その民主党の現職参議院議員や候補者の中には、5人もの自治労幹部(現・元)がいる。民主党が社保庁を解体する改革関連法案に反対したのは、これが理由なのであろうか。
≪隣国の軍事的脅威思え≫
参院選の最大の争点とは何か。それは参議院にふさわしい国家の根幹にかかわる長期的課題、例えば憲法改正、外交、防衛、教育などといったテーマである。
憲法改正国民投票法の成立によって、憲法改正問題は全く新しい局面に突入した。3年後には国会によって憲法改正の発議がなされる可能性が出てきたからである。参議院議員の任期は6年あり、今回選出される議員の任期中に憲法改正の発議がなされる可能性はかなり高い。その際、参議院に憲法改正問題を託すに足る人材を確保できているかどうかは、文字通り国の命運を決する。
各党のマニフェストを見ると、自民党は155の約束のトップに「新憲法制定の推進」をあげているが、7つの重点課題の中では、最後尾に置かれてしまった。これに対して、年金と共に、憲法9条改正反対を前面に打ち出しているのが、共産党と社民党である。安倍晋三総理の主張する「戦後レジームからの脱却」の中心課題は憲法改正のはずである。
なぜこの問題をもっと積極的に取り上げないのか。
現在、憲法改正を支持する国民は、各種世論調査でほぼ過半数を占めているが、ここ数年で改憲支持の国民は約1割(『日経新聞』)から2割(『読売新聞』)も減少してしまった。これは護憲派の巻き返しによるものであろう。もし今回の参院選で護憲派が3分の1以上の議席を占めることになれば、当分、改憲の発議は行えなくなる。
実は、昭和27年の講和独立前後から、憲法9条改正の機運が一挙に高まったことがあった。この時、護憲派はいち早く学者・文化人を中心に「平和憲法擁護の会」を立ち上げ、さらに組合やマスメディアまで巻き込んで「憲法擁護国民連合」を結成している。そして憲法改正反対の国民運動を展開し、昭和30年2月の衆院選と翌31年7月の参院選において、3分の1以上の護憲勢力を確保することに成功した。
そのため、自主憲法制定を掲げて行われた昭和30年11月の保守合同(自民党の結成)も結果的には遅きに失し、結局、憲法改正は実現できなかった。
それ故、もし同じ轍(てつ)を踏み、今回の参院選で改憲勢力が後退すれば、憲法改正の機会は大きく遠のく。増大する中国や北朝鮮の軍事的脅威を前にして、果たしてそれで良いのか。
≪外国人参政権問題争点に≫
加えて、国の根幹にかかわる憲法問題として各党に聞きたいのは、外国人参政権問題である。近年永住外国人に対して地方参政権を付与すべきだとする意見もある。しかし参政権問題の本質は、運命共同体としての国家のかじ取りを外国人に委ねてしまっても良いのかということにある。国政と地方政治が切り離せない以上、これは地方参政権についてもいえる。
この問題について、民主党は結党時の「基本政策」に「定住外国人の地方参政権の早期実現」を掲げ、小沢一郎代表や鳩山由紀夫幹事長らも外国人参政権に賛成している。一方、これに強く反対してきたのは自民党の安倍総裁や、彼が復党させた衛藤晟一氏らであった。
政権選択選挙などといった声も聞かれる以上、この問題についてもきちんとした論議を行うべきではなかろうか。(ももち あきら=日本大学教授)
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