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北朝鮮の「瀬取り」4件は氷山の一角 国際連携で監視網強化も中露の協力は?

北朝鮮の「瀬取り」4件は氷山の一角 国際連携で監視網強化も中露の協力は?

  • 「瀬取り」を行った疑いがある北朝鮮船籍のタンカー(左)と船籍不明の小型船=2月16日、東シナ海(防衛省提供)
  • 横付けして照明を点灯している北朝鮮船籍タンカー「Chon Ma San号」(手前)とモルディブ船籍タンカー「Xin Yuan 18号」=2月24日午後10時半ごろ(防衛省提供)
  • 横付けして照明を点灯している北朝鮮船籍タンカー「Chon Ma San号」(右)とモルディブ船籍タンカー「Xin Yuan 18号」=2月24日午後10時半ごろ(防衛省提供)
  • 1月にカナダ・バンクーバーで開かれた外相会合では、関係国による「瀬取り」の対処についても話し合われた(AP)
 政府が北朝鮮による公海上での密輸取引「瀬取り」の対策に本腰を入れている。

 政府は海上自衛隊の哨戒機に公海上での監視にあたらせ、今年に入って計4件、瀬取りが疑われる現場を撮影した画像を公表した。外務省幹部は「公表したのは氷山の一角。裏には膨大な数の活動がある」と話す。2月末には米国などの関係国を交えた会合を開き、国際的な連携による監視網の拡大・強化を図っている。一方、北朝鮮に影響力を持つ中国、ロシアが国際的な協力の枠組みに参加する可能性は低く、制裁の「抜け穴」封じには課題も残る。

 瀬取りは、洋上で船から船へ積み荷を移し替える行為だ。国連安全保障理事会は、瀬取りが北朝鮮に対する石油精製品などの制裁対象品目の密輸につながるとして禁止している。

 それでも北朝鮮は累次の安保理決議によって制裁圧力が高まる中、公海上での瀬取りを制裁の抜け穴とみており、船舶の活動を活発化させている。北朝鮮への圧力の実効性を高めるためには、瀬取りの取り締まり強化が国際社会の重要課題となっている。

北朝鮮が瀬取りを抜け穴とみているのは、公海上での瀬取りの実施が安保理によって禁止されているものの、取り締まりそのものは加盟国に義務付けられていないためだ。だからこそ、日本の哨戒機による監視飛行は先駆的な取り組みといえる。

 ただ、北朝鮮船籍の密輸船が瀬取りを行える公海上の領域は広大で、自衛隊だけで監視網を構築するには限界がある。

 平昌パラリンピック期間中(3月9~18日)は、北朝鮮が弾道ミサイル発射などの挑発行為に踏み切る可能性は低いが、パラリンピック終了後は挑発行為を再開させる可能性が高い。そうなれば、自衛隊は部隊を瀬取りが頻繁に行われている東シナ海から日本海へ再配置する必要があり、瀬取りの警戒監視のために利用できるアセット(資産)は少なくならざるを得ない。

 日本政府が主導して、米国のほか韓国や豪州を交えた瀬取り対策の会合を開いたのは、警戒監視態勢に空白をつくらないためともいえる。協力国で担当エリアを分けることや、担当時期を割り振る案も検討されている。

外務省幹部は「(外国軍による)日本への親善訪問の機会に瀬取りの監視をやってもらえばいい」とも話し、英国や豪州といったパートナー国の軍との共同演習を、瀬取りの取り締まりの協力機会と捉える向きもある。

 北朝鮮による瀬取りが活発化しているのは、国連安保理がこれまでに採択した対北制裁の効果の表れだが、北朝鮮内のガソリン価格がそれほど高騰していない実態もあり、日米が主導する圧力の最大化が十分にその威力を発揮しているとは言い難い状況だ。

 北朝鮮に影響力を持つ中露は、表向きは安保理決議を順守する姿勢をみせるが、国連の枠組みとは異なる国際協力に参加する可能性は低い。

中国の艦船は瀬取りが行われている海域に姿をみせるものの、「瀬取りを監視しているのか、自衛隊の動きを監視しているのかは分からない」(外務省幹部)という。

 また、日本を含む関係国が公海上でできるのは、警戒監視と情報共有にとどまり、臨検などの強制力を伴う行動には、さらなる安保理決議が必要になる。

公海上での強制行動となると中露の反発は必至で、当面は国際協力によって警戒監視を強め、抑止効果を高めていく状況が続きそうだ。 
(政治部 大橋拓史)
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■憲法改正の早期実現を求める国会議員署名について

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